いちごをミニ植物工場で収穫!種から室内で水耕栽培とLEDで苺を育てる方法と糖度,注意点【ビジネスとして儲かるのか?】

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今回は、イチゴをミニ植物工場で育てて実がなったので収穫してみます。

  • 自宅でイチゴを育ててみたい
  • 植物工場でイチゴの実は収穫できるの?
  • 植物工場はビジネスとして儲かる?

という方におすすめの内容です。

私はイチゴ専門の農業コンサル企業を経営しています。

その技術とや知識を活かして家庭でも真似できるようなミニ植物工場でイチゴを育てる方法をこれまでご紹介してきました。

いちごを植物工場で水耕栽培する方法はこちらで詳しく説明しています。

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今回は実の収穫です。

これから実を収穫して、重さや糖度を測ったり、食べてみたりします。

その前に、ここで育てているイチゴの4つの特徴を説明したいと思います。

目次

植物工場で水耕栽培したイチゴの4つの特徴

①苗からではなく種から育てたイチゴ

この世の中に出回っているイチゴの99.9%くらいは、苗から育てています。

ただ世の中に出回っている品種の中で1つか2つだけ種から育てられる品種があります。

これは「種子繁殖型イチゴ」といいます。

なぜ1つか2つかというと、一応2つありますが1つは世の中に全く出回っていないので、実際出回っているのは1つだけです。

2021年に三好アグリテックさんという会社から新しく2つか3つの種子繫殖型の新しい品種が出たので、これから種子繁殖型というのは増えていくと思います。

この新しい品種については試験栽培をさせていただく予定なので、どんな品種なのかこれから楽しみです。

②完全な水耕栽培

培地とか土を一切使わずに、完全に水と液肥だけで育てた水耕栽培です。

普通のイチゴ農園のイチゴも「最近は水耕栽培になったんじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。

でも、よくある高設栽培という胸の高さで育てているイチゴ農園というのは水耕栽培ではないんです。

養液栽培の固形培地耕というやり方で育てています。

それから土耕栽培という足元でイチゴを育てている方がシェアとしては圧倒的に多いです。

高設栽培という胸の胸の高さで育てている人たちもいますが、培地と呼ばれているものを使うので水耕栽培ではありません。

私が今育てているものはそういったものを一切使っていないので、本当の本当の水耕栽培です。

③室内で栽培している

育てているのが屋外ではなくて、室内です。

家庭菜園だったら庭とか畑とか野ざらしの状態で育てます。

プロの農家の人で商業的にやっている農園はビニールハウスで育てることが多いです。

ただ、私が今やっているのは自宅の室内で全然外に出さずに部屋の中だけで育ててきました。

一般的に植物工場と呼ばれているものだと室内を想像される方が多いと思います。

詳しい話をすると実は植物工場にも2種類ありまして、屋内の「閉鎖型植物工場」と、一般的な施設園芸の大規模バージョンの「太陽光利用方植物工場」があります。

ある程度規模の大きいものは施設園芸ではなくて「植物工場というふうに呼びましょう」という定義があるので、ビニールハウスを使って栽培をしても植物工場という場合があります。

一般の人が植物工場と聞いたらビニールハウスではなくて、工場の中で作っているものをイメージすると思うのでそんなに深く考えなくても大丈夫です。

④LEDの光で栽培

太陽光ではなくてLEDを使って育てていることです。

一般的にイチゴというのはビニールハウスや屋外で育てるときは太陽の光を浴びてイチゴの葉でその光を受けて光合成をして実を成らすという栽培をします。

ただ室内や工場の中だと太陽の光が一切届かないので、代わりの光が必要です。

この時に使われるのが、最近だとほとんどLEDになってきました。

他にも蛍光灯や高圧ナトリウムランプもありますが、最近はだいたいLEDです。

私もLEDを使っています。

かなりたくさんの人が「どういう色がいいのか?」という風に考えると思います。

どういう色を選ぶのかもう少し詳しい話をすると、「どういう波長を選ぶのか?」によってイチゴの生育が変わってきます。

ただ変わってくるにはすごくいろんな要因があり、単純に光の色だけではなくて、品種によっても変わってきます。

それから温度、光を当てる期間の長さ、湿度、CO2の濃度などいろんな要因があった上で、その波長によって収穫量や味の影響が出てきます。

なので結論を言うと、家庭菜園でイチゴを育てている方はあまり気にしなくて大丈夫です。

白い色のLEDを使いましょう。

植物工場でイチゴの実を収穫

こちらが私が育てているイチゴです。

真っ赤でおいしそうですよね。

このミニ植物工場で育てております。

メタルラックで上からLEDを吊るしています。

それから小さい換気扇で風を起こして、光合成を盛んにさせているという感じです。

容器に発泡スチロールを浮かべて、穴を開けて苗を入れて、この中に液体の肥料が入っています。

そしてエアーポンプで空気を入れているという感じです。

実の大きさはこんな感じです。

まあまあ大きいですよね。

他にも実はなっています。

根っこはこんな感じです。

茶色っぽくなってきているけれど、まだまだ元気そうですね。

ついでにECとかpHも測ってみましょう。

すごい適当な管理なので正直どんな数値なのか分からないですが、ちょっと測ってみましょう。

イチゴを育てている培養液のECとpHを測定しております。

ECが「0.6mS/cm」、pHが「7.8」ぐらいです。

本当はpHはもうちょっと時間をかけて測定しないといけないので、たぶんもうちょい下がるかなと思います。

ちょっと高いので、本当はもうちょっと低い方がいいです。

適当に育てているので、ちゃんと全然やってないです。

ECも測定したのは初めてぐらいです。

適当に目分量で液肥を入れて、たまに水足して育てていました。

それぐらい適当でも育ちますが、それはあくまでも私はイチゴのことを結構詳しいから適当にやっても育つということです。

あまりイチゴを育てたことがない人が適当にやると多分うまく育たないと思います。

それでは、収穫します!

片手で取れるかな。

とれました~~~!!!

反対側もまあまあ赤いです。

イチゴのサイズや糖度を測定

それでは、収穫したイチゴの実の重さを量ったり糖度を測ったりします。

見た目はこんな感じです。

この収穫したイチゴの重さを量ってみましょう。

26gです。

なかなか大きいですよね。

次は切って断面を見てみましょう。

赤色が濃い!

よつぼしってこんなに赤濃かったですか?

テレビで話題の黒いちごぐらい赤が濃いですね。

イチゴの赤ってアントシアニンなんですが、合成が促進されるような要因があったんでしょうか。

すごく赤いです。

もう1回半分に切りました。

これをすりつぶして糖度を測ります。

イチゴの糖度を測るときは、この先端だけを測るとめちゃくちゃ高い糖度になるという裏技があります笑

でもそれはやらずに、科学的に正しい測り方で全体を測ります。

一粒はもったいないので、縦に糖度が均等になるように測ります。

先端は糖度が高いので、縦に切れば均一な糖度が測れます。

スプーンですりつぶします。

果汁がとれたので、これを糖度計に垂らします。

糖度を測ってみます。

糖度8.4

めっちゃ低い!

イチゴはだいたい10~12くらいと言われているので、8.4はかなり低いです。

夏いちごぐらいですね。

夏いちごとは夏場でもケーキ用や業務用として作られていているイチゴで、糖度が8~10の間くらいです。

普通の人が食べると「何これおいしくない」「このイチゴはあんまり甘くない」みたいなイチゴです。

テレビ番組で「みずみずしいですね」「さっぱりしてますね」「普通のイチゴとは違いますね」「何個でも沢山食べれそうですね」という表現のコメントがされたらそれは甘くないという意味です。

というわけで、糖度は「8.4」という感じでした。

これを食べてみます。

最初口に入れた瞬間は甘いじゃんと思いましたが、噛むと一気に酸味が口の中に広がって、最初だけちょっと甘くてすぐに酸っぱいという感じの味でした。

でも美味しいですね。

甘いのが好きな人にとっては美味しくないと思います。

例えば「章姫」という品種の、全然酸っぱくなくて甘さだけがするイチゴが好きな人にとっては、このイチゴは全然美味しくないと思います。

甘さよりも酸味の方が強いからです。

でも「酸味があるイチゴが結構好き」という人も中には居るかなと思っていて、私とか結構そのタイプなんです。

なので、これぐらい酸味がしっかり感じるイチゴはいいなという風に思いました。

ただそれはあまり一般受けはしないので、一般向けという意味ではあまり良くないですね。

赤の色が非常に強いというのは、すごい良いことだと思います。

これは生クリームとの相性が良いので業務用とかでケーキ屋さんとかに売るというようなことを考えるとすごく良いです。

ただ触っていて思いましたが、こうやって実を置いただけでお皿に跡が残ったり、触っただけで指に赤い色が付くというのは皮の部分が柔らかいからです。

「果皮」といいますが、ここの部分がすごい軟弱です。

なので傷つきやすいです。

こうなると日持ちが悪かったり、輸送中にキズがつきやすく、傷みやすく腐りやすいということになるのであまり良くないです。

これは光が弱いせいだと思います。

太陽の光をしっかり浴びていたり紫外線など強い光を浴びるとここが結構硬く強くなります。

LEDで弱い光だけだからだと思われますが、実の部分すごく柔らかいです。

家庭で食べる分には別に問題ないですが、将来商売したいとか考えたときは問題になりますね。

すごい適当に育てている割には、まずまずの味だったんじゃないかと思います。

結構おいしかったですね。

イチゴの植物工場はビジネスとして儲かるのか?

味を良くしようとすると今度はコストが上がったり、生産量が下がったりなど問題が出てくるのでなかなか商売にするには難しいです。

イチゴを植物工場で育てるというのは、技術的には可能です。

私がすごい適当に自宅の部屋でちょっとやっただけでもできるので、栽培自体は全然問題ではないです。

家庭菜園でミニ植物工場でイチゴを作りたい、室内でイチゴを作ってみたいという方はぜひ真似してください。

「商売として成り立つか」という話になると話は変わってきて、基本的に儲からないです。

イチゴの植物工場は儲からないと断言してしまっていいと思います。

ただそれはあくまでも今現在の話なので、これから5年後に儲かるかどうかというのはまだ分からないですが、少なくとも今は儲からないというのがほぼ確定している商売です。

でもこれから研究が進んだり、社会問題とか気候変動とかいろんな問題が起きたときに儲かるようになっているかもしれないです。

少なくとも今は儲からないですね。

それはイチゴの実を売っている人が儲からないという意味で、植物工場を売っている人は儲かるんですが、その辺はなかなか難しいところです。

なのでこれを見て「イチゴの植物工場できるんだ」「商売としてやろう」と思うのは、かなり難しいので私としてはオススメをしません。

ただ自分の趣味としてやる分にはすごい楽しいので、ぜひやってみてください。

いちごをミニ植物工場で収穫まとめ

今回は植物工場でイチゴを収穫して重さや糖度を測ったり、断面を見せたりしました。

自分も植物工場でイチゴを育ててみたいなあと思った方はぜひやってみてください!

こんな感じのものを作れば作れます。

ミニ植物工場の棚とLED照明を設置する方法はこちらで詳しく説明しています。

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最後にスケジュールについて説明します。

種を播いたのが9月で、10月に設置をして、3月に収穫という感じです。

なのでだいたい半年ぐらいのスパンがあれば種まきから収穫までできると思います。

「季節は関係しますか」と聞かれますが、エアコンを使う場合には「季節は全然関係ない」です。

それから地域も一切関係なくなります。

室内でエアコンがあって、ミニ植物工場のセットがあれば1年中どこでも同じような栽培ができます。

それが植物工場の良いところです。

デメリットは、お金もかかりますし糖度が低かったですし、いろいろ問題はあります。

もちろん出来るだけ糖度を上げる方法とか、収穫量を増やす方法とか、コストを下げる方法とかそういった工夫はいろいろ出来るのでみなさんぜひやってみてください。

ただそこをいくら突き詰めていっても結局は今は儲からないので、あまりそこをやるモチベーションは湧かないですが、非常に面白いものではあると思うのでこれからもこういった実験はやっていこうと思います。

こちらの動画でも紹介しています。

三刀流の効果がある液体肥料の紹介

編集長が実際に買ったAmazonのおすすめ園芸グッズ

Amazonで編集長が実際に買って使っている園芸グッズを紹介します。

①イチゴ栽培用品

②トマト栽培用品

③ミニ植物工場用品

④家庭菜園に役立つ本

Amazonは詐欺商品が多いので注意しないといけないですが、使い勝手が良い通販サイトです。

Daisuke MiyazakiのAmazonの購入履歴

編集長が実際に買った楽天市場のおすすめ園芸グッズ

楽天市場で編集長が実際に買って使っている園芸グッズを紹介します。

①イチゴ栽培に使うもの

②家庭菜園の野菜づくりに使うもの

③ビールやワイン

楽天市場は0と5が付く日と18日はポイント還元率が高くなるのでお得です(毎月5日、10日、15日、18日、20日、25日、30日)。

ポイント還元を含めて考えると、近所のホームセンターで買うよりも安いことが多いです。

楽天市場はプロの農家が使う農業用品や、ホームセンターには売ってないマニアックな園芸グッズが売っています。

Daisuke Miyazakiの楽天市場の購入履歴

編集長が家庭菜園の入門本を出版しました

動画でもっと詳しく見れます

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