今回はイチゴの種の効率的な取り方を紹介します。
私は過去にイチゴの種の取り方や品種改良の方法を紹介しました。
そこではイチゴの実の皮を少しずつ切って種を取り、乾かしてから播く方法を紹介しました。
少量の種を取る場合はそのやり方でいいですが、一度にたくさん種を取りたい場合は別のやり方があります。
イチゴの種の取り方や品種改良の方法が気になる方は、こちらの動画をぜひ見てみてください。
イチゴの種は品種改良のために取る
今回は大量にイチゴの種を取る方法を紹介します。
普通に考えたらイチゴの種を取る必要はありません。
イチゴはランナーといわれる苗でどんどん増えていくからです。
イチゴの苗の増やし方はこちらの動画で紹介しているので、気になる方はぜひご覧ください。
では、何のためにイチゴの種を取るのかを説明します。
イチゴの種一粒一粒の遺伝子は、親と異っています。
なので、その種の一粒一粒が新しい品種になる可能性を秘めています。
これは品種改良する時に使う技術です。
イチゴは苗から育てるのが当たり前で、種から育てている人はなかなかいないと思います。
なので、変わったことをしたい方や面白いことをしたいという方はぜひやってみてください。
美味しいイチゴの品種ができる確率
イチゴの品種改良について簡単に説明します。
品種改良をして優れた品種ができる可能性はとても低いです。
何百粒のイチゴの種から株を育てても、本当に美味しい品種になる確率はほぼ0%に近いです。
なので、本気で品種改良に取り組んでも優れた品種ができるには何年もかかります。
家庭菜園でやる場合は、お遊びでやるぐらいの気持ちで取り組むといいと思います。
イチゴの種を大量に取るポイント
ここではイチゴの種を取る際のポイントをいくつかご紹介します。
ポイント①使う道具は2つだけ
使うものは
- イチゴの実
- ミキサー
以上の2つだけです。
イチゴの実はスーパーで買ってきたとちおとめを用意しました。
皆さんが使う場合は、スーパーで買った実でもいいですし、自分で育てているイチゴがあればその実を使っても構いません。
※品種によっては契約により、品種改良に使えないものもあります。
ポイント②完熟のイチゴの実を使う
ポイントは普通に食べる8割着色ぐらいの実ではなくて、完全に熟した100%真っ赤なイチゴの実を用意することです。
その完熟した実を常温でしばらく放置します。
しばらく放置すると半分腐りかけたような状態になります。
この腐りかけたような状態がベストです。
なぜかというと、8割着色の状態だとイチゴの種が十分に熟していないからです。
イチゴの種を十分に熟させるには、完熟(腐るぐらい)まで放置しておくのが大事です。
ポイント③ミキサーにかけて下に沈んだ重たい種を播く
イチゴの種の取り方は簡単です。
イチゴの実と水を一緒にミキサーにかけてすり潰します。
上積みの水に浮く軽い種は十分に熟しておらず、発芽しないことが多いので捨てます。
一番底に残った重たい充実した種だけを播きましょう。
イチゴの種の取り方
では、実際にイチゴの種を取ってみましょう!
イチゴの種の取り方①イチゴを完熟させる
こちらがスーパーで買ってきたとちおとめの実です。
腐りかけてカビみたいなのも出てきてますよね。
これぐらいの状態が種を取るのに完璧な状態です。
スーパーで買ってきたらすぐに使わず、腐るぐらいまで完熟にしてから種を取るようにしてください。
イチゴの種の取り方②イチゴと水をミキサーにかける
ミキサーにイチゴの実を入れます。
一応、イチゴのヘタは取りましょう。
まずはミキサーの蓋をして、水入れずにこのままやってみましょう。
一瞬でイチゴが砕け散りましたが、うまくいかないので水道水を足します。
見た目は完全にイチゴジュースですね。
イチゴジュースもこの作り方なんでしょうけど、イチゴジュースではありません。
ミキサーのスイッチをオンにします。
これでOKです。
しばらく置くと浮く種と沈む種に分かれるので待ちましょう。
このように泡と水と沈殿物の3層に分かれました。
イチゴの種の取り方③分離した泡と水を捨てる
泡と水は全部捨てて、沈殿物だけを残します。
上積みを捨てます。
泡があると捨てずらいので、先に泡を取った方がいいかもしれません。
重たい充実した種が手に入りました。
イチゴの種の取り方④キンチンペーパーに出して乾かす
これをキッチンペーパーに出します。
最終的にとちおとめの種がこれだけ取れました。
数えてはいませんが、数百粒くらいですね。
乾いたらこの種をビニール袋などに入れて冷蔵庫に入れておけば長期保存できます。
取れたイチゴの種を播く際のポイント
今日は取った種をこのまま播きます。
小さなプランターと土を用意したので、ここにイチゴの種を播きます。
土は種まきの用の土がホームセンターやネット通販で売っているので、それを使うのがオススメです。
ポイント①種まき用の土を使うのがおすすめ
まず、種まき用の土と野菜栽培用培養土の違いを説明します。
野菜栽培用の園芸培土は、粒が少し大きくて肥料分(元肥)が含まれていることが多いです。
種まき用の培土は、粒が非常に極め細くて水はけが良く元肥が含まれていないことが多いです。
なぜかというと、粒が大きいと種が下の方にどんどん入っていってしまうからです。
また、種から出たばかりの芽や根は肥料分に対して非常に弱いです。
なので、種まき用の培養土には肥料分が入っていなかったり、入っていたとしてもすごく少ない量に調整されてます。
種を播く時は、種まき用培土がおすすめです。
ただ、私は面倒なので野菜栽培用培養土(2年目)を使います。
できるだけきめ細かい土を選んで鎮圧をして、種が土の中に入らないようにしました。
ポイント②イチゴの種は光がないと発芽しない
種には日光を好むものと好まないものの2種類あります。
イチゴは光を好むタイプの種です。
太陽の光が当たらないと芽が出ないので、種は土の中に埋めずに土の表面に置くだけでいいです。
自分で取ったイチゴの種の播き方
では、実際にイチゴの種を播いてみましょう!
イチゴの種の播き方①列状にして播く
今回は列状にして種を播きます。
小さいストローを目印代わりに立てたので、この前にイチゴの種を並べていきます。
ポットを使ったりセルトレーを使ったりしてもいいですが、私はプランターに直播きします。
ティッシュに播いたりクッキングペーパーに播いたりもします。
種は乾かしてから播いた方が指に付きにくいです。
ここに7列のイチゴの種を播いて、上から指で軽く押さえました。
ずれたの場所もありますが、大体こんな感じでいいです。
イチゴの種の播き方②霧吹きで水をあげる
ジョウロで水をあげると、水の影響で土が流れて種が土の中に入ってしまいます。
すると光が足らなくなって発芽しなくなってしまいます。
なので、水やりは霧吹きで湿り気を保たせるやり方をします。
霧吹きを使うとイチゴの種を土の表面から動かさずに水を与えることができます。
ジョウロを使うと水の勢いが強すぎて種が流れてしまうので、霧吹きを使うようにしてください。
これはイチゴの種だけではなくて、いろんな野菜の種まきの時に使える技術です。
ジョウロよりも霧吹きを使った方が種の移動を少なくできます。
イチゴの種の播き方③日光がたっぷり当たる場所に置く
イチゴの種は早いと10日、長いと40日くらいで発芽して芽が出てきます。
温度や水や光によっても違いますが、忘れた頃に出てくるような感じです。
早いものだと2週間くらいで芽が出てくることもありますが、私の経験上1ヶ月以上経って忘れた頃に芽が出てくることも多いです。
これは日光がたっぷりと当たる窓際や光が当たる場所に置いて下さい。
屋外に置いておくと雨で崩されてしまうので、雨が直接当たる場所には置かないでくだい。
イチゴの種の播き方④種を播いた日付や品種を記録する
イチゴは種を播いてから芽が出るまで時間がかかるので、播いてから「あれ?これ何播いたっけ?」みたいに忘れてしまうことがあります。
なので、播いた日付や何の種を蒔いたのかを必ず記録するようにしてください。
結構忘れるので必ずやっておきましょう。
いちごの品種改良で種を効率的に取る方法と種まきのやり方のまとめ
今回はイチゴの種を効率的に取って、実際にプランターに播くところまでを紹介しました。
このようにすればオリジナルのイチゴが育てられます。
ただ、とちおとめを超えるような品種ができる可能性は、ほぼ0%なので遊び感覚でやってみてください。
品種改良ついて詳しく知りたい方は、ぜひこちらの動画をご覧下さい。
今回ご紹介した内容は、こちらの動画で紹介しています。