今回は、手作り水耕栽培装置の作り方、道具、材料について紹介します。
- 家庭で野菜の水耕栽培をやってみたい
- 水耕栽培装置の作り方や材料が知りたい
- 自作したらどのくらい費用がかかるの?
このような疑問や要望がある方は、ぜひ最後までお読みください。
野菜の水耕栽培装置を自作するために掛かる費用
今回紹介する水耕栽培装置の材料費は6,000円ぐらいです。
材料は全てAmazonなどインターネットで購入できます。
今回は自分で作れる水耕栽培装置を紹介しますが、市販の装置もいろいろあります。
例えば「イエナ」と呼ばれる大型の水耕栽培装置の場合、販売価格は1万8,000円ぐらいになります。(※現在は販売終了)
そのような市販の商品と比較すると、今回紹介する自作の水耕栽培装置であれば、そのコストを3分の1ほどに抑えることができます。
野菜の水耕栽培装置を自作するために必要な道具
水耕栽培装置を自作するために使う道具は以下の通りです。
- 軍手などの手袋
- マジックペン
- ホッチキス
- 普通のカッター(または発砲スチロール用カッター)
カッターについては、ご家庭にある一般的なカッターで問題ありませんが、発砲スチロールの加工に使用するため、電源を使用するタイプの発砲スチロールカッターがあるとより綺麗に仕上げることができます。
ちなみに発砲スチロール用カッターは2000円ほどで購入できます。
野菜の水耕栽培装置を自作するために必要な材料
必要な材料は以下の4つです。
- 発泡スチロールの箱(5~15リットルくらいの大きさ)
- 水中ポンプ(水量が3~5リットルくらい)
- 内径12mmのホース
- 内径12mmのL字ジョイント2個
ちなみに完成品は下の写真のような形になります。
これはベランダゴーヤ研究所のカタオカさん主催のワークショップで作った装置です。
| ベランダゴーヤ研究所 (make-from-scratch.com)
この時は8リットルの発砲スチロールの箱を使用しましたが、今回は6リットルの箱を使用します。
上部にL字のジョイントが2つとホースが使われています。
この完成品では青色のホースを使用していますが、色は何色でも構いません。
完成品を上から見るとこんな感じです。
右側の穴に野菜の苗をポットごと植えます。
また、取り外しが可能になっている左上の部分から液肥を補充します。
フタを横から見るとこんな感じです。
水中ポンプにホースが繋がっていて、上部を貫通してジョイントやホースを通って反対側にも繋がっているのがわかります。
この水中ポンプが液肥を吸い込んでホースに流して循環させる仕組みです。
水耕栽培装置の作成の手順
それでは実際に水耕栽培装置を作ってみましょう。
手順1:発泡スチロールの箱(下側)の加工の準備
まず、発泡スチロールの箱を用意してください。
この箱自体にはほとんど加工をしません。
唯一、下の写真のように上部の短辺の隅のほうに一カ所溝を作ります。
この溝は、水中ポンプのコードを通すためのものです。
前回用意した箱と今回用意した箱の比較です。
前回用意したのが8リットル、今回用意したのが6リットルの容量のものになります。
今回用意したもののほうがやや小さいですが、問題なく水耕栽培に使用することができます。
容器は大きい方が生育が安定し、液肥の補充頻度が少なくて済むので楽です。
但し、ベランダなど限られたスペースで栽培を行う場合は、小さい容器の方が場所を取らないので便利かもしれません。
手順2:発泡スチロールの箱(フタの部分)の加工の準備
発泡スチロールの箱のフタの部分については、下の写真のように加工をします。
下側に開けた四角い穴の部分に野菜の苗を植えるようになります。
さらに対角線上に二カ所丸い穴を開けます。
L字のジョイントを使ってホースを繋ぐための穴です。
注意点として、ホースを繋いだ時に、ホースが苗のポットと干渉しないように、苗を植える四角い穴は対角線上の2つの丸い穴を結んだ直線上からは外しましょう。
また右上の部分は取り外しができるよう、下の写真のように切り取ります。
この部分は液肥の補充や根の観察用の穴になります。
新しく作成する際は、このような完成品のイメージをもとに、あらかじめペンでレイアウトを下書きしておくと作業がスムーズに行えます。
最終的に、その下書きに従ってカッター(または発砲スチロール用カッター)などを使って加工していきます。
穴を開ける作業については、普通のカッターでは難しいので、発砲スチロール用カッターがない場合にはキリや熱した鉄などを使ってください。
苗を植える穴については、植え付ける予定のポットと同じくらいの大きさにします。
ポットの縁をペンでなぞるなどして、下書きしておくと簡単です。
手順3:水中ポンプを組み立てる
次に水中ポンプを組み立てます。
水中ポンプには50Hz(東日本用)と60Hz(西日本用)がありますので、お住まいの地域に適したタイプを選んで購入してください。
商品によっては、様々な部品が同梱されているかもしれませんが、基本的に使うのはL 字のコネクターだけです。
L字のコネクターをポンプの本体にセットしてください。
そのL字のコネクターに、今回用意した内径12mmのホースを繋げます。
ホースをセットしたら、用意した発泡スチロールの箱の角に置いてみましょう。
下の写真のように、ホースが来る位置をあらかじめ確認しておき、その位置にあわせてフタに穴を開けていきます。
この時も、フタにおおよその位置をマジックで下書きしておくと簡単です。
さらに、その穴と対角線上にもう一つの穴を開けますが、苗を植えるための四角い穴に干渉しない位置に印をつけて穴を開けましょう。
穴の位置については、多少ずれたとしても中にある水中ポンプの位置を動かせば問題なので、そこまで厳密に位置を測る必要はありません。
水中ポンプの位置を決めたら、電源コードを通すための溝を発泡スチロールの箱を削って作ります。
この溝は発泡スチロールの下側とフタ側の両方に必要です。
この溝を作ることで、電源コードを繋いだ状態でもしっかりとフタを閉めることができます。
手順4:下書きに沿って発泡スチロールを加工する
いよいよ、下書きに沿って発泡スチロールを加工していきます。
今回は電源を使用するタイプの発砲スチロール用カッターを使用しました。
怪我をしないように注意して作業を進めましょう。
まずはフタに下書きをしたところを切り取ったり穴を開けたりしていきます。
次に、下側の箱の部分に、水中ポンプのコードを通す溝を作ります。
位置を合わせて同じようにフタ側にも溝を作り、最終的にきちんとポンプのコードが通るようにしましょう。
手順5:ホースの長さを決めて切断・加工する
発砲スチロールの加工が終わったら、水中ポンプを中に入れ、実際にホースを繋いでみます。
水中ポンプを置いた上部にある穴からホースを出した状態で、L字のジョイントを繋ぐのにちょうどいい位置でホースを切断します。
切断したら、L字のジョイントをセットして、今度は対角線上にある穴までホース伸ばします。
そこにも同じようにL字のジョインとをセットするので、ちょうどいい長さを測ってホースを切断しましょう。
次に、水中ポンプと反対側にあるジョイントの先にセットするために、15cmぐらいにカットしたホースを用意してください。
この時、ホースの出口側を斜めにカットして、中心部分を下の写真のようにホッチキス止めします。
両側から2発ずつぐらい止めてください。
次に、ホースの内側に2~3カ所穴をあけ、水がそこから吹き出るように加工します。
カッターで切れ目を作ったのでも大丈夫です。
ホースの加工が終わったら、L字のジョインとにセットし、水中ポンプ側からきているホースに繋げて完成です。
完成するとフタの部分はこのような感じになります。
手順6:完成した水耕栽培装置の動作を確認する
以上のような手順で完成した水耕栽培装置が実際にきちんと機能するかどうかを試してみましょう。
下側の容器の部分に水をいれ、フタをしたら、水中ポンプの電源を入れて動作を確認してみてください。
この時、水中ポンプがしっかりと水を吸って反対側のホースから出ているか、加工したホースの出口の穴からきちんと水が出ているかを確認してください。
下の写真のように、ホースの出口の穴から循環した水が出ていれば成功です。
このように水面を乱して空気と混ぜることで、しっかりと水の中に酸素を供給することができます。
ここまで確認できたら、水耕栽培装置は完成です。
普段は給水用のフタは閉めておきましょう。
今回は棒状の発砲スチロール用カッターを使ったので、給水用のフタを閉めたときに隙間ができてしまいました。
針金のようなタイプの発砲スチロール用カッターで切断すると、この隙間はもっと小さくできます。
但し、穴を開ける作業などは、棒状の熱で溶かすタイプのほうがとてもやりやすいです。
水耕栽培装置が完成したら、実際に育てたい苗を設置してみましょう。
例えば、ミニトマトなら下の写真のような感じで育てることができます。
野菜の手作り水耕栽培装置の作り方、道具、材料についてのまとめ
今回は、手作り水耕栽培装置の作り方、道具、材料について紹介しました。
シソやミニトマトをはじめ、いろいろな野菜をこの水耕栽培装置を使って育てることができます。
今回紹介した方法は、ベランダゴーヤ研究所のカタオカさんから教えてもらった方法です。
ベランダゴーヤ研究所のウェブサイトにも今回の水耕栽培装置の作り方が詳しく説明されているので、ぜひ参考にしてみてください。
| ベランダゴーヤ研究所 (make-from-scratch.com)
動画でも紹介しているので、ぜひご覧ください。