いちご品種改良のやり方、種の取り方とオリジナル苺品種を作る方法

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今回はスーパーで買ったイチゴから種を取る方法を簡単に説明します。

私は大学時代にイチゴの品種改良を行っていました。

実際に私の先輩が育成した品種を引き継ぎ、私が学生の時に新しい品種が品種登録されました。

なので、品種登録についてはある程度知っています。

今回は新しい品種を作るというよりは、スーパーで買ってきたイチゴを利用して自分だけのオリジナルのイチゴを育てる方法を紹介します。

  • 何か植物を育てたいと思っている
  • 珍しいイチゴに興味がある
  • 自分だけのオリジナルイチゴが作りたい!

という方は、ぜひ最後までご覧ください。

品種改良について詳しく知りたい方はこちらの動画をご覧ください。

目次

スーパーで買ったイチゴから種を取る方法

実際にスーパーで購入したイチゴを使って、イチゴの種の取り方を説明します。

手順①スーパーで完熟イチゴを買う

今回はスーパーで買ったきたこのとちおとめを使いましょう。

おつとめ品で30円割引になっていました。

ヘタを見ると分かると思いますが、ちょっと古いです。

収穫されてから何日も経っています。

こういうのを食べると「鮮度が悪いな」とマイナスに考えてしまうかもしれません。

でも、種を取る場合には収穫してから日にちが経っている実の方がいいです。

果実が成熟していない時は種も成熟しておらず、まだ発芽能力を持っていません。

今回使うイチゴはしっかり完熟しています。

もう少し追熟させればこの一粒一粒がさらに充実して、発芽する可能性がより高くなります。

なので、まずはスーパーでできるだけ完熟したイチゴを買ってきましょう。

手順②完熟イチゴを常温で放置する

次に完熟イチゴを数日間常温で置いておいてください。

そうすると完全に完熟して見た目が傷んできて、人間が食べるにはイマイチなぐらいになります。

それぐらいになったら十分に成熟して発芽能力を持っているので、次の段階に移ります。

手順③イチゴの表面を切り取る

色々な方法がありますが、簡単なやり方は果実の表面だけを包丁で切ってティッシュペーパーの上に並べていく方法です。

こんな感じにイチゴの表面をナイフで切りました。

こちらが表面を切り取られたイチゴです。

ツブツブがないイチゴって不思議ですよね。

手順④常温で一週間ほど放置する

ここから1週間くらい常温で置き、果肉を乾燥させて種子の充実を待ちましょう。

手順⑤種をピンセットで取る

1週間くらい常温で置いたら、ツブツブを一個一個ピンセットで取り除くか、ボールや金ザルに入れて水でジャブジャブ洗ってツブツブだけを分離させてください。

他には、大きな果実のまま数日間おいて、ボールやザルの中で潰して種だけ取る方法があります。

できればその時は金属製のザルを使いましょう。

ザルにゴシゴシ擦るように洗うとツブツブの表面が少し削り取られてより発芽しやすくなります。

イチゴの種は発芽率が悪いので、できるだけ発芽率を良くする工夫が必要です。

ただ、果実のまま数日置く方法だと、イチゴ自体の味が楽しめませんよね。

なので、表面をそぎ落とすやり方が一番簡単だと思います。

こちらが先ほどの果肉から種だけを取ったものです。

多少果肉もくっついていますが、一応種だけ取れています。

果肉が残っていると発芽率が悪くなるので、できるだけ取り除いてください。

実はこれでイチゴの種の準備ができました。

あとはこの種を播けばOKです。

普通に土の上にパラパラと播くだけでもいいです。

またはティッシュペーパーやスポンジに水を含ませて、その上にパラパラと並べるだけでもいいです。

それだけでオリジナルのイチゴを作ることができるんです!

イチゴの種の播き方はこちらの動画で紹介しているので、ぜひご覧ください。

ミキサーを使ったイチゴの種を取る方法は、こちらの動画で紹介しています。

オリジナルのおいしいイチゴ品種を作るのは難しい

「もしかしてあまおうよりもおいしいイチゴが作れるんじゃないか?」と思うかもしれません。

しかし、残念ながらそういうイチゴが作れる可能性はものすごく低くてほぼゼロに近いです。

あまおうや紅ほっぺなどの人気の品種ができるまでには、大体1万~10万株ぐらい試験栽培します。

それをプロの人が5~7年ぐらい時間をかけ、たったひと株だけものすごく優秀な株を選びます。

それを品種登録して、その一株を何十万~何百万株に増やし、日本中で栽培して販売しています。

なので、素人の人がたまたまスーパーで買ってきたイチゴを使って良い品種を作ろうと思っても、成功する確率はほぼゼロに近いです。

ただそうは言っても、自分だけの変わったイチゴで良ければ、イチゴの実から種を取って播くだけで十分オリジナルのイチゴを育てることができます。

イチゴから取った種のその後が気になる方は、ぜひこちらの動画をご覧ください。

スーパーで買ったイチゴの種を育てても法的に問題はない

「スーパーで買ってきたイチゴの種を播いて法律的に大丈夫なのか?」という疑問があると思います。

農研機構の育苗管理センターのウェブサイト(https://www.naro.go.jp/laboratory/ncss/hogotaisaku/qa/answer.html)の種苗法に関するところを見てみると、今のところ問題なさそうです。

ただ、イチゴの登録品種の果実から種子を採取し、その種子を利用した実生苗に対し、元の品種名をつけて販売する行為は種苗法違反となります。

要するに、とちおとめの実から種を取って苗を作り、その苗から採れた実に「とちおとめ」と名前を付けて販売することは禁止ということです。

なぜかというと、とちおとめから種を取って育てたとしても、それはとちおとめではないからです。

種ができる間に遺伝子が組変わり、とちおとめとは全く別の植物になります。

紅ほっぺや章姫や他の品種も同じです。

一般的なイチゴ品種は種を取って植えても、その品種とは全く違う植物になります。

なので、紅ほっぺが好きだから紅ほっぺの実を買ってきて種を播いたとしても、絶対に紅ほっぺはできません。

そこだけはご理解ください。

逆に言うと、まだこの世界には存在していないオリジナルのイチゴを作ることができます。

いちごの種の取り方とオリジナル苺品種を作る方法のまとめ

今回はスーパーで買ったイチゴの果肉から種を取る方法をご紹介しました。

スーパーで買ってきたイチゴから種を取る方法は

  1. スーパーで完熟イチゴを買う
  2. 完熟イチゴを常温で放置する
  3. イチゴの表面を切り取る
  4. 常温で一週間ほど放置する
  5. 種をピンセットで取る

です。

イチゴさえ手に入れば、意外と簡単に種を取ることができます。

皆さんも、自分だけのオリジナルイチゴを作ってみてはいかがでしょうか?

今回紹介した内容はこちらの動画で紹介しています。

編集長がイチゴの本を出版します

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動画でもっと詳しく見れます

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