今回は、イチゴの葉脈が黒くなる原因はいったい何なのか?その原因と対策をご紹介したいと思います。
- 家庭菜園でイチゴを育てている
- イチゴの葉脈が黒くなってしまった
という方におすすめの内容です。
葉脈は川の筋みたいなこの部分のことです。
イチゴの葉脈が黒くなっているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
イチゴの葉脈が黒くなるのは、イチゴ農家でも家庭菜園のイチゴでも両方発生します。
イチゴの葉脈を黒くする候補
ではまず最初にイチゴの葉脈を黒くする可能性があるものについて、最初は広めに考えていきましょう。
それから今回の原因であるものを絞り込んでいく感じで話を進めます。
まずイチゴの葉脈を黒くする原因ですが3つほど考えられます。
①病気
まず病気なんですが、例えば
- 炭疽病
- 萎黄病
- 芽枯病
こういった病気の時にはイチゴの葉っぱに黒い斑点みたいなものが現れます。
葉脈だけが黒くなるわけではなく、イチゴの葉っぱに黒い部分があるという方でしたらこのような病気かもしれません。
ただピンポイントで葉脈の部分だけが黒くなっている場合は病気ではないかなと思います。
②肥料の欠乏
それから2番目は肥料の欠乏です。
例えばカリ欠乏、鉄欠乏の可能性が考えられます。
カリ欠乏ですと葉脈が黒くなります。
それから古い葉っぱで発生しやすいです。
鉄欠乏は新しい葉っぱで出やすいです。
ただ鉄欠乏の場合、葉脈が黒くなるよりは葉脈と葉脈の間の部分が黄色くなる症状になります。
なので葉脈が黒くなった場合には、カリ欠乏の可能性も考えてみてください。
ただカリ欠乏もなかなか発生しにくいです。
なぜかと言いますと大体の肥料は窒素、リン酸、カリがバランスよく含まれているのでそのうちのカリだけが全然ないというのはなかなかありません。
もしそのイチゴを育てているのが、すごくこだわった栽培をされている方で肥料を単肥と言ってそれぞれ一個ずつの成分を自分で配合して与えている場合でしたらカリだけ入れ忘れてしまったり分量を間違えた可能性はあります。
普通の市販のイチゴ栽培用や野菜栽培用の肥料を使っている場合にはなかなかカリ欠乏は発生しません。
③葉の老化
それから葉の老化という可能性も考えられます。
葉は老化しますと葉脈が黒くなったり、葉っぱがバリバリと固くなったり、変な色になったりします。
それから自然と枯れていきます。
老化しているものと老化していないものの見分け方なんですが、まずは葉っぱの付け根を見て一番外側にある葉っぱが一番古い葉っぱです。
芽の一番中央にある葉っぱが、一番新しい葉っぱです。
それからその古い葉っぱを手に持って、左右に揺すってみてください。
その時に簡単に取れたら、その葉っぱはかなり老化している証拠です。
それから左右に揺すっても全然葉っぱが取れなければ、まだその葉っぱは老化していません。
なのでもし左右に揺すった時に簡単に取れるぐらい老化している葉っぱだったら葉脈が黒くなっていたり、もしくはちょっと枯れかかっていたり、葉っぱに変な斑点が出ていたとしてもそんなに気にしなくてもOKです。
イチゴの葉脈を黒くした犯人の正体は?
病気、肥料の欠乏、老化の3つの原因を説明しましたが、今回私のイチゴに現れたのはこの3つではないと思います。
ではいったい何なのかと言いますと、その原因はアザミウマです。
アザミウマの特徴と種類
イチゴに寄生するアザミウマと言えば
- ミカンキイロアザミウマ
- ヒラズハナアザミウマ
この2種類がいます。
この2種類はイチゴの中でも花のめしべに寄生します。
なので花のめしべが黒くなったり、その後収穫できる実が茶色く汚れてしまいます。
でも実はイチゴに寄生するアザミウマはもう1種類います。
チャノキイロアザミウマというアザミウマです。
チャノキイロアザミウマの特徴
このチャノキイロアザミウマは、花のめしべには寄生しません。
ではどこに寄生するかと言うと、イチゴの葉に寄生します。
チャノキイロアザミウマの大きさは1mm弱ぐらいです。
0.8mmとかそれぐらいの大きさなんですね。
しかもそれは成虫の大きさなので幼虫になると更に小さくなります。
0.5mmぐらいです。
なので肉眼でギリギリ見えるぐらいです。
目が悪い人、年齢が高い方であんまりよくモノが見えないという方はこのアザミウマは目で確認できないと思います。
チャノキイロアザミウマは成虫も幼虫も葉に寄生して生活します。
チャノキイロアザミウマに寄生されると、イチゴの葉っぱの葉脈の部分が特に黒くなります。
それから葉全体に若干ごわごわしたような異様な質感に変わったり、少し汚れが発生します。
その様子はホコリダニが寄生した時に少し似ています。
そしてこの被害が酷くなると生育が悪くなったり、とても酷かったら枯れてしまう場合もあると思います。
ただなかなかそこまで大きな被害になることは少ないです。
チャノキイロアザミウマの発生時期
このチャノキイロアザミウマが発生する時期は春から夏の終わりにかけてです。
この気温が高い時期に発生しやすくなります。
なので商業的なイチゴ農園ですと、例えば苗作りをやっている時期に発生しやすいです。
家庭菜園でもイチゴの実の収穫が一段落ついた苗作りの時期に発生しやすいです。
チャノキイロアザミウマの対策方法
ではこのチャノキイロアザミウマはどのような対策を取ればいいのか説明します。
家庭菜園向けの対策
まずは家庭菜園の場合です。
家庭菜園ですと株数が少ないですし、わざわざ農薬散布をするのも面倒くさいと思います。
なのでその葉っぱに対して強い勢いで水をかけてアザミウマを全部洗い流してしまうという方法がオススメです。
それから養生テープのような粘着性があるテープを手にもって葉っぱの裏面にいるアザミウマを見つけて取ってしまうのもいいと思います。
この時に粘着力が強いガムテープを使ってしまうと、葉っぱを痛めてしまうことがあるので気をつけてください。
例えばセロハンテープとか養生テープぐらいの粘着力が弱めのテープの方がいいと思います。
農薬を使う場合にはイチゴのアザミウマ類に効果があるものを使ってください。
農家向けの対策
次は農家向けの対策です。
まず予防方法として、赤色の防虫ネットを使うのがオススメです。
アザミウマ類は赤色の防虫ネットですと、白色に比べてよりハウスの中に入りにくいと言われています。
それからモスバリアという装置もあります。
モスバリアはミカンキイロアザミウマには効果があることが分かっていて、ヒラズハナアザミウマやチャノキイロアザミウマには効果があるのか分かっていません。
ですがミカンキイロアザミウマに効果がありますので、使ってみるのもいいと思います。
モスバリアについてはこちらで詳しく説明しています。
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それからあとは商業的な農園ですと、農薬を使うのが一般的だと思います。
一般農薬の場合にはアザミウマ類に効果があるものを使ってください。
有機栽培に使えるような農薬も使えます。
それから家庭菜園でも農家であっても、気門封鎖型の農薬はアザミウマに対しては効果がないのでその点はお気を付けください。
家庭菜園用ですとロハピ、やさお酢があるんですがアザミウマには効果がありません。
農家向けのものですと粘着くんというものが有名ですがこれもアザミウマには効果がありません。
葉の葉脈が黒い原因は?まとめ
イチゴの葉脈が黒くなる原因はいったい何なのか?その原因と対策をご紹介しました。
チャノキイロアザミウマというアザミウマがいます。
これは花のめしべには寄生しないのであんまり問題にはならないんですが、実は葉っぱに悪さをしています。
そんなに大きな問題にはならないんですが一応この症状が出たら、これはチャノキイロアザミウマだなと思うようにしてください。
こちらの動画でも紹介しています。