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いちごの花や実ができないときに花を作らせる方法10個をプロが解説

今回はいちごの花や実ができないときに花を作らせる方法10個を紹介します。

  • いちごを育てているが、葉ばかり育って花ができない。
  • なぜ花ができないの?
  • どうしたら花や実ができるの?

このような悩みや疑問がある方は、ぜひ最後までお読みください。

1.いちごのタイプは?一季成り性?四季成り性?

まず、購入したときの苗の品種からそのいちごが一季成り性の品種なのか四季成り性の品種なのかを把握しておきましょう。

ちなみに市販されているほとんどのいちごの苗は一季成り性の品種で、四季成り性の場合にはその旨が明記されています。

特にどちらの表記もない場合は、ほぼ一季成り性と思って間違いないでしょう。

貰いものの苗であったり、いろいろな品種が混ざってしまってどの品種か判断がつかない場合、基本的には7月から10月に花を咲かせたら四季成り性品種と判断してください。

逆に7月から10月に花を咲かせなかった場合は、その品種は一季成り性の品種であると判断することができます。

2.今の季節は?春?夏?秋?

今育てているいちごの品種が一季成り性品種の場合、基本的に花を咲かせるのは春だけです。

収穫可能な具体的な時期の目安としては、3月から5月頃までとなります。

一方、四季成り性品種の場合は、春から秋まで花を咲かせて収穫することができます。

3.育てている品種は?古い品種?新しい品種?

最初に市販されているほぼ全てのいちごの品種は一季成り性と説明しましたが、同じ一季成り性でも品種ごとに花のできやすさは違います。

花が出やすい品種もあれば、花が出にくい品種もあります。

基本的には新しい品種(とちおとめ、紅ほっぺ、章姫など)は早生(花が出やすい)の傾向が強く、古い品種(女峰、宝公早生など)は晩生(花が出にくい)の傾向があります。

4.葉齢(ようれい)は?株ができてからの日数は?

葉齢(ようれい)とは、苗の年齢のことを指します。

いちごは苗が出来てすぐの新しい状態と、苗が出来てから半年~1年経った古い状態とを比較した場合、古い株のほうが花が出やすいです。

例えば、今年の春に出来た新しい苗を使って今年の春に花を咲かせられるかというと、出来る場合もありますが可能性はかなり低くなります。

一般的には、春に出来た苗を夏に育苗し、秋に定植、そこから冬越しさせて翌年の春に花を咲かせて収穫という流れのほうがいちごを作りやすいです。

つまり、出来た苗をすぐ植えるのではなく、ある程度時間を掛けて苗作りをしっかりやるということが大切になります。

一季成り性品種の場合、秋に花芽分化をさせるため、春に親株を植えて夏に子苗を取り、秋にプランターや庭に植えるという流れがよいでしょう。

四季成り性品種の場合は、春に苗を植えたとしてもしっかり花芽分化するのは夏か秋になってからです。

または秋に四季成り性品種を植えて、冬越しさせたあと、翌年の春に花芽分化させるのもよいでしょう。

5.肥料は多すぎても少なすぎてもダメ

肥料も花のでき方に関係してきます。

与える肥料が多すぎると、苗自体は元気になりますが、葉を育てるほうへと植物のホルモンのバランスが偏ってしまい、花ができにくくなってしまいます。

一方、あまりにも肥料が少なすぎる場合、そもそも苗の生育のスピードが遅くなり、上手く育てることができません。

もしその状態で花ができたとしても、とてもひ弱で小さい果実しかつけることができないでしょう。

そこで肥料を与える量の判断基準として、葉の色を見て判断することができます。

葉の色が緑色であれば、肥料が充分足りていると判断できますし、葉が黄緑色の場合であれば、肥料が不足していると判断できます。

6.ベランダの条件 直射日光が当たるか?

庭や畑でいちごを育てる場合はあまり関係ない項目にはなりますが、ベランダなどでいちごを育てる場合は日当たりがかなり重要になります。

なぜなら、いちごは光を浴びることで光合成を行い、それによってできたエネルギーを花を咲かせるために使っているからです。

南向きのベランダの場合であれば、周りに特に日光を遮るような大きな建物などがなければ、朝から夕方までいちごの苗に直射日光を当てることができるので問題ありません。

しかし、北向きのベランダや、周囲の建物によって日光が遮られたり、ベランダ自体が奥まっていて上手く直射日光がいちごに当たらないといった環境は、いちごを育てる環境としては良くありません。

いちごだけでなく、ほとんどの野菜は直射日光を当てて育てる植物です。

観葉植物などであれば、室内の弱い光しか届かない場所でも元気に育てることもできます。

しかし、いちごなど収穫物を前提とした植物の場合は、直射日光を当ててたくさん光合成することができる環境が大切です。

いちごを日陰で育てている場合は、必ず直射日光が当たる場所に移動させましょう。

もし、直射日光が当たる場所を確保できず、日陰や室内で育てる場合は、植物栽培用のLEDを使用するなどして補光してあげるとよいでしょう。

7.花ができて出てくるまでには時間差がある

いちごの花ができてから、人間の目に見えるまでには実はかなりの時間差があります。

いちごの生育が早い春から夏の期間の場合でも、およそ一ヶ月ぐらいの時間差があります。

これが秋や冬になると、この時間差はさらに大きくなります。

例えば4月に収穫したいちごの実の場合、花が咲くのは3月頃ですが、この3月に咲いた花がいつ頃できたかというと、実は前年の11月にできた花になります。

前年の11月頃にできた花は、そこから3月頃まで冬越しをして、暖かくなってきた頃に苗が生育を再開したタイミングで咲き始めるという流れです。

つまり、いちごを育てていて、今花が見えていなくても、実はすでに内部では花ができている場合もあるということです。

そのため、肥料をやるなど何か工夫をしたとしても、その効果が花に現れるのは最短でも1ヶ月以上先になります。

何らかの処置を施した翌週に花が咲いたとしても、その花は実は1ヶ月ほど前にすでに出来ていた花であって、肥料などの効果ではないということを理解しておきましょう。

8.芽の数は?芽数が多いと花が多くなる

いちごの株から脇芽をとってしまうなどして、芽の数が1個しかなかった場合、花は一箇所にしか咲きません。

これを脇芽をとらずに1株の中で芽の数が5個にした場合、5箇所から花が咲く可能性があることになります。

単純に花が出る確率を上げて、実の収穫を増やしたいという場合は、脇芽をとらずに1株の芽の数を増やすことがおすすめです。

9.四季成り性品種なら日長延長で花ができやすい

四季成り性品種の場合、LEDなどを使って電照処理をして日長時間を長くし、花芽分化をしやすくするという方法もあります。

但し、夜間に電気を点けっぱなしにするということもあり、商業的にプロの農家の方がされる場合であればともかく、家庭菜園でこの方法で育てるのはとても難易度が高いです。

10.一季成り性品種なら冷蔵庫で花芽分化させる

プロのいちご農家の場合は一般的な方法ではありますが、一季成り性のいちごを育てていて春以外の季節にも収穫をしたい場合、人工的に涼しい環境を作り、花芽分化させてから定植するという方法があります。

具体的には、ポット苗を冷蔵庫に入れる、もしくは苗を高標高地で育てることでそれが可能になります。

家庭菜園の場合でも、涼しい場所や冷蔵庫などで苗を育てたあとに定植するということを行えば、冬や夏にいちごを収穫することも可能になります。

しかし、かなり難易度が高いためおすすめはしません。

いちごの花や実ができないときに花を作らせる方法のまとめ

今回は、いちごの花や実ができないときに花を作らせる方法10個を紹介しました。

家庭菜園でも使える実用的な方法を厳選して紹介していますので、いちごの花ができなくて悩んでいる方や、花や収穫の量をもっと増やしたいという方はぜひ参考にしてみてください。

動画でも紹介しているので、ぜひご覧ください。