再生栽培中のパイナップルで悩みがあるので、熱帯フルーツに詳しい人に質問します。
- 再生栽培でパインを育てているけれど、うまく育たない
- いつ実ができるの?
- これからパイン栽培を始めてみたい人
という方におすすめの内容です。
今回、パイナップル栽培について教えてくれる人を紹介します。
けんゆーさんです。
けんゆーさんについて簡単に紹介します。
沖縄県でアボガドを中心に熱帯果樹を10種類くらい栽培しています。
露地とハウスでそれぞれやっていて、主にアボガド、島バナナ、マンゴー、スターフルーツ、アテモヤなど熱帯果樹を栽培しています。
こちらがけんゆーさんの動画です。
さっそくパイン栽培の相談を始めます。
再生栽培で実の収穫はできるか
私がいま再生栽培中のパインを持ってきました!
再生栽培で実の収穫はできますか?
可能です!
植え付けから2~3年とすごく時間がかかるので、不安になる人は多いと思いますが収穫できます。
根の成長がパインは遅いです。
葉が40~50枚になると花芽がつくと言われています。
再生栽培中のパインをちょっと数えてみると、今の葉は20~30枚です。
じゃあ、もうそろそろ……
ほんとに?笑
イチゴも種から育てると葉が何枚か出て、大きくなってから花芽ができるので似ているかもしれません。
バナナなど草本(草)に近いものは葉が展開してきて、その後に子孫を残せる状態になったら花芽がつきます。
リンゴで早く収穫できる?
パイナップルについて調べていたら、実をつけるのを早める方法としてリンゴから出るエチレンを利用して、リンゴとパインの株を密封しておくとエチレンで花芽が早くできる説を見ましたが、本当にそうなりますか。
厳密な答えは、試したことがないからわからないです。
そういう要因も無きにしも非ずで、ある論文によると沖縄のパイン農家でも花芽を早めるためにエチレン剤を使います。
そういった狙いでおそらく、リンゴはエチレンという植物ホルモンをたくさん出すので良いのかもしれないです。
試してみる価値はあるけど、絶対に花芽が出るとは言い切れません。
リンゴでやるのであれば、リンゴは1個ではなく3個以上置いた方が効果が現れそうです。
沖縄の方が早く収穫できる?
葉の枚数で花芽が決まるなら、沖縄は暖かいから生育が早いんじゃないかと思っていて、関東で育てている人よりも沖縄なら花芽ができるのも早くなりますか?
沖縄で栽培した方が、早く甘く上手に作れると思います。
温度管理をすれば本土でも大丈夫だと思います。
寒さには弱い?
冬は室内に入れて育てていますが、寒さは苦手ですよね?
パインは耐寒性が弱い植物なのでだいたい5度を下回ると枯れる恐れが高く、15度を下回ると成長が止まると言われています。
本土だと冬に成長が止まるので、その分収穫まで時間がかかります。
日本熱帯果樹協会 米本先生
米本先生は北海道に住んでいてマンゴーを栽培している方です。
熱帯果樹の先生なのに北海道に住んでるってすごいですね。
米本先生が書かれている「庭先でつくる トロピカルフルーツ」という本がすごく面白くて、熱帯果樹の育て方が34種類も紹介してあり、これにパインも書かれていています。
私も買って読みましたが凄かったです!
最適温度は?
パイナップルの生育適温は24~27度くらい。
けっこう高いですね。
あと、年間を通じて平均気温が20度くらいが最適。
沖縄の平均気温は22度なので、沖縄はパイン栽培に適しています。
年間20度の温度管理が出来たら最高です。
ここで、ちょっと部屋の温度を見てみましょう。
2月上旬の関東、午前9時の室温は10度です。
10度だと生育があまり進まないと思います。
夜間の最低室温は6~7度なので、枯れる心配はないでしょうか。
枯れる心配はありますが、1年くらいすると植物は順化といって、植えてからしばらく経つと環境に慣れます。
植えてから1年くらい経って10度以下の環境で育てていれば、順化して寒さに慣れています。
沖縄の気温は?
けんゆーさんがいる沖縄の今の気温は?
日中は24度くらいです。
(だからTシャツ1枚なのか…)
夜に冷え込むときも15度くらいだと思います。
沖縄は亜熱帯性気候です。
ぎりぎり四季があります。
雪が降らないので植物が育てやすいです。
沖縄なら冬越しに気を使わなくていいので、ほったらかしです。
アボカドを育てているんですけど、アボカドは0度や-2度で枯死すると言われていますが、沖縄はその心配がないので外にほったらかしです。
本土でアボカドを育てている人は防寒のため寒冷紗を巻いたり、部屋に移動させたり大変と聞いてて、沖縄は地理的メリットがすごいなと思っています。
水やりは毎日
潅水は毎日必要です。
直径30cmくらいの植木鉢だと、水の量は14mlと言われています。
めちゃくちゃ少ないw
このカップが180mlくらいなので、14mlはこれくらいです。
毎日ちょっとずつならそれくらいってことで、例えば水やりが1週間に1回とかだったら、土が乾いたら少し多めにコップ一杯くらいあげるといいかもしれません。
パインに最適な土は?
パイン栽培の土はどんなものが良いか。
他の野菜に使った、野菜用の園芸培土でも良いのか。
園芸培土でもいいけど…
植え付けて1年経ってみて、葉が白くなっていなければ問題はないです。
パインは酸性土壌を好む植物です。
ベストなpHは4.5~6.0くらい。
pHを測る機械があれば測ってみてください。
こちらは鹿沼土と赤玉土を使いました。
鹿沼土のpHは5.0くらい。
培養土の配合が難しいので、ホームセンターで売ってるブルーベリー栽培用の土がpH4.2くらいなので、ブルーベリー栽培用の土をそのまま使っても良いです。
野菜用の培養土は中性でpH6.0くらいで、パインにも大丈夫だけれどベストは酸性です。
pHが外れるとどうなる?
中性やアルカリ性の土だと生育障害が起きると言われていて、葉が曲がったり、白くなったりします。
微量要素欠乏と言って、pHが高いと微量要素が吸収されにくく、鉄や亜鉛が不足して葉が白くなります。
その解決方法として、ブルーベリーの土が使えるのはお手軽で嬉しいですね。
鹿沼土単体だとたぶん厳しいと思うので、培養土を自分でブレンドするのは難しいので、ブルーベリーの土はそのまま使えて楽です。
肥料は何をどれくらい?
“牛ふん”を入れています。
書籍とかによると化成肥料で説明されているところが多く、初心者の場合NPK10:10:10と書かれています。
ゆっくり効くタイプの肥料を使ってあげると良いかもしれません。
それを年間60gと書かれていました。
4ヶ月に1回、20gずつ。
外でパイナップルを育てている方なら牛ふん堆肥とかでも良いんですが、関東の人は冬に室内に入れるので、牛ふん堆肥を室内の植物に与えるのは抵抗のある人もいるかもしれません。
そうすると緩効性化成肥料を4ヶ月毎に、一つかみずつあげるのがやりやすいかなと思います。
補足ですが、牛ふん堆肥は堆肥化すれば臭くないです。
なので使いやすいですが、ちょっと虫が入ったりコバエが湧きます。
最初“牛ふん”を入れていると言ったのでびっくりしたかもしれませんが、完熟牛ふん堆肥を略して“牛ふん”です。
本物の牛ふんを使うわけではないです。
堆肥化した牛ふんが原料の肥料です。
完熟、分解、発酵したもの。
未熟な有機物がなく、臭いがしないものです。
牛ふんをそのまま使ったらヤバイwです。
病気や害虫は?
病気や害虫には比較的強いと言われております。
風や強い雨により感染するので、室内で育てるなら気にしなくていいと思います。
虫もつきにくいですが、ハダニとかカイガラムシなどが集まりやすいと言われています。
スーパーで売っているパインには全く付いていないけど、個人販売だと付いていることもあります。
どうですか?付いていますか?
(ヤバイものを見つけてしまった)
カイガラムシを見つけちゃいました。
秋までは外に置いていて、そのときから付いていたやつだと思います。
パインにいたカイガラムです。
白くて、足みたいなのが周りに生えています。
イチゴにもたまに付きます。
鉢の置き場所は?
春夏秋は屋外に置いていますが、雨で病気になりやすいということは雨が直接当たらない場所がいいですか?
強い雨が降る場合は避難させて、弱い雨なら気にしなくていいと思います。
直射日光か?半日陰か?
太陽に当てないと糖が乗らないので日光は必要です。
でも光が強すぎると果実が日焼けするので、強い日光は避けなければなりません。
パインは日陰耐性が強い方なので、室内でも育ちます。
果実ができたら適度な日光と、強すぎる直射日光は避けることがが必要です。
パインの実トリビア
冠芽は傘
パインは面白い構造をしていて、身の上にクラウンとか冠芽があります。
直射日光から果実を守る傘みたいな仕組みになっていて、上から来た光を遮る役割があります。
葉で雨を集める
葉が内側に曲がっていて、水が中央に集まる仕組みになっています。
真ん中が窪んでいて縁が高いです。
雨をたくさん集める構造になっています。
こちらの動画でも紹介しています。