今回は、いちごのうどん粉病対策について家庭菜園と有機栽培で使える7個の方法を紹介します。
- うどん粉病ってどんな病気?
- いちごを育てているが、うどん粉病が発生して困っている
- うどん粉病の対策について知りたい
このような疑問や要望がある方は、ぜひ最後までお読みください。
うどん粉病ってどんな病気?
それではまずうどん粉病がどんな病気か見てましょう。
下の写真が実際にうどん粉病が発生したいちごの葉の様子です。
ご覧の通り、うどんの粉のような見た目なのでうどん粉病と呼ばれています。
家庭菜園などをされていて、この病気をご存じない方は驚かれる方もいるかもしれません。
実は、葉の表面でうどん粉病の症状を発見した場合、発見が遅すぎるということがほとんどです。
なぜなら、うどん粉病は葉の表面よりも裏面で発生しやすい病気だからです。
では、葉の表面にうどん粉病が発生している葉の裏面を確認してみましょう。
このように葉の裏面の方が表面よりもうどん粉病の被害の面積が大きいことがわかります。
うどん粉病の特徴として、葉に付着している白い粉から新しい胞子が飛んで、どんどん感染が広がっていくという特徴があります。
そのため、今回のように葉にうどん粉病が発生しているのにそのまま放置してしまうと、どんどん他の株や他のプランターの植物にも空気感染が進んでいきます。
また、うどん粉病の菌は葉だけでなく、花や果実にも感染します。
さらに厄介なのは、いちごの株のランナーにも感染するということです。
しかもいちごのランナーは親株よりもうどん粉病に感染しやすいという性質があります。
みなさんが家庭菜園などで育てているいちごの葉に、このような白い粉のようなものが発生したら、それはほぼ間違いなくうどん粉病と考えてもらって間違いないでしょう。
うどん粉病の原因と発生時期
うどん粉病は糸状菌という病原菌が原因で発生する病気です。
発病しやすい温度は20度前後と言われています。
そのため、真冬や真夏など極端に寒い時期や暑い時期には発生しにくく、例えば3月~5月、9月~11月の春や秋などに発生しやすいです。
但し、促成栽培などで暖房を使って栽培する場合などは、例え真冬であってもうどん粉病が発生することがあります。
家庭菜園などの場合、加温して栽培することはほとんどないと思いますので、基本的には冬場にはうどん粉病は発生しないと考えていいでしょう。
また、うどん粉病の特徴として葉の表面よりも裏面に発生しやすいということもあり、発見が遅れてしまい、気づいた時にはかなり広い面積で感染してしまっているということも多いです。
うどん粉病の見分け方
うどん粉病見分け方は、いちごの葉や茎、花や果実、ランナーなど様々な場所に白い粉のようなものが付着しているので判断は比較的しやすい病気です。
但し、この時の注意点として、葉やヘタの先端についた白い粉のようなものをうどん粉病だと誤診しないようにしましょう。
葉やヘタの先端について白い粉の正体は、溢液(いつえき)と呼ばれるもので、根から吸い上げた水と無機物が乾いて残ったものです。
うどん粉病の対策
それではうどん粉病の一般的な対策について説明します。
一般的なうどん粉病の対策は以下の通りです。
- 化学農薬を使用する
- 硫黄の燻煙
- ケイ酸カリウムの施用
- 紫外線(UV-B)の照射
- 納豆菌の一種の微生物殺菌
- 青色のLED照射
- うどん粉病の抵抗性品種の栽培
最も一般的な方法は、1の化学農薬を使用する方法です。
これは商業的なプロの農家でもよく採用されている対策です。
5のように納豆菌の一種の微生物系の農薬を使った対策もあります。
それから7のうどん粉病に対してある程度抵抗性をもった品種を栽培するというのも対策の一つです。
例えば、カレンベリーやおおきみなどの品種はうどん粉病に対する抵抗性が強いと言われています。
ちなみに、今回紹介した7つの対策の中で、特に注目されている方法が4の紫外線(UV-B)を照射する方法です。
この方法は、うどん粉病の対策としてだけでなく、ダニなどの害虫についての対策としても研究が進められています。
UV-Bについてはこちらの動画で詳しく紹介しています。
家庭菜園向けの対策ということで考えると、やはり1の化学農薬を使用する方法が一番簡単な方法になります。
農薬の使用に抵抗のない方であれば、ホームセンターなどで市販されている化学農薬を使用するのが最も効果的です。
但し、最近では出来るだけ化学農薬は使用したくないという方もたくさんいらっしゃると思いますので、その場合は食品由来の成分を含んだ農薬の使用をおすすめします。
このような農薬は有機栽培にも合法的に使用できる農薬です。
安心して使用できる分、効き目は化学農薬よりも劣りますが、うどん粉病や害虫対策としてある程度の効果は期待できます。
いちごのうどん粉病対策!家庭菜園と有機栽培で使える7個の方法のまとめ
今回は、いちごのうどん粉病対策について家庭菜園と有機栽培で使える7個の方法を紹介しました。
うどん粉病は葉の裏側に発生しやすい特徴もあり、発見しやすい葉の表側で確認した時には、既にかなりの範囲で感染している可能性が高いです。
このような事態を未然に防ぐためにも、今回紹介した7個の方法からみなさんの栽培方法にあったものを選び、ぜひ実践してみてください。
動画でも紹介しているので、ぜひご覧ください。