今回は、連結トレイと点滴チューブを使ったイチゴの苗作りのやり方をご紹介したいと思います。
- イチゴ栽培を本格的にやりたい
- 苗をとにかくたんさん効率的に作りたい
- 炭疽病で悩んでいる方
という方におすすめの内容です。
イチゴの苗作りをする時にはいろいろな方法があります。
今回はその中でも、タイマーを使って水やりを自動化して、点滴チューブを使って水の跳ね返りがなく水やりをする。
ポットではなくて連結トレイを使って作業効率をアップさせる方法をご紹介します。
今回は家庭菜園初心者向けの内容ではありません。
家庭菜園をかなり本格的にやっている方、農家の方向けの内容となっています。
作業手順
こちらに準備が大体できました。
イチゴの親株があって、そこにカタツムリポットを並べて、これから培養土をつめて、点滴チューブを固定して、苗を固定していく作業を行っていきます。
いちごの苗作り
イチゴの苗作りのやり方を説明していきます。
ここに植わっているのが親株です。
これは袋培地に植わっている、袋栽培です。
ここは袋栽培ではなくプランターや発泡スチロールの箱とかなんでも良いです。
とにかくこんなふうに育てましょう。
こんな感じでズラっと並んでいます。
こうやってイチゴを育てているとこの様にランナーが出てくるので、そのランナーをこの容器に固定していきます。
カタツムリポットの特徴
この容器はカタツムリポットと言う物です。
こんな感じの連結トレイです。
昔はすくすくトレイを使っていたのですが、今回はカタツムリポットを使います。
こんなふうに底に穴が空いていたり、螺旋状になっていたりします。
ここの部分に点滴チューブを通す事ができて、その点滴チューブを固定させたり、その点滴チューブから一株一株に水が行き渡る様な仕組みになっています。
これが点滴チューブを固定する場所になります。
設置の仕方
それから今回はここに太い鉄の棒がありまして、そこをトレイの間に挟んでいます。
こうする事で全然トレイが動かないです。
強風や地震があったとしても、絶対これが落ちないような設計になっています。
もしくはこの端だけ引っ掛けるとか、台の上に乗っけちゃうでも良いと思うのですが、この様な棒があると良いと思います。
今回は元からある太い柱を使うのですがこの様な物を使う必要はなくて、普通の細いハウスパイプで十分です。
ハウスパイプを通してもらって、そこに乗っけましょう。
それから今ここにはまだ土を入れていないんですが、これからイチゴの育苗用の土を詰めます。
その後に点滴チューブをここの上に通して、土を湿らせて、土の上にこのランナーを固定していく感じです。
受け苗のコーナー
これが受け苗の場所です。
受け苗と言われているランナーの苗を受けていくのはこういうやり方でやります。
挿し苗のコーナー
それからこちらには親株がありません。
親株がないのですが、カタツムリポットだけがあります。
こちらは刺し苗用のコーナーです。
あっちの親株からランナーを切ってこっちに持って来たり、別のビニールハウスでもイチゴを育てているので別のビニールハウスで苗を切ってここに挿すやり方をやろうと思っています。
なのでここには親株は必要ありません。
そしてさらにこの上に柱を通しまして、寒冷紗や遮光資材を乗っけて遮光して葉っぱからの蒸散を抑えて活着を促進させるという事もやります。
点滴チューブの設置方法
スタートの部分なんですが、ここに普通に点滴チューブがあります。
このピッチは7cmぐらいの狭いピッチです。
高設栽培だと10~20cmぐらいの物を使うと思うのですが、それではないです。
それをこのスタートに付けて、ホースを付けて分岐させる感じです。
農家の人でしたらこの辺は塩ビパイプの素材でやってください。
私はちょっと塩ビパイプを使うのが面倒くさかったので、ホースで全部代用しています。
この枝分かれしているホースが水道の蛇口と間にタイマーが噛んであって、水道の蛇口が出っ放しです。
タイマーで制御して1日に最大6回ぐらい、細かく水やりをします。
なのでタイマーで制御して自動的に水やりをします。
これが散水のチューブではなくて点滴チューブなので、水の跳ね返りや飛び跳ねがなくて、炭疽病とか萎黄病が他の株にうつりにくい仕組みになっています。
かつ人の作業でやる必要がないので、水やりの作業を全部自動化できるという仕組みです。
親株の水やり
それから親株の水やりについても説明しておくと、この様なドリッパーで水をあげます。
これで固定する物をここに刺して、少しずつ水をあげるという仕組みです。
これもちゃんとした物だと結構値段が高いのですが、これはAmazonとかで売っているすごく安いやつを手作りで作った物です。
なので市販品の3分の1ぐらいの値段で設置できました。
昨年はこれで普通にイチゴの栽培をしてたのですが、今年はメインのイチゴ栽培を点滴チューブに変えて、こっちの親株の方にこれを設置することにしました。
潅水の系統分け
こちらもタイマーで制御しているのですが、カタツムリポットのタイマーとは別系統にしてあります。
親株に与える水とカタツムリトレイの苗に与える水は、量と頻度とタイミングを変えたいので、それぞれ水やりは自動化してタイマーを一個ずつ使って別系統で分けてやっています。
こちらも水の量としては非常に少ないのでこのホースで十分なのですが、農家の人でもっと大規模でやるとなったらこのホースでは全然ダメなのでポリパイプとか塩ビ管などを使ってください。
準備が完了
今土を入れ終わりました。
それから点滴チューブの設置も終わりました。
ここの点滴チューブは、こういう抑える部品で抑えています。
ここから水が出ています。
こんな感じです。
台の水平が大切
このベンチは水平がしっかり取れていないので、そこが問題です。
こっちに水が流れていなくて、あっちに水が流れています。
ハウスが建っている場所自体がちょっと斜めになっていて、その上にこの土台が乗っていて水平が取れない物なのであまり上手くいっていないです。
ハウスパイプでやるのであれば、しっかり水平にしてベンチは組み立ててください。
それでもそんなに大きな問題にはならなさそうなので、これでやってみます。
点滴チューブの調整
それからこの点滴チューブの長さや本数、元から来ている水圧によっては弱すぎて上手く水が出ないとか、強すぎて破裂するとか色々あります。
その辺の本数とかこのレバーとか、いろいろな物で水圧の調節はしてください。
その水圧の調整とかよく分からない人は、このやり方はやらない方が良いです。
ある程度分かる人は出来ると思います。
10分水を流してみた結果
今10分間水を流してみました。
そうすると若干ムラはあるのですが、ほぼ問題なく良い感じに水があげられています。
こんな感じです。
点滴チューブの並べ方
今回は私はこの向きで点滴チューブを並べてたのですが、この縦向きで並べることもできます。
1列しか並べていないのですが、2列並べることもできます。
それから親株の片側に今1列なんですが、その親株の両側に植えるとか色んなやり方があります。
ランナーの対処法について
こうやってランナーが大きくなってきたら、こういうランナーピンを使ってここに固定していきます。
出てきたらまたこの辺に止めるとか、この辺に止めるみたいな感じでやっていきます。
挿し苗だったらここで切って、ここに固定せず切ったやつを別のトレイの方に並べていきます。
じゃあ今年はこのトレイで苗作りをやっていきます。
連結トレイと点滴チューブを使ったイチゴの苗作りのやり方まとめ
いちごの育苗方法はいろいろありますが、今回はカタツムリポットを使った方法を紹介しました。
点滴チューブで水やりができるので、水はねがなくなり、炭疽病や萎黄病の予防に効果的といわれています。
作る苗の本数や水源、労働力、予算などを考慮して、適宜部品を変えてください。
こちらの動画でも紹介しています。