春先になると、家庭菜園で育てているイチゴの茎が短くて悩んでいる方が多いのではないでしょうか?
今回はその理由とデメリット、プロのイチゴ農家が行っている方法、家庭でできる対策と注意点をご説明します。
- 家のイチゴはこのまま大きくならないの?
- イチゴ狩りのイチゴと全然違うのはなぜ?
- 茎をもっと長くしたい!
という方におすすめの記事です。
いちごの家庭菜園の育て方が知りたい方はこちらの記事がおすすめです。
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イチゴをプランターで育てる方法はこちらの記事です。
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イチゴの茎が短くなったり葉が小さくなる原因は気温の低さと日長の短さ
イチゴは気温が低く日の長さが短いと、茎を短くしたり実がつく茎を短くします。
そして、葉っぱ自体も小さくなります。
なぜ冬にイチゴの株が小さくなるのか気になる方はこちらの記事をご覧ください。
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茎が短く葉っぱが小さいデメリット
次に茎が短く葉っぱが小さいデメリットをご説明します。
収穫がしづらい
イチゴの実がつく茎が短いと収穫しづらかったり、イチゴに株元の土がついてしまいます。
小さいイチゴや甘くないイチゴができてしまう
葉っぱが小さいと光合成があまりできません。
そのせいで、実が小さくなったり、あまり甘くないイチゴができてしまいます。
できれば葉っぱを大きく、茎を長くして株元から離れたところに実がなるようにしたいですよね。
プロのイチゴ農家がやっている対策
ここから、プロのイチゴ農家がどのように対策しているのかご説明します。
夏の終わりから秋にかけて苗を大きく育てる
プロのイチゴ農家は、夏の終わりから秋にかけて葉っぱを大きく育てます。
あらかじめ大きく育てておけば、冬の間に多少小さくなったとしても大丈夫です。
温度を高く保つ
冬の間はビニールハウスを二重にしたり、暖房機でできるだけ温度を高く保ち、葉っぱが大きく、茎が長くなるようにします。
しかし、それだけではなかなか改善されないこともあります。
電照を使い日長を長くする
そこで、電照(電気照明)を使います。
電照とは、夜の間に明かりをつけて日の長さを長くするという技術です。
最近、この電照は当たり前に使われるようになりました。
ジベレリン処理(植物ホルモン)
以前は「ジベレリン処理」といってジベレリンという植物ホルモンを植物にかけて、葉っぱを大きくしたり茎を長く伸ばしていました。
今でも行っている地域もあります。
葉の大きさや茎の長さの影響の出方は品種によって違う
実は、葉っぱの大きさや茎の長さは品種によって影響の出やすさが違います。
電照がなくても葉っぱが大きくなり茎が長くなりやすい品種があるので、最近ではその品種を選ぶことも多いです。
とちおとめは葉や株が大きくなりにくい
「とちおとめ」という品種は非常に大きくなりにくいです。
なので、とちおとめを育てる場合は電照が必要とされています。
紅ほっぺは電照がなくても大丈夫
紅ほっぺは比較的葉っぱが大きくなりやすく、茎の部分も長く伸びやすいです。
なので、紅ほっぺは電照があった方がいいけれど、必ずしも必要ではないと言われています。
いちごの花の茎が長いことのデメリット
イチゴの茎が長いのは、いいことだけではありません。
実の重さで茎が折れてしまう
イチゴ狩りにイチゴ農園へ行くと、長い茎についたイチゴがたくさんぶら下がっていますよね。
実は、あまり茎が長いと実の重さに耐え切れなくなった茎が、ポキッと折れてしまうことがあります。
茎が折れると、光合成をした養分が実に届かなくなるので味がとても不味くなります。
しかし、ある程度実が大きくなってから茎が折れた場合、枝先の実は赤くなるので、その実を間違えて出荷してしまうことも。
また、イチゴ狩りでそのような実を食べてしまうと「全然おいしくない」とがっかりすることになってしまいます。
イチゴ農家が行う茎が折れない工夫
なので、プロのイチゴ農家は茎が折れないように紐を通したり、ネットを置いて実を支えてあげます。
そうすると茎が折れなくなるので、不味いイチゴができにくくなります。
家庭菜園での花の茎と葉の対策
では、家庭菜園ではどうしたら茎が長くなるのか、葉が大きくなるのかご説明します。
夏から秋の間に株を大きく育てる
これはプロのイチゴ農家がやっている対策と同じです。
夏から秋にかけて苗を育て、その苗をプランターや畑に植えて、できるだけ株を大きく育てましょう。
この時期に株が大きくなっていれば、春になって生育が良くなった時に更に育ちやすくなります。
夏から秋の間に株を大きくするためには
- 水をしっかり与える
- 肥料をしっかり与える
- いい苗を作る
ということが重要になります。
春先に保温する
家庭菜園の場合、冬の間にずっと暖房機を使ったり電照を使って夜明るくするということは難しいと思います。
なので、2月中下旬から3月頭ぐらいの春が始まる頃に、できるだけ温度を高くしてあげてください。
畑で育てている株にはトンネルをしたり、プランターで育てている株はミニ温室に入れる、もしくは室内の光が当たりやすい窓際に置きましょう。
そうするとより葉っぱが大きくなったり、実がついている茎が長くなりやすくなります。
2月下旬から3月は大きくなりにくい
そういう工夫をしても2月下旬から3月ぐらいでは、まだまだ大きくなりにくいと思います。
でも、4月5月6月ぐらいになると、葉っぱも大きくなり実がついている茎も長くなります。
なぜかというと、3月4月5月はどんどん気温が上がり、さらに日の長さもどんどん長くるので、それに伴ってイチゴが葉っぱを大きくしよう、茎を伸ばそう、と育つからです。
無闇に温度を高くして日長を長くすると実がならなくなる
葉っぱを大きくすることや、実がついている茎を長く伸ばすことを最優先に考えて実践すると、花が咲かなくなり実がならなくなります。
ほとんどのイチゴは一季成り性イチゴと呼ばれるイチゴ。
温度が低く日の長さが短い方が花ができやすく、温度が高くて日の長さが長くなると花ができず、実がならなくなる性質があるからです。
なので、葉っぱを大きくすることや茎を長く伸ばすことばかりを優先して育てると、全く収穫ができなくなる恐れがあるので気を付けて下さい。
四季成り性品種ですと、逆に日の長さが長い方が花ができやすくなります。
4月5月は暑くしない工夫が必要
春先は温度を高くすることを意識して欲しいですが、逆に4月5月になったら、花や実をつけるためにできるだけ暑くしないような工夫が必要になります。
春先に家庭菜園のいちごの茎が短い理由のまとめ
今回は家庭菜園のイチゴの茎が短い理由とそのデメリット、対策や注意点をご説明しました。
寒い冬を頑張って乗り越えたイチゴを春先に暖かくして、早く元気に大きくなってもらいましょう。
動画では、実際の写真などを使ってイチゴの茎の長さを説明していますので、ぜひ動画もご覧ください。