パイナップルを再生栽培で無限に収穫する方法と注意点をけんゆーさんに聞いてみた(後半)【リボベジ】

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今回は、沖縄県で熱帯果樹の栽培をされているけんゆーさんにもご協力いただき、パイナップルを再生栽培で無限に収穫する方法と注意点について紹介します。

  • パイナップルの再生栽培ってどうやるの?
  • どんな品種を選べばいいのかわからない。
  • 何を準備すればいいの?

このような疑問や要望がある方は、ぜひ最後までお読みください。

目次

パイナップルの再生栽培の始め方のコツは?

まず、パイナップルを再生栽培するためには、冠芽を丸ごと取って、それを水に浸けておいて根が生えたら土に植えるというのが一般的な方法です。
その際に、下の方の葉を全部むしった方が根が生えやすいという意見もありますが、これについては取っても取らなくても問題ありません。
もし冠芽を水に浸ける際に、葉が邪魔でしっかり水に浸からなかったり、根が伸びるスペースがあまりない場合などは取ってしまったほうが良いでしょう。
但し、あまり葉をむしり過ぎるとその分傷口が増え、病気などの感染リスクも高くなるので注意が必要です。
使用する鉢の大きさはどれくらい?

鉢はできるだけ大きいものを使用しましょう。

理由としては、根っこの量が多くなるということや、大きい鉢で育てたほうが環境の変化を受けづらいということが挙げられます。

例えば、水が入ってきたときに鉢が小さいと一気に水が回ったりしますが、大きい鉢であればそれを防ぐことができます。

沖縄県で熱帯果樹の栽培をされているけんゆーさんの場合、9号鉢(直径27cm)を使用しています。

土の量は10~15リットル程度使用します。

小さい鉢を使用した場合、パイナップルの成長に合わせて植え替えをする必要がある可能性を考えると、最初から大きな鉢を使ってたっぷりの土で育てた方が手間もかかりません。

パイナップルの品種の選び方は?

パイナップルの品種を選ぶ際のおすすめは、美味しい品種です。

一言で美味しいと言っても、甘いのが好きな人もいれば、酸味が強いのが好きな人もいると思います。

例えば、甘いのが好きな人であれば、ゴールドバレルやサンドルチェ、ピーチパイン(ソフトタッチ)などの品種がとても甘くておすすめです。

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酸味が強い品種の場合、昔から沖縄では一般的に育てられているN67-10(別名:Nパイン、ハウスパイン、ハワイパイン)を選ぶと良いでしょう。

舌がヒリヒリするような酸味の強さが特徴です。

但し、基本的にパイナップルはお店で購入しても品種等の記載がされていないので、実際に購入して食べてみて、美味しいと思った品種を再生栽培に利用するのがいいかもしれません。

見た目で品種を判断するのも不可能ではないようですが、パイナップルの品種に関する知識や特徴を完璧に理解していないと難しいでしょう。

沖縄などの直売店などで販売されているパイナップルは品種の記載がある場合もあります。

パイナップルを収穫できる時期は?

パイナップルは夏に採れる作物です。

品種によって早生(わせ)や晩生(おくて)もあります。

収穫の早い品種で5月から7月、遅い品種は7月から9月が収穫時期の目安になります。

一般的に美味しいとされるのは晩生の品種が多いです。

沖縄でパイナップルを実際に購入する際は、9月にお店に行くと甘い品種に出会うことができます。

例えば、甘い品種の一つであるゴールドバレルは7月以降の少し遅い時期にお店に並び始めます。

パイナップルは種からも育てられる?

パイナップルの実にはたまに黒い小さな粒が入っていることがあります。

これがパイナップルの種です。

その種から実を育てることも可能ですが、パイナップルには親の遺伝的形質を引き継がないという特性があります。

そのため、よくわからない花粉が入ってくるなどして、種から育てても基本的には美味しくなくなると言われており、おすすめできません。

もちろん、たまたま美味しい品種が出来るという可能性もゼロではありませんが、宝くじに当たる確率ぐらい低い確率であることを覚悟しておきましょう。

パイナップルを早く収穫する方法

一般的にパイナップルの再生栽培をする時は、冠芽を使うと収穫まで2~3年かかります。

そこで収穫までの期間を早くする方法として、パイナップルが生育すると根本から生えてくる吸芽(きゅうが)を使用する方法があります。

バナナなどでもお馴染みですが、根本から新しい芽が展開してきたものがこの吸芽です。

吸芽は一株から大体一個程度発生します。

この吸芽を使って再生栽培を行うと、翌年には花が咲くと言われており、収穫までの期間をかなり短縮することができます。

そのため、パイナップルを大量に生産されている農家さんなどでは、クラウン(冠芽)はあまり使用せず、吸芽を使用しています。

パイナップルの栄養繁殖の話

吸芽を使って3年くらい再生栽培を続けると、実が小さくなるという話もあるようですが、水や肥料の管理をしっかりすれば、3年以上経っても通常通りの実を収穫することができます。

但し、2年目以降に収穫量が落ちる原因が、病気やウイルスの感染であれば苗を更新することをおすすめします。

肥培管理が原因で収穫量が減少しているのであれば、苗を更新しなくても、肥料や水、栽培方法を改善することで通常通りの収穫を得ることが可能です。

パイナップルの実のなり方

日本人の場合、パイナップルの実がどのようになっているかを知らないという人も実は結構多いのではないでしょうか?

パイナップルの実はとてもおもしろいなり方をします。

冠芽を使った再生栽培の場合、その冠芽の上側に新しい実がなって、その実から新しい冠芽が生えます。

その新しい冠芽を使って再生栽培をすることで、無限にパイナップルを栽培することが可能です。

ちなみにパイナップルの花は、小さい花が集まって咲く集合果と呼ばれるタイプのものです。

私たちが一つの実だと思っているパイナップルの果実は、実はその一つ一つのブロックが一輪の花で、私たちはその集合体を果実として食べているということになります。

ちなみに受粉する場合、一つ一つの花で行いますが、パイナップルは単為結果性と呼ばれる受粉をしなくても実がなる植物です。

沖縄のパイナップルの産地

日本国内でのパイナップル栽培のほぼ100%が沖縄と言われていますが、実は沖縄の中でも北部でしかパイナップル栽培はされていません。

東村や今帰仁村、名護市などが特にパイナップルの産地として有名です。

なぜ沖縄でも北部でしかパイナップルの栽培が行われていないかというと、北部の土壌に秘密があります。

沖縄の北部の土壌はは酸性の強い赤土が多く、別名「国頭マージ(くにがみマージ)」とも呼ばれています。

この国頭マージがないとパイナップルが生育しにくいとされています。

同じ沖縄でも南部に行くと、土壌は灰色っぽい「ジャーガル」と呼ばれるものが多く、アルカリ性が強くなりパイナップルを栽培することができないそうです。

一般的に日本の土は黒ボク土と呼ばれる有機物を多く含んだ黒い土壌を有している地域がほとんどです。

しかし沖縄のように紫外線が強い熱帯の地域の土は、養分が抜けてしまったり流れたりするため、酸性の強い赤っぽい土が多くなる傾向があります。

そのような赤い土のほうがパイナップルの栽培には適しています。

パイナップルを再生栽培で無限に収穫する方法と注意点についてのまとめ

今回は、パイナップルを再生栽培で無限に収穫する方法と注意点について紹介しました。

沖縄県で熱帯果樹の栽培をされているけんゆーさんにもご協力いただき、たくさんの情報をいただきました。

けんゆーさんのYouTubeチャンネルはこちらです。↓

https://www.youtube.com/channel/UCXDO2Ee1nVxZXi8l-fTIlgA

パイナップルの再生栽培に関する様々な疑問や注意点がお分かりいただけたのではないかと思います。

パイナップルは熱帯の植物の中でもかなり独特な実のなり方をする植物ですので、ぜひみなさんもパイナップルの再生栽培に挑戦し、ご自分の目で確かめてみてください。

動画でも紹介していますので、ぜひご覧ください。

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