いちごで最も危険な害虫ホコリダニの症状, 問題, 対策を紹介【アザミウマの寄生被害との見分け方】農薬が効きづらいので苺農家も家庭菜園も要注意

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今回は、イチゴに寄生する害虫の中でも一番危険で厄介な害虫「ホコリダニ」の症状、問題、対策について紹介します。

  • ホコリダニってどんな害虫?
  • ホコリダニがいるとどうなるの?
  • どんな対策をすればいいの?

このような疑問や要望がある人は、ぜひ最後までお読みください。

目次

ホコリダニが発生したらどんな問題が起きるのか

ホコリダニについては、名前は聞いたことがあるが見たことはない人や、知っているが実際に見つけたことはないという人がほとんどだと思います。

実際に、ホコリダニは家庭菜園のイチゴでも発生しますし、商業的なプロの農園でも発生する害虫です。

まず、ホコリダニが発生すると、イチゴの生育がかなり悪くなります。

そして最終的には、イチゴが枯れてしまいます。

また、実もかなり汚くなるため、商品としての価値も無くなってしまいます。

さらに厄介なことに、一つの株で発生したホコリダニは、どんどんと周りの株にも広がっていきます。

そのまま放置すると、最悪の場合、イチゴ農園のイチゴが全滅することもあります。

とはいえ、ホコリダニはそれほど頻繁に発生する害虫ではありません。

しかし、一度発生してしまうと、最悪の場合イチゴを全滅させてしまう恐れのある厄介な害虫であることを理解しておきましょう。

ホコリダニの特徴

次にホコリダニの特徴について説明します。

特徴1.かなり小さく見つけにくい

ホコリダニの体長はおよそ0.2ミリとかなり小さな虫です。

そのため、肉眼で確認することはほぼ不可能です。

例えば、植物によく付いているアブラムシなどの体長は数ミリ程度あるため、簡単に肉眼で確認できます。

視力のいい方が凝視してようやく肉眼で確認できると言われるハダニでも、体長は0.5ミリ程度あります。

つまり、ホコリダニの大きさはそのハダニの半分以下ということになります。

仮に肉眼でそれらしきものを発見したとしても、おそらくそれをホコリダニだと判別することは難しいでしょう。

確実にホコリダニの姿を捉えるためには、顕微鏡などが必要になります。

特徴2.効果のある農薬が少ない

ホコリダニの厄介な点として挙げられるのが、ホコリダニにに対して効果のある農薬の種類が非常に少ないということです。

アブラムシやアザミウマなど他の一般的な害虫については、それらに有効な農薬がたくさんありますが、ホコリダニについてはほとんどありません。

殺ダニ剤と呼ばれるダニを駆除するための農薬もありますが、そのほとんどはハダニが対象となっており、ホコリダニへの効果はあまり期待できません。

特徴3.新芽の内部に寄生する

ホコリダニは葉の表面や花など、外から直接見える表面部分には寄生しません。

新芽の内部など、これから葉っぱになる柔らかくて小さい部分に寄生します。

そのような場所に寄生すると、外からいくら農薬をかけても内部まで農薬を浸透させることは困難です。

そのため、仮にホコリダニに効果がある農薬を散布したとしても、うまくホコリダニを駆除できないという問題が発生します。

一時的にホコリダニの数を減らす効果は期待できるかもしれませんが、ゼロにすることはなかなか難しいため、生き残ったホコリダニが繁殖してまた数が増えるということが繰り返されます。

ホコリダニの対処方法

これまで説明したホコリダニの特徴を踏まえて、その対処方法について説明します。

対処方法1.農薬を使用する

まず、ホコリダニの対処方法として、種類は少ないですが、ホコリダニに効果のある農薬を見つけて散布することが有効です。

通常の農薬も、植物全体にかかるように丁寧に散布するが基本ですが、このホコリダニについては、芽の部分にもしっかりと農薬がかかるよう、より丁寧にしっかりと農薬を散布してください。

但し、前述の特徴でも説明したように、この方法だけでは完全にホコリダニを駆除することができない可能性があります。

イチゴのホコリダニに効果がある農薬

農薬を使う場合には、このようなものを使って下さい。

農薬の注意書きを読んで使って下さい。

サフオイル乳剤

ダニトロン

スターマイトフロアブル

コロマイト水和剤

 

対処方法2.株を根こそぎ引き抜いて処分する

農薬だけでは駆除しきれない場合の対処方法として、ホコリダニが発生した株を根こそぎ引き抜いて処分するという方法があります。

その際、他の株にホコリダニが移らないよう、根こそぎ取り除いた株を焼却処分するかまたは、ビニール袋などで密封して処分しましょう。

通常、他のアブラムシやアザミウマなどの害虫が発生した場合に、このような対処方法をとることはないのですが、ホコリダニは例外として考えてください。

ホコリダニの発生に気づいた場合は、すぐに農薬散布などの対処をすることはもちろんですが、特に被害がひどい部分については、周りの土も含めて株ごと全部取り除き、密封して処分するか焼却処分してください。

当然、株を取り除いた分のイチゴの収穫量は減ってしまいますが、ホコリダニについては、他の株に被害が広がるのを防ぐことを優先して対処してください。

プロの目から見ても、ホコリダニの被害はそのぐらい恐ろしいものであることを理解しましょう。

ホコリダニの見つけ方

初心者の方でも簡単に判別できる点としては、イチゴの実が黒っぽく汚れている場合です。

実を確認したときに、写真のように黒っぽく汚れていたら、ホコリダニの可能性も考えてください。

但し、実が黒っぽく汚れる原因としては、ホコリダニだけではなく、アザミウマの被害の可能性も考えられます。

ホコリダニとアザミウマの症状はとてもよく似ています。

どちらの被害なのかを判別する方法はとても簡単です。

まず、花を確認しましょう。

花のめしべの部分を確認して、そこに小さな細長い虫が動いていたら、それはアザミウマです。

その場合、実が汚れている症状はアザミウマが原因であると判別できます。

花のめしべの部分に異常がなかった場合、葉の中心部にある新しい葉っぱが出てくる芽の部分を確認しましょう。

その部分が委縮して、ゴワゴワしていたりチリチリになっていたりしないかを確認してください。

さらに、そこから出てきた葉っぱの部分が黒っぽく変色して縮れていないかも確認しましょう。

あわせて葉柄と呼ばれる葉っぱからクラウンに繋がっている棒状の部分が黒っぽく汚れていないかも確認してください。

このような症状が出ていた場合は、ホコリダニが原因であると判別できます。

ホコリダニの寄生した実

これがホコリダニが寄生した実の写真です。

前述の判別方法とあわせて、イチゴの実がこのような状態であれば、ホコリダニが寄生していると判断できます。

但し、アザミウマが寄生した実も似たような状態になります。

そこで、ホコリダニが寄生した実と、アザミウマが寄生した実の写真を比較してみましょう。

左がホコリダニが寄生した実、右がアザミウマが寄生した実になります。

パッと見た感じではかなり症状が似ているので、実の状態だけではなかなか判別が難しいかもしれません。

厳密に言えば、ホコリダニにもアザミウマにもそれぞれいろいろな種類があります。

それらの種類や寄生している虫の量によっても症状が多少違いますし、イチゴの品種やその時の光の強さや温度などによっても症状が変わります。

対処方法を明確にするためにも、花のめしべや新しい芽の部分なども含めて全体をしっかり確認したうえで、ホコリダニかアザミウマかを判別するようにしましょう。

イチゴで最も危険な害虫ホコリダニの症状、問題、対策のまとめ

今回はイチゴで最も危険な害虫と言われるホコリダニの症状、問題、対策などを紹介しました。

ホコリダニは肉眼では確認できないほど小さな虫ですが、一度寄生するとイチゴの生育は悪くなり、実も汚くなり、最悪の場合そこに植えてあるイチゴを全滅させてしまうほどの恐ろしい害虫です。

その対策として、ホコリダニに効果のある農薬を念入りに散布するか、被害がひどい場合には株ごと取り除いて焼却処分するなどの徹底した対処法が必要になります。

とはいえ、ホコリダニはそれほど頻繁に発生する虫ではありませんので、そこまで過敏になる必要はないでしょう。

みなさんが育ててるイチゴの状態がおかしいなと感じたら、ぜひこの記事の内容を参考に原因を判別して対処してみてください。

動画でも紹介していますので、ぜひご覧ください。

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