今回はイチゴの勉強におすすめの本を紹介します。
ここは私の本棚で色々な本があります。
農業関係の本が多いですが、あまり農業とは関係がない本もあります。
今回は、タイトルにイチゴがつく本だけをピックアップしました。
この中から特におすすめの本を紹介します!
イチゴ栽培を広く考えた時、害虫の本やビニールハウスの本などタイトルに「イチゴ」が入ってない本でもイチゴ栽培と関係があります。
ただ、今回はイチゴに絞って書かれている本を紹介します。
- これからイチゴを育ててみたい!
- イチゴ栽培について本格的に勉強したい!
- イチゴ農園を始めたい!
と思っている方は是非最後までご覧ください。
宮崎大輔の本棚紹介
まずは私が持っている本をざっくりと紹介しましょう。
野菜栽培などが多いです。
- 植物工場
- トマト栽培
- 害虫の本
- スマート農業関連
- マーケティング
- 家庭菜園
- イネ
- ワインの本
- 農薬の本
- 会社関連の本
- 経費で落ちるレシート
- 節税
などの本があります。
私は最近、kindleで本を買います。
電子書籍で本を買うことが圧倒的に多いので、紙の本はあまり持っていません。
ここにある何倍もの本をkindleで購入しています。
ビジネス書は1,000冊以上を買って読んでいます。
ただ農業関連の本はまだ電子書籍化されていないものもあるので、そういったものは本の状態で買っています。
タイトルにイチゴが含まれている本
私の本棚の中でタイトルにイチゴが含まれている本はこれだけありました。
順番に紹介します!
いちごだんめん図鑑【著者:わたなべ まこ】
まずこの小さな本から紹介すると【いちご だんめん図鑑】です。
これはイチゴの断面がずらっと紹介されている本です。
この本を見ても育て方は分からないですが、イチゴが好きな人やイチゴを眺めていたい人にはおすすめです。
イチゴ (NHK趣味の園芸 よくわかる栽培12か月) 【著者:矢部 和則】
これは【イチゴ (NHK趣味の園芸 よくわかる栽培12か月) 】です。
日本の四季に従って「12カ月でイチゴ栽培をこういう順番でやりましょう」ということが分かるので、家庭菜園でイチゴを育てる場合にお手本になる本です。
イチゴ栽培の仕方はこちらの動画で詳しく説明しているので、動画で見たい方はぜひチェックしてみてください。
イチゴ学への招待【監修:織田 弥三郎】
次が【イチゴ学への招待】です。
これはそんなにおすすめじゃないかな。
イチゴの高設栽培【著者:伏原 肇】
次は【イチゴの高設栽培】です。
この本を読めばイチゴの高設栽培の基本的なことがわかります。
内容が少し古いので、イチゴの高設栽培について全体的に勉強したい人にはいいかもしれないです。
日本のイチゴ【著者:施山 紀男】
次は【日本のイチゴ】です。
この本が元々の一番のおすすめでした。
私が学生の頃、イチゴの勉強をし始めた時に読んだのがこの本です。
古い本なので残念ながら今はもう出版されていません。
今この本を手に入れようと思ったら、中古で売っているのを探すしかありません。
学生の頃から読んでいるのですごい汚なかったり、いろんな付箋が貼ってあったり、ページが折ってあったりします。
中を見るとカラーのマーカーや書き込みがすごいいっぱいあって、学生の頃しっかり勉強していたことを懐かしく思いました。
私は大学3年生の頃から大学院修士1~2年と4年間イチゴの研究をしており、卒論や修論を書きました。
その時にイチゴの栽培の基本的なことというか、植物としての基本的なところを勉強するときにこの本を読みました。
なので、イチゴの基本的な部分からしっかり勉強したい人にはこの本がおすすめでした。
ただ、今は出版されておらず中古の本を探すしかないので、手に入れるのが難しいかもしれないです。
【日本のイチゴ】は昔おすすめだった本です。
イチゴの炭疽病、萎黄病【著者:石川 成寿】
次は【イチゴの炭疽病、萎黄病】です。
イチゴの炭疽病や萎黄病で悩んでいる方は結構いらっしゃるのではないでしょうか?
家庭菜園で発症しているはずですが、そもそも病気に気がついていない方も多いです。
- 何でかわからないけど枯れちゃった!
- 水のやりすぎ?
- 肥料が足りなかったかな?
と思っている方、実は炭疽病や萎黄病が原因で枯れていることが多々あります。
ホームセンターなどで売っているイチゴの苗は、炭疽病や萎黄病に感染している場合があります。
それを知らずに購入して育てていると、炭疽病や萎黄病で枯れてしまうことがあります。
大抵の方は病気に気付けないことが多いのですが、実はそういうことが起きていたりします。
イチゴの炭疽病についてはこちらの動画で詳しく説明しているので、ぜひそちらをご覧ください。
商業的なイチゴ生産農家の方でも炭疽病と萎黄病は悩んでいる方がとても多いです。
自分で苗作りをしている時や普通に育てている時でも、炭疽病や萎黄病で枯れてしまったり、苗が次の年に枯れてしまうことがあります。
炭疽病や萎黄病の基本的なことを勉強したいという方にこの本はおすすめです。
まるごとわかるイチゴ【著者:西澤 隆】
次は【まるごとわかるイチゴ】です。
タイトルの通り色々なイチゴ全般的な情報を扱っている本です。
- イチゴ全般に興味がある
- これから商売としてイチゴの生産に関わりたい
- イチゴの流通に関わりたい
という時にこの本を読んでみると色々な情報が網羅されているのでいいと思います。
栽培に特化した内容ではないので家庭菜園の人にはあまり向いていないかもしれません。
イチゴの基礎知識【著者:森下 昌三】
次は【イチゴの基礎知識】です。
これは先ほど紹介した【まるごとわかるイチゴ】と似ています。
この【イチゴの基礎知識】の方が栽培よりというか植物学よりなイメージがあります。
- これからイチゴ農家になりたい
- イチゴの植物学的なところをしっかり勉強したい
という方はこちらの方がいいと思います。
本当は論文を読んだ方がいいですが、論文は読むのが難しくて読めないとい方はこういう本を是非読んでみてください。
家庭菜園でイチゴを育てている方だと内容がわからないかもしれませんが、
- 家庭菜園でやってるけど本格的にイチゴ栽培をしたい
- イチゴをたくさん育てたい
- 工夫をして人とは変わった栽培をしたい
と思っている人にこの本は役に立つと思います。
農家が教えるイチゴつくり【編集:農文協】
次は少し変わった本を紹介します。
紹介するのは【農家が教えるイチゴつくり】という本です。
これは農家の人の工夫を紹介する感じの内容で「この県のこの農家さんはこんな工夫イチゴの収穫量が増えました」という事例を紹介している本です。
これは論文などの話が出てこないので、農家の人にとっては読みやすいと思います。
ただ「科学的根拠がどうなのか?」という話になると、論文などを引用しているわけではないので信憑性は不明です。
でも、農家の人がすぐに真似しやすく、読んでわかる、読みやすいという面ではいいと思います。
それから家庭菜園でイチゴを育てている方が農家の方がやっている工夫を家庭菜園に取り入れてみる場合にも参考になります。
“最新農業技術 野菜 vol.5【編集:農山漁村文化協会】”
こちらは【最新農業技術 野菜 vol.5】です。
実はこれが私にとって一番おすすめのイチゴの本です。
ただ、家庭菜園や趣味でやっている人が読むと訳がわからなかったり、難しすぎて理解ができないかもしれません。
- イチゴ農家でイチゴを作って売っている人
- これからイチゴ農家になってイチゴ作りしたい
- 会社としてイチゴ生産に乗り出したい
という方がこの本を一度読んでおくとイチゴの全体的な話が分かると思います。
植物学的な話や実際どんな風に育てられているのか、売買の全体像がわかるのでおすすめです。
デメリットは値段が高いことです。
6,000~13,000円ぐらいの金額なので、趣味で育てている人が勉強するために購入するに手が出ないかもしれません。
【最新農業技術 野菜 vol.5】をおすすめする理由
なぜこの本が特におすすめなのか説明します。
この【最新農業技術野菜 vol.5】は色々な方が書いていますが、吉田裕一先生がかなりたくさんの部分を書いています。
実は私、この本の著者である吉田裕一先生からイチゴ栽培の基本的な部分の一部を教わりました。
吉田先生は岡山大学の農学部にお勤めで、私は信州大学という別の大学に通っていました。
信州大学にはイチゴ栽培が専門の先生が一人もいませんでした。
私の恩師は品種改良の専門だったので「イチゴ栽培のことだったら吉田に聞け」ということで岡山大学に2回ほど派遣されました。
つまり、大学の先生同士の繋がりで吉田先生に出会い、イチゴの育て方や茎頂培養のやり方などを教わって今の私があります。
私にとってイチゴの先生といえば吉田先生なので、非常に偉大な方です。
私が学生の頃はよくわかっていませんでしたが、実は吉田先生は日本のイチゴ業界の凄い人だったということを大学院生ぐらいの時に気がつきました。
というわけで、この本はとても役に立つ本なので、イチゴ農家の方やイチゴ農家になりたい方はぜひこの本を買ってみてください。
本屋さんやネットでも購入できると思うのでおすすめです(見つからないかもしれませんが…)。
最新農業技術は色々なシリーズが出版されている
この最新農業技術というのはシリーズの本で、色々な本が出ています。
野菜シリーズだけでも何冊も出ていますし、環境制御や果物など色々なシリーズがあるのでそれぞれのシリーズを買うのがいいと思います。
私もこの最新農業技術シリーズは何冊も持っています。
元々は農業技術体系という本で、最新農業技術はそのアップデート版のような感じです。
本屋さんに行くと【最新農業技術 野菜】とか【最新農業技術 果樹】などの表紙が並んでいると思うので、興味ある人は是非買ってみてください。
マニアックなイチゴの本
ここからかなりマニアックな本の紹介です。
ここから紹介する本は、社団法人の日本施設園芸協会さんが出版している【施設と園芸】という本です。
シーズンごとに出している雑誌みたいなものです。
施設と園芸【No.160 2013 冬】
この本は2013年の冬に出された本です。
それぞれの号で特集されている内容があります。
例えば、この号の特集内容はイチゴの安定生産に向けた新技術という内容です。
- イチゴ種子繁殖型品種の将来の展望
- 東北地方の気象条件を活かした一季成り性品種の夏秋栽培技術
- イチゴ高設栽培における気を利用した培地冷却技術
- イチゴの高設栽培における簡易局所加温法
などイチゴ農家の人が見たら、とても気になる内容が特集されています。
薄いしボリュームは少ないですが、めちゃくちゃマニアックで面白いことが書かれている本です。
家庭菜園の人が読んでも、ちんぷんかんぷんというか「こんなお金かかることできないよ」という話なので、これは完全に農家の人向けです。
とても面白いので是非読んでください。
施設と園芸【No.167 2014 秋】
こちらは同じ本の別の特集です。
ボリュームがNo.167の秋と書いてあります。
特集内容はイチゴ栽培の新たな展開で、袋栽培が紹介されています。
吉田先生がやっているらくちんシステムで、香川県や岡山県で普及してるシステムです。
施設と園芸【No.180 2018 冬】
次はNo.180の冬です。
この特集はイチゴ生産の新しい流れです。
表紙の写真はおそらく選果場ですね。
イチゴはあまり選果場が使われていませんでしたが、最近だとパゲージセンターなどでイチゴをコロコロ転がして選別をすることがあります。
色々新しい栽培方法が出てきたので、そういったものがこの本にまとまっています。
日本施設園芸協会が出版している【施設と園芸】の購入方法
【施設と園芸】は本屋さんには売っていません。
入手の方法は、日本施設園芸協会さんのホームページから購入することになります。
本屋さんで買えないので買うのが少し面倒ですが、勉強になるので農家の方でもっと勉強したい方はぜひホームページを見てみてください。
特集ごとに色々な本があるので、気になる本だけを買うといいと思います。
一般社団法人日本施設園芸協会(https://jgha.com/)
詳しい購入方法については、下記のリンクをご参照ください。
出版物のご案内|一般社団法人日本施設園芸協会(https://jgha.com/apb/#tyumon)
農研機構シンポジウムで配布された冊子
これは売っている本ではありません。
平成24年に私が農研機構シンポジウム「イチゴの安定生産技術と新品種育成の最前線」というシンポジウムに参加した際にもらった冊子です。
これも面白い内容がまとまっています。
- 気化熱ベンチ
- 桃香(とうくん)という桃の香りがする品種
- 間欠冷蔵処理
- クラウン冷却
などの技術が掲載されています。
平成24年の時点でこういうった技術が農研機構のシンポジウムで取り上げられていました。
そこから8~9年くらい経ちましたが、取り入れられている技術や普及している技術もあるし、あまり普及率が伸びていない技術もありますね。
こういうのを振り返ってみるとここ8年ぐらいでどういう風にイチゴ業界が変わったのか流れが分かるので、たまに読み返すと面白い発見があります。
これは販売はされていませんが、農研機構のシンポジウムなどに参加すると、情報がまとまった冊子が手に入るので情報を色々仕入れたい人はこういうイベントに参加するのもおすすめです。
ブラジルのイチゴ栽培の本
最後に紹介するのはめちゃくちゃマニアックな本です。
わかるでしょうか?
イチゴの本だってことはわかりますよね。
これ言語がポルトガル語です。
昨年ブラジルに行った時に、ブラジルで農業指導をしている方から頂いた本です。
ブラジルは結構イチゴ生産が多いんです。
サンパウロ辺りにイチゴを育てている方がいて、そのイチゴ生産者の方のところを見学したり色々お話しを伺っていました。
その時に頂いた本です。
中身は結構面白いですが、ポルトガル語で書かれているのでなかなか内容がわからないところもあります。
でも、ブラジルでのイチゴ生産のやり方などが色々と書いてあり、日本との比較や日本では全然使われていないやり方が使われていたして、かなり勉強になります。
海外旅行に行った時に本屋さんに行って農業関連の本を買う、もしくは海外の園芸店みたいなところに入って農業関連の冊子をもらうのも良い情報源になると思います。
イチゴ栽培の勉強におすすめの本【家庭菜園愛好家と新規就農希望者、農家向け】本と論文の違いも説明のまとめ
今回は私がおすすめするイチゴの本を紹介しました。
最後に本を読む際の注意点をお伝えします。
注意点①本は全部読む
注意点の1つ目は、イチゴ栽培を本気で勉強したいと思ったら本は全部読みましょう。
- 本屋さんで「イチゴ栽培の〜」と書いてある本があったら、全部買う
- 図書館に行ってイチゴ関連の本があったら全部読む
と、いうくらい情報はいくらあっても損することはないと思います。
とりあえず得られる情報は全部集めるのがおすすめです。
僕が学生の頃に勉強していた時も図書館に行ってイチゴや施設園芸、野菜栽培関連の本は全部読みました。
学生の頃はあまりお金がなかったので本を買えませんでした。
なので、市立図書館や大学の図書館などに行って、本を片っ端から全部読んでいました。
本気でイチゴの勉強したいという方は、イチゴ関連の本は全部読むぐらいでいいと思います。
ただ「そんなにお金がない」とか「そんなに時間がない」という場合は、先ほど私がご紹介した本をとりあえず読んでみてください。
それでもっと勉強したいと思ったら、そこからどんどん色々な本を読んでみてください。
注意点②本は著者の意見
注意点2つ目は、実は本に書いてある事はほぼ間違っているということです。
本に書いてあることは、その本を書いた著者が言いたい事、その著者の意見が書いてあるだけです。
科学的な根拠とかなくても大丈夫なんです。
だからこそ「この病気はこれをしただけで治る」という様なタイトルの本やそんな内容の本でも出せます。
なぜその様なことができるのかというと、言論の自由みたいなものが日本や大体の国で認められているので好き放題好きなことを書いて出版することができるのです。
イチゴ栽培の本や農業の本を読んだ時、そこには何の証拠もなくその通りになるとは限らないということを理解しておきましょう。
本に書いてあるとそれが真実みたいに思ってしまう方がいますが、そんなことはありません。
1番のおすすめは論文を読むこと
正確な情報を手に入れるために一番のおすすめは論文を読むことです。
論文は基本的にその論文を書いた人以外の第三者の人がチェックを入れています。
実験方法は正しいのか、データの読み解き方は正しいかなどにツッコミを入れてフィルターにかけられます。
なので、間違った内容のものは世の中に出てきません。
第三者のチェックを受けた上で、科学的な根拠があるものが論文として発表されています。
なので、論文を読むのが勉強をする上での大前提というか一番のことです。
私が学生時代に卒業論文や修士論文を書く時や農業関係の発表会で発表する資料を作る時に、読んだ本の内容を使うことは一切ありません。
「この論文から引用して、こういうことが言えています」という感じで必ず論文から引用します。
本から引用するということは99%ないです。
なので、イチゴ栽培を勉強する時も本当に良いのは論文を読むことです。
論文に抵抗がある人は、論文を引用して作られた本を読もう
しかし
- 論文を読めない…
- 論文ってそもそもどうやって見つけたらいいの?
- 論文の読み方がわからない!
という人はすごく多いと思います。
そういう人におすすめなのが論文を引用する形で作られている本を読むことです。
そういう本は論文の内容をわかりやすく伝えてくれているんですね。
例えば、私が学生時代によく読んでいた【日本のイチゴ】という本、ほとんどの内容が論文を引用する形で作られています。
日本や海外の論文を元に作られている本です。
それから【最新農業技術 野菜 vol.5】も色々な論文を引用する形で構成された本です。
こういう本なら内容の確かさがあるので、ぜひこういう本を読んでみてください。
ただ、家庭菜園でイチゴを育てたい人や趣味で楽しく育てたい人は内容がわからないかもしれません。
これは本気で勉強したい人向けの本なので、単純に簡単にイチゴを育てる方法が知りたい人は他の簡単な家庭菜園向けの本を読むのがいいでしょう。
また、私のYouTubeチャンネルでも色々な動画をアップしています。
- イチゴの苗作り
- イチゴの植えつけ
- イチゴの育て方
- イチゴの肥料の与え方
- イチゴの人工授粉
など、色々な方法をできるだけわかりやすく動画という形で皆さんにお届けしています。
イチゴについて動画で知りたい方はぜひご覧ください。
私は動画を作る時の情報源として論文を読んだり、論文を元に作られた本を読んでいます。
そして、家庭菜園の人向けにわかりやすく簡単にということを意識して作っているので役に立つんじゃないかなと思います。
家庭菜園でイチゴを育てている方は、ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
今回ご紹介した内容はこちらの動画でご覧になれます。