今回は、私の長野県にある実家で夏秋イチゴ栽培をしているのでその様子をご紹介したいと思います。
- 家庭菜園をかなり本格的にやっている
- これから農業を始めたい
- 夏秋イチゴを育てたいと思っている
という方向けの内容です。
この夏秋イチゴの栽培をお伝えするのはシリーズとしてやっていまして、4月に苗の定植をしまして、5月に潅水のドリップを点滴チューブに交換しました。
そして今は6月の上旬です。
今回の内容としては、もうすでに収穫が始まっているのでその実の様子をご紹介します。
後は生育の様子を簡単にご紹介して、この植え付けている本数を2倍に増やそうと思っています。
その新しいプランターの準備とか、その辺りの様子もご紹介したいと思います。
内容としては家庭菜園初心者向けではありません。
家庭菜園をかなり本格的にやっている人やこれから農業を始めたい人、すでに農業をやっている人向けになっています。
夏秋イチゴの生育状況
5月に植えた苗はこんな状態です。
少し大きくなりましたね。
それから今点滴チューブから水を出しています。
1日3分を2回でやっていたんですが、それだと水がちょっと足りないのでこれから水やりの頻度を増やそうと思います。
ただ使っているタイマーが回数は増やせないので頻度じゃなくて量かな。
量でちょっと調整します。
それかタイマー自体をちょっと交換するかもしれません。
点滴チューブはこんな感じです。
今プランターの底からポタポタ廃液が落ちていますね。
こんな感じに育っております。
私の実家は果樹園をやっていまして、その新しい事業としてイチゴ栽培を始めたので、イチゴ専門の方ですとちょっと真似しない方がいい部分もあります。
こちらのシリーズで夏秋イチゴの生育をお伝えするんですが、それが一番理想の形というわけではありません。
果樹園でやるように普通とは違うやり方をしているのでその点はご注意ください。
それからこの辺はもう実がなっています。
この辺はいろんな培地の比較をしています。
今回もまた新しい培地を使う予定です。
こんな感じに生育は違ってますね。
いちごの2年生株の紹介
これが2年生株ですね。
昨年育てて冬越しさせてもう1回育てているものです。
この辺葉っぱがしおれていますよね。
これはなぜかというと水不足です。
水が全然足りなくて葉っぱがしおれちゃっています。
ここの難しいところはこの2年生株はすごく葉っぱが大きくて水をたくさん必要とするんですが、5月に植えたばかりの小さな苗は全然水を必要としないので、その苗ごとに必要な水の量が違います。
それを同じ系統でコントロールしなければいけないので、5月に植えた株にとっては水が十分だけど2年生株にとっては水が十分ではないということが起きてしまっています。
この辺は水の管理の系統を分ければいいんですが、ちょっと面倒くさいので多分それはやらないと思います。
もしかしたら点滴チューブを2本にするとか、そういったことで対応するかもしれないです。
こちらも実が成りつつ、ランナーも出るとそういった状態です。
実の状態はこんな感じです。
それからこの辺は4月に植えた苗になっている実です。
葉っぱはこれぐらいの大きさで、実はまだちょっと小さいですね。
こんな感じです。
5月下旬から収穫が始まりました。
うまくいけば11月ぐらいまで収穫ができるかなと思います。
いちごの高設ベンチをDIYで作る
いまここに高設ベンチが1列しかないんですが、隣にももう1列置けそうだなと思ったのでここにももう1列ベンチを準備したいと思います。
今から使う道具ですが、こちらが19ミリのハウスパイプの中ジョイントです。
それから19ミリ同氏のクロスワンを使います。
これでハウスのパイプを繋ぎ止めるという感じです。
あとは配管関係は大体過去の記事で紹介した物と同じです。
ホースバンドとか分岐とか、あとはこのジョイントとか、こちらのハウスバンドも使う予定です。
農業用の自動水やり装置の作り方はこちらで詳しく説明しています。
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どんな感じでやるかざっくり説明すると、ここにハウスパイプを通して、この間に縦に支柱を乗せる感じで考えています。
ここは中ジョイントで接続します。
ちょっとやってみましょう。
じゃあこれを固定します。
最終的にこんな感じにします。
こんな感じを目指してこれをつけます。
これで完成です。
これはもの凄い手抜きなやり方なので、本当に長い期間使おうと思ったらこんなやり方ではダメなんですがあくまでも簡易的に一定期間だけ使うっていう感じだったらこれぐらいでもいいと思います。
ここをわざわざ作った理由はここに重たいプランターを乗せて、こういう力が下にかかるのでそのための補強として付けました。
こんな感じです。
私の体重をかけてもこれが曲がりません。
これが無いとこのハウスパイプはぐにゃんぐにゃん曲がっちゃうので、これで強くなったと思います。
これが凄い簡単な高設ベンチですね。
次はプランターの準備とかをやっていこうと思います。
いちご高設栽培用の培地の準備
ピートモス
今からこのピートモスを使います。
エストニア産です。
このエストニア産のピートモスに苦土石灰を混ぜてphを調整して、元肥としてエコロングを入れて、それから排水性の改善のためにパーライトを混ぜます。
それをこちらのプランターに入れます。
アクアフォーム
これはアクアフォームというものです。
建築の断熱材とか、切り花とかに使われているものです。
これを使ってブルーベリー栽培をすることが多いですが、今回はこれを使ってイチゴ栽培もしてみようと思います。
ではこれをプランターに入れて、イチゴを植え付けます。
培地の様子
今ピートモスをこのプランターの中に入れて水をかけました。
しっかり最初に湿らせないと水を弾いちゃうので、こんな感じになっています。
それからアクアフォームはこちらです。
プランターに入れて、水をかけて何回も洗いました。
最初にしっかり洗わないと中に抗菌剤か何かが入っているそうなので洗うようにしました。
水をたっぷりかけるとどうなるかと言うと、こんな感じの泡が出てきたんですよ。
これ大丈夫かな、と思いますよね。
でもちょっと試してみようと思います。
最初は風で吹き飛ぶぐらい凄い軽いスポンジだったんですが、今は水を吸ってこんな感じになっています。
団粒構造が全然崩れないっていうのが、ひとつ特徴だそうです。
それから保水性が凄い高いです。
なので一気にかなり重たくなりました。
ちょっと使ってみます。
高設ベンチのプランターの様子
点滴チューブも準備ができまして、こんな感じになっております。
アクアフォームのところがこんな感じです。
こっちはピートモス主体ですね。
こんな感じです。
これももうちょっと経つと奥に見えているものぐらい大きく育ってくれると思います。
今はまだこんな感じに小さいです。
それから凄い簡単な支柱もとりあえず何とかなっていますね。
問題なさそうです。
いちごのランナーが発生
それから今、こんな風にランナーが伸びっぱなしになっています。
これは取るのを忘れたわけではなくて、あえて残しています。
これを使って苗を作るというわけでもないんですね。
ちょっとある実験をしたくてそのために残しています。
またその実験の様子は記事で紹介するかもしれません。
いちごの害虫の発生状況
それから虫の発生状況をちょっと見てみましょう。
こんな感じでアブラムシが発生しています。
後で農薬を散布しようと思います。
今回の栽培では有機JASの認証が取れている農薬だけで制御しようかなと思っていますので、そういった農薬を散布する予定です。
この葉っぱはめちゃくちゃ食べられてますよね。
これはよく見たら、ここに毛虫がいました。
これに食べられてます。
こういう毛虫とかイモムシに効く農薬もあるんですが、数が少ないので手で潰すだけにしようと思います。
数が多かったら、農薬散布しないといけないです。
いちごのカタツムリポットの育苗設備
育苗ゾーンもちょっとご紹介しておきます。
こんな感じです。
左側に袋栽培の親株が並んでいて、ここにカタツムリポットが並んでいます。
点滴チューブでタイマーで、自動潅水という感じです。
ちょっとずつ苗を取り始めてます。
こんな感じです。
ビニールハウスの中の環境制御機器
私は普段動画を撮影している時にはこの換気扇を止めているんですが、動画を撮影していない時は24時間こちらの換気扇はつけっぱなしです。
ハウスの中に溜まった熱を外に逃がすようにしています。
プラスしてこの天井、遮光ネトが張ってあります。
遮光ネットで出来るだけハウスの熱をあげない工夫もしてあります。
サイドはもちろん常に開けっ放しです。
入り口とかも開けっ放しです。
出来るだけ温度を下げる工夫をしております。
ここは長野県なのでさすがにやっぱり夜の温度は結構冷えます。
それが強みですね。
やっぱり関東とか近畿とかだと、どうしても夜の温度が高いんですよね。
その点、長野県・東北・北海道は夜の温度がググっと落ちるので、夏秋イチゴを栽培出来る理由です。
こんな感じになっております。
株の大きさが全然違うので、これから先どんな違いを見せてくれるのか、どんなメリットがあるのかとかも説明していこうかなと思っております。
こちらは私の実家の事業として行っているので、私はほとんど関与していないと言うか、母親がほとんど毎日世話をしてくれていて、月に1回ぐらいのペースで私が来て口を出すみたいな感じでやっております。
長野県の夏秋栽培の温度管理
温度を見てみると、今夕方18時です。
晴れの日の夕方18時。
6月上旬で21℃ぐらいですね。
スマホと連携させられるので、私が来るたびにここでデータを取っています。
毎日15分おきぐらいで温度と湿度のデータをずっと測定しています。
これ凄い安いんですよ。
Amazonで1,500円~2,000円とかそれぐらいで買える温度計を使っています。
IoTで色々流行ってやってると思うんですけど、すごく良いものでオススメなんですけれど、個人農家レベルだったらAmazonで売っている1,500円くらいの温度計で十分だと思います。
これもやってないっていう人は、とりあえずこれから始めるのがオススメです。
いきなり高い機械とか買うんじゃなくて、1,500円ぐらいの物から始めましょう。
いちごの養液栽培の廃液を使った野菜栽培
ここは高設ベンチでイチゴを育てていますが、この下で落ちた廃液を使ってイチゴと空心菜とモロヘイヤを育て始めました。
この廃液で再利用する栽培です。
SDGsですね。
環境配慮型ですね。
こんな風に廃液も、窒素分とか含まれているのでそれを利用する形でこちらの野菜を育てようと思います。
うまく育つと思います。
もう過去にいろんな野菜とかイチゴとかをこの高設ベンチの下の段で育てていたので、これもうまくいくと思います。
葉っぱが多少汚れちゃったりとかはすると思うんですが、まあ問題ないでしょう。
四季成り性イチゴの新しい花
それから新しい花も出ています。
こんな感じです。
これからまだまだ収穫ができそうです。
今6月上旬なので、この実の収穫は7月上旬ぐらいかな。
いちごの受粉方法(ミツバチ以外)
このビニールハウスはミツバチを一切使っていなくて、マルハナバチも使っていないんですが受粉はボチボチいい感じですよね。
多少変な形のものもあるんですが、だいたい綺麗に出来ているかなと思います。
今ちょうど後ろにハエが映っていますけど、ハエとかも意外と受粉をしてくれます。
ハエを受粉に使っている農園も最近出てきていますよね。
ハエを販売するベンチャー企業とかも出てきていますし、これからハエを使ったイチゴの受粉というのは、凄く多くなるわけではないけれどある程度数としては増えていくんじゃないかなと思っています。
夏秋イチゴだと、ミツバチなしでもまあまあ綺麗にはなります。
ただ綺麗な形をもっと確率として上げたいという場合にはやっぱりミツバチを使った方がいいです。
収穫した夏いちごの試食
せっかくなのでこのイチゴを食べてみようと思います。
変な形なので食べてもいいでしょう。
いただきます。
まあぼちぼち。
美味しい!っていうイチゴではないんですけれど、まあまあ甘くてぼちぼち酸味があるのでまあまあかな。
6月上旬なので。
普通の促成栽培のイチゴだと6月上旬ってなかなか無いんですよね。
特に西日本とかだともう栽培をやめていて、東北とかだったらまだ全然やっていると思うんですけど。
6月っていうのは入れ替わりの時期なので。
促成栽培の終わりと、夏秋栽培の始まりが重なる時期になるんです。
なのでこれぐらいの味ならぼちぼちですかね。
促成栽培の冬のめちゃくちゃ美味しい味と比べたらもう全然敵わないですけれど。
やっぱりどうしても5月6月でも、かなり促成栽培のイチゴの品質って下がってきているはずなので、甘さ・酸味・固さなどどうしても下がってきたところでこのクオリティだったらいいんじゃないかなと思います。
ただ夏秋イチゴも結局ここからまた品質が下がって行くので、ずっとこの味を維持できるのかって言われたらなかなか難しいと思うんですけれど、今食べた感じだったら夏秋イチゴの中では美味しいっていう風に思いますね。
促成栽培の美味しい時期と比べたら美味しいという風に言えないんですけれど、ぼちぼちだなーっていう感じです。
全然これで食べられないとか、練乳つけないと食べられないとかそんなレベルではないですね。
そんな感じでした。
糖度は測定するのがちょっと面倒くさいので、今回測定はしないんですが10ぐらいかな…11は絶対ないですね。
9とか10とかそれぐらいだと思います。
5月下旬にスーパーマーケットで安売りされているイチゴと同じか、それよりちょっと良いぐらいかなって感じです。
6月の夏秋イチゴ生育を紹介まとめ
今回は、実家で育てている夏秋イチゴの6月の様子をご紹介しました。
実が成っていたりとか、ランナーが出てきたりとか、こんな感じになっております。
多分もうちょっと経つと成り疲れといって収穫量が減ったりとか、一気に葉っぱの勢いが無くなったりとか、そういうことになると思います。
そうなったらまたその対策とか予防策とか、その辺もご紹介しようと思います。
こちらの動画でも紹介しています。