今回、私は通販で買ったイチゴの苗を植えるために実家に帰ってきています。
ネット通販を使ってイチゴの苗を3種類購入しました。
家庭菜園でイチゴを育てる場合、amazonや楽天などのネット通販で苗を購入することがあると思います。
イチゴの苗をネットで購入した場合にどうやって届くのか、届いた後の管理をどうしたらいいのか不安に感じる方もいるのではないでしょうか?
ということで、今回はネットで買ったイチゴの苗の様子と植え方について紹介します。
ネット通販で購入したイチゴの苗の外装
こちらがインターネットで購入したイチゴの苗です。
それぞれ別の会社に発注して届いたので、段ボールが違います。
北山ナーセリーさんから届いた箱の外装
大きい箱から見てみると【植物 天地無用】と書いてあります。
ひっくり返さないように取り扱い注意のシールが貼ってあります。
上にちゃんと空気が抜けるような空間が作ってあり、中のイチゴの葉っぱが見える状態になっています。
富山県の北山ナーセリーさんというところが送ってくれました。
園芸ネットさんから届いた箱の外装
真ん中の箱の上には【植物】と書いてあり、【この面を上に 天地無用】というシールもきちんと貼ってあります。
園芸ネットというところで購入しました。
植物が呼吸できるように空気が通る穴も開けてあります。
花ひろばオンラインさんから届いた箱の外装
これが一番丁寧でした。
取扱注意のシールがたくさん貼ってあります。
それから【宅配業者さんへお願い】というシールまで貼ってあります。
ただ、空気の抜けるような穴はありません。
こんな感じで3種類の苗が届きました。
次は箱の中身を出して、1つずつ確認していきましょう!
北山ナーセリーさんから届いたよつぼしの苗
一番大きな箱で届いた苗はよつぼしです。
種子繁殖型品種のよつぼしの苗
よつぼしは種子繁殖形なので、種で増やせるイチゴです。
ただランナーでも増やすことができます。
増やした苗を他の人にタダであげたり、販売することは禁止されているので気を付けて下さい。
種だと栽培に時間がかかるので、今回は手っ取り早く苗で育ててみようと思い、よつぼしの苗を買いました。
よつぼしに関してはこちらの動画で紹介しているので、気になる方は是非ご覧ください。
よつぼしの苗は少し徒長気味
この苗は少し徒長(とちょう)気味ですね。
苗を管理してる期間に、苗同士を置く間隔が狭かったんでしょう。
でも、まずまずな苗なんじゃないでしょうか?
許容範囲内だと思います。
徒長とは、茎の部分が長く異様に伸びてしまっている状態です。
茎が伸びるのは、光の不足が原因です。
例えば、こうやって苗を密集させて置いておくと茎が長く伸びすぎてしまいます。
よつぼしの苗には育て方が書かれた紙が同封されていた
イチゴの育て方が簡単に書いてあるのが嬉しいですよね。
- イチゴの植え付け方
- 水やりの仕方
- 一季成り性イチゴのライフサイクル
など、初心者の人でも育てやすくなるような情報が書いてあります。
こちらの資料には地面に植えるやり方が書いてあります。
水やりやマルチの張り方、人工授粉のやり方など初心者の人にはすごく良いと思います。
こういう資料があるといいですよね。
いい苗屋さんだと感じました。
園芸ネットさんから届いたとちひとみの苗
次は園芸ネットさんから届いたイチゴの苗を紹介します。
今回購入したのは四季成り性イチゴのとちひとみという品種です。
四季成り性イチゴのとちひとみ
四季成り性イチゴとは、気温が高かったり日長時間が長くても花を作ることができる品種です。
日本の自然条件では、春夏秋の3シーズンでイチゴの実を収穫できます。
冬場も暖房機を使えば収穫できるので四季成り性(4つの季節で収穫できるイチゴ)と呼ばれています。
四季成り性イチゴについては、こちらの動画で詳しく説明しているので気になる方はぜひご覧ください。
とちひとみという品種は、栃木県の農業試験場で開発された品種です。
なので、栃木県の“とち”がついてます。
とちおとめの夏に採れるバージョンと考えたらいいですかね。
ただ、味ではとちおとめにはどうしても劣っています。
夏場で気温が高いということもあって、甘さは控えめな品種です。
とちひとみは栃木県だけではなくて日本中どこでも栽培できる品種なので今回試しに買ってみました。
栽培マニュアルは付いていませんでしたが、ラベルの裏に簡単な栽培方法や注意事項が書いてあります。
「とちひとみは」は種苗登録品種です。無断で増殖・譲渡・販売は法律により禁止されていますので、ご注意ください。と書いてあります。
なので取り扱いには気をつけましょう。
とちひとみは少し徒長気味で深植えの状態
とちひとみは小さなポットに入っていて、つぶ状の培地を使っており変わっているなと思いました。
それから少し徒長していますね。
苗屋さんは大量に苗を管理するので、ぎゅうぎゅうに押し詰めて管理してるんですよね。
なので徒長していますが、許容範囲だと思います。
それと深植えです。
苗はもう少し浅く植えた方が良いと思います。
深植えになって新芽の部分が土に埋まってるので腐りやすいです。
つぶ状の水はけが良い土なので多少深植えでも問題ないのかもしれませんが、普通の園芸培土の場合は深植えしすぎですね。
でも、十分いい苗だと思います。
花ひろばオンラインさんから届いたペチカの苗
一番小さいダンボールに入っていたのはペチカというイチゴの苗です。
四季成り性イチゴのペチカ
昔は北海道の夏イチゴといえばペチカでしたが、最近は新しい品種に切り替わっています。
ペチカも四季成り性なので春夏秋に収穫できます。
日本では商業的には夏から秋にかけて収穫されていて、ケーキ用やイチゴ大福など業務用に使われています。
なので、普通のスーパーではなかなか売っていません。
ペチカのラベルには「ケーキ屋さんのあま〜い四季成りいちご」と書いてあります。
ペチカの苗には育て方が書かれた紙が同封されている
イチゴ苗の育て方という両面刷りの紙が入ってました。
これを見れば、植え方や病害虫などの簡単なことはある程度わかりますよね。
一緒に入れてくれると、すごく親切でいいと思います。
苗と苗が重なって届いてしまった
実はペチカの苗は状態が一番悪く、少し問題がありました。
まず、苗の入れ方が乱暴でした。
3株購入したのですが、ポットが下に2つあって、そのポットの上にポットが重なっている状態でした。
入れる時からこうだったのか、それとも輸送中の衝撃でこうなったのかわかりませんが、苗の上に苗が乗っている状態です。
長い輸送期間で新葉がもやしの様になっている
そして、多少徒長してます。
新葉がもやしみたいな黄色っぽい色になっていますよね。
これは多分、苗を箱に入れる段階ではこうはなっておらず、箱に入れて真っ暗な状態で数日間置かれたことでもやしみたいなものが出てきてしまったんだと思います。
これは輸送で発生してしまうことなので、仕方ないです。
ホームセンターで買う場合にはほとんど起こりません。
インターネットで苗を購入した時、輸送期間が長くなるとこの様になってしまいます。
手元に届いたら直ぐに箱を開けて光に当てるようにしてください。
この苗ももやしみたいに白っぽく、徒長とは少し違う状態になっています。
今回購入したペチカは老化苗の可能性がある
実は、この苗は老化苗といわれるものです。
クラウンのところに付いているピラピラは葉っぱが古くなった物です。
これだけついてるという事はかなりの期間栽培されていたということです。
それで生育が悪くなって、もう1回芽を出している状態です。
そして、クラウンがかなり長いです。
他の株を見ても同じ状態です。
新芽の部分から下までクラウンが長く伸びていて、葉っぱが何枚も出てきた跡があります。
クラウンは長いわりに太くありません。
これが何を意味してるのかというと、苗の状態で長期間保管されていた、要するに売れなかったか売る時期を逃した状態です。
根っこが真っ黒になっている
さらに根っこを見ると真っ黒です。
本来であれば根っこは白くなければいけません。
これは俗にいう老化苗です。
植えるタイミングを逃して、根っこが黒く死んでしまっています。
生きてる根っこもあるので苗は生きてはいますが、状態としてはかなり悪いですね。
ホームセンターでもし根っこが黒い苗やクラウンが伸びている苗があったら買わない方がいいです。
ネット通販では状態が悪い苗が届く場合がある
ネット通販では事前に苗を確認できないので、どうしても状態が悪い苗が届くことがあります。
これはネット販売のデメリットですよね。
こういう苗は植えても生育があまり良くないことがあります。
仕方ないですが、届いてしまったので栽培はします。
ネット販売の弱点として、苗の状態が悪い物が届く場合もあります。
老化苗と他のイチゴの苗を比較してみた
苗の状態を確認するために、よつぼしの苗と比べてみましょう。
よつぼしの苗とペチカの苗の状態を比較
葉っぱの元気さが違いますよね。
よつぼしの苗の根っこを見ると、明らかに白くてポットの底にぐるぐる回っています。
側面にも白い根っこがしっかり張っています。
この状態は非常に良い苗で、まさに定植にピッタリのタイミングです。
これは100点満点をあげたいぐらいの根っこの状態です。
右はペチカの老化苗で、根っこは真っ黒で定植するタイミングが遅すぎます。
左はよつぼしの苗で、根っこが白く植えるのにピッタリなタイミングです。
定植のタイミングを逃した苗も植えるしかありませんが、生育はあまり良くないと思います。
地上部の大きさは品種や日当たりなどによって違いますが、地上部の生育もよつぼしの方が大きくなっていますよね。
ペチカという品種は小さいです。
品種や時期によって違うので単純に比較はできませんが、根っこの生育によって地上部の生育にある程度差ができてしまっています。
とちひとみの苗の根っこの状態
せっかくなので、とちひとみの根っこも見てみましょう。
とちひとみはつぶ状の培地を使っていますね。
根っこはこんな状態です。
底にしっかり根鉢が巻いてはいますが、若干水分が底にたまっているのが気になりますね。
苗がビニール袋に入って届いたので、底の水が抜けずに排水性が悪くて水がたまったのかもしれません。
なので、苗が袋に入った状態で届いたらすぐに袋から出して排水性を確保してあげてください。
袋に入れたままにしておくと根腐れしてしまうので、余分な水が外に流れ出るようにしましょう。
側面の根の張りがまだ弱いので土がボロボロこぼれています。
この苗は本来、もう数日~数週間ポットで育ててから植えた方がいいです。
ただ、今回は実家で作業していることもあり、養生しておく時間がないので今日植えてしまいます。
もしこのぐらいの根っこの張りで届いたら、しっかり根っこがぐるぐる回るまで待ってから植えるのがおすすめです。
種から育てられたよつぼしの特徴とは?
よつぼしの苗を見て、普通の苗と違うところがわかるでしょうか?
これは実生苗(みしょうなえ)といって種から栽培された苗です。
よつぼしは種子繁殖型なので、種から苗を増やすことができます。
この苗はランナーではなくて種で増やされた苗です。
この苗を見ると1枚だけの葉っぱと1.5枚くらいしか展開してない葉っぱがありますよね。
こういう葉っぱがある苗は種からできた苗です。
なぜかというと、種から発芽したばかりの葉っぱは1枚しかありません。
次第に1枚だけの葉っぱが3つに分かれて3枚になります。
ランナーで作った苗は、最初から3つに分かれた葉っぱが出てきます。
※画像は「【いちご】苗の増やし方!家庭菜園向けの苗作りの手順」より引用
なので、今回届いたよつぼしの苗が種から育てた苗だということがわかります。
イチゴを種から育てる様子はこちらの動画でご覧になれます。
ネット通販で購入したイチゴ苗の植え付け
今回はよつぼし、ペチカ、とちひとみの3品種が届きました。
これからこの3種類をプランターに植えます。
よつぼしは一季成り性品種、ペチカととちひとみは四季成り性品種ということで、1つの一季成り性品種と2つの四季成り性品種を買いました。
ただよつぼしは一季成り性品種ですが、温度が少し高い25~27℃ぐらいだと日の長さが長い長日条件で花芽分化しやすい特徴があります。
つまり、よつぼしは一季成り性品種ですが四季成り性品種の特徴も併せ持つ品種です。
今回購入した3品種のイチゴの収穫時期は春と初夏それから秋の3つの季節で収穫が楽しめると思います。
※一番暑い夏の時期は花が出ません。
来年、比較をしてみたいと思ったので今回はこの3品種を買いました。
イチゴの植え方はこちらの動画でご紹介しているので、ぜひご覧ください。
実際に植えたイチゴの苗
プランターによつぼしを3株を植えたので、これから水やります。
こちらには1つのプランターに3品種を植えました。
一番左がペチカ、真ん中がよつぼし、右側がとちひとみです。
こうやって植えれば生育の違いを比較することができるので楽しいと思います。
ただ問題点があって、ラベルが移動したりプランターの向きが変わったりするとどこにどの品種を植えているのかわからなくなっちゃいますよね。
なので、しっかりラベルを挿したり写真を撮って記録したりして、どこにどの品種を植えたのかがわかるようにしておきましょう。
ネット通販でイチゴの苗を購入する際の注意点
インターネットでイチゴの苗を購入した場合の注意点です。
注意点①質の悪い苗が届く可能性がある
ネット通販でイチゴの苗を購入すると、苗の質が悪いものが届く場合があります。
購入する前に肉眼で確認できないので、たまにハズレを引いてしまいます。
注意点②苗が届いたらすぐ外に出す
イチゴの苗が袋に入って届いた場合は、すぐに袋から出して水気をしっかり切れるようにしてください。
段ボールの中にいれっぱなしだと光に当たらなくて、葉っぱがもやしみたいになってしまいます。
届いたら箱からすぐに出して、光をしっかり当てましょう。
もし乾いていた場合は、ポットの底から水が溢れるぐらい水を与えてください。
注意点③苗の根っこを確認する
イチゴの苗を植え付ける際は、根っこの張り具合を確認しましょう。
しっかりぐるぐる根がまわっていて、白くて元気な状態だったらすぐにプランターや地面などに植えてください。
もし根っこの張りが不十分だったら、ポットのまま数日~数週間生育させてから植えるのがおすすめです。
万が一、根っこが真っ黒になっていて状態が悪いようだったら、
- 新しい苗を購入する
- ポットで様子を見る
- すぐにプランターや植木鉢に植える
などの対応をしましょう。
苗の状態でその後の生育が決まるので、苗の状態が悪い場合にはその後の生育もうまくいかない可能性があります。
色々な可能性を考えた上で新しい苗を買ったり、とりあえず育ててみるなど検討してみてください。
インターネットで苗を購入して栽培する場合の注意点やその後の管理は以上です。
【家庭菜園のいちご】いちごの苗をホームセンターではなくネット通販で買う時の注意点のまとめ
本来はホームセンターで実際に苗の様子を見て買うのが確実です。
ホームセンターでイチゴの苗を買う時の選び方はこちらの動画で紹介しています。
しかし、近くにホームセンターがなかったり、欲しい品種がホームセンターでは売っていない場合もありますよね。
その場合は、インターネットの方が色々な品種を買うことができるので便利だと思います。
私も結構イチゴの苗をインターネットで購入することもあります。
ただ、商業的な栽培の場合は別途契約を結ばないといけない品種もあるのでインターネットで購入するのが難しいです。
商業的に栽培する場合は、今回使ったような品種とは別のものをよく使います。
ただ、家庭菜園なら今回購入した苗でも十分に楽しめると思います。
一季成り性品種は春しか収穫できませんが、四季成り性品種やよつぼしを使えば暑夏や秋でも収穫できる可能性があるので家庭菜園には四季成り性品種が向いてるんじゃないでしょうか。
ただ、一季成り性品種に比べると味はあまり美味しくないといことをお伝えしておきます。
イチゴ栽培に興味がある方は、ネット通販でイチゴの苗を購入してみてはいかがでしょうか?
今回ご紹介した内容は、こちらの動画でご覧になれます。