家庭菜園向けの四季成り性いちご品種の育て方とメリット,注意点【苺を長く収穫できるので夏涼しい地域におすすめ】

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今回は家庭菜園向けの四季成り性イチゴの育て方について紹介したいと思います。

  • 四季成り性イチゴってなに?
  • どんな品種があるの?
  • 四季成り性イチゴだと一年中イチゴを収穫できるの?

という疑問をお持ちの方におすすめの内容です。

ホームセンターに行ってイチゴの苗を買おうと思うと、四季成りって書いてある品種が最近増えてきましたよね。

ただ四季成りのことをあんまりよくわかっていなかったり、逆にちょっと誤解して考えてしまっている方がいるんじゃないかなと私はちょっと心配になっております。

なので今回は、四季成り性イチゴについて詳しく説明をして、家庭菜園の方向けにどんな品種がいいのか、どんな点に注意しなければいけないのか、どういう人におすすめなのか詳しく説明をしたいと思います。

目次

四季成り性イチゴとは?

そもそも四季成り性イチゴって何なのっていう点をご説明します。

四季成り性イチゴというのは、温度と日長時間の花芽分化に対する反応が普通の一季成り性イチゴとは違う品種のことを指す言葉です。

今の説明だと難しいと思うのでできるだけ簡単にいうと、花ができる仕組みが普通の品種とは違う品種。

このように考えてみてください。

まずイチゴという大きな分類があって、その中で一季成り性イチゴと四季成り性イチゴの二つに大きく分かれます。

一般的にイチゴっていうと、この一季成り性イチゴのことを指しますが、少しだけ四季成り性イチゴという品種もあります。

今回はこちらの四季成り性イチゴについて詳しく説明していきます。

日長時間と日照時間、日射量の違い

それから日長時間と言いましたが、日長時間は日照時間や日射量とは別のものです。

日長時間は日の出から日の入りまでの太陽が出ている時間のことをいいます。

日照時間は太陽の光が降り注いでいる時間です。

たとえば雨が降っていたら日照時間は短くなりますし、晴れていれば日照時間は長くなります。

ただ日長時間というのは晴れや雨や曇りは関係なくて、太陽が何時何分に日の出をして何時何分に日の入りをするのかが関係してきます。

日射量というのはその時に降り注いでいる光の強さのことです。

光に関してはいろんな単位や考え方があってややこしいんですが、四季成り性イチゴの話をする時には日長時間が影響してくるので、その点を日照時間とか日射量と勘違いしないように注意してください。

四季成り性イチゴはタイプの名前

四季成り性イチゴというのはそのような品種があるわけではなくて、四季成り性イチゴというタイプのいろんな品種があるということです。

たとえばどんな品種があるのかというと、私が学生の頃に研究していた信大BS8-9という品種も四季成り性品種でした。

それから信大BS8-9の親に当たるサマープリンセスという品種も四季成り性品種でした。

ただスーパーマーケットでよく売っているとちおとめ、あまおう、紅ほっぺ、章姫、さがほのか、この辺りの品種は全て一季成り性品種です。

スーパーマーケットで売られているイチゴの99.9%ぐらいは一季成り性品種です。

四季成り性品種は商業的には夏から秋の間に収穫されるので、夏秋イチゴとも呼ばれています。

夏秋イチゴは作型の分類です。

作型は、いつ植え付けをしていつからいつまで収穫をするのかを表す言葉になります。

夏秋イチゴに使われているイチゴのほとんどすべては四季成り性品種です。

この夏秋イチゴというのはスーパーマーケットで販売されることはほとんどなくて、ケーキ屋さんなどの業務用として販売されています。

なのでみなさんが夏の間にケーキ屋さんに行って食べたケーキにイチゴが使われていたら、その何割かは夏秋イチゴです。

ただ大体は輸入イチゴです。

なので日本で出回っているイチゴのおそらく1%~数%ぐらいしか四季成り性のイチゴは出回っていません。

それぐらい非常に珍しいタイプです。

ワイルドストロベリーとの違い

四季成り性イチゴと聞くと、ワイルドストロベリーを頭に思い浮かべる方もいると思います。

四季成り性イチゴとワイルドストロベリーは全く違うものです。

この点を注意してください。

そもそもイチゴとワイルドストロベリーは仲間ではありますが、違う植物です。

イチゴとワイルドストロベリーで大きく分かれて、このイチゴの中で一季成り性タイプと四季成り性タイプに分かれます。

なぜワイルドストロベリーと四季成り性イチゴがよくごっちゃにされるかというと、このワイルドストロベリーというイチゴも四季成り性を持っているからです。

この四季成り性というのはイチゴにだけ使われる言葉ではなくて、他のいろんな農作物とか花でも使われる言葉です。

四季成り性というのはその花がどうやってできるのかを分類する時に使う言葉なので、このワイルドストロベリーと四季成り性のイチゴは仲間ではありますが全く別のもので、どちらも四季成り性です。

四季成り性のワイルドストロベリーと四季成り性のイチゴがよくごっちゃになっている方がいらっしゃいます。

それからホームセンターとか種の販売をするところでも「四季成り性イチゴ(ワイルドストロベリー)」みたいな感じで販売をされていることもあるので、混乱を招いているんじゃないかなと思います。

今回の記事ではワイルドストロベリーではなくて、普通のイチゴの四季成り性のタイプのものを説明します。

四季成り性イチゴの栽培スケジュール

次に家庭菜園で育てる場合、どのようなスケジュールで四季成り性のイチゴを育てるのか説明します。

普通の一季成り性のイチゴですと、秋に苗を植え付けてその翌年の春に収穫するというスケジュールで動きます。

ただ四季成り性の場合には、その年の春に苗を植え付けて春の終わりぐらいから収穫が始まって夏から秋まで収穫は続きます。

そして冬に一度収穫はストップして、翌年の春からもう一度収穫が始まるという流れになります。

それからどのようなタイミングで苗を増やすかですが、春の終わりぐらいから秋までずっとランナーが出てきます。

そのどのタイミングでも苗を作っていただいて構わないですが、基本的には夏の終わりから秋ぐらいに苗を作って、それを秋のうちに植え付ける。

もしくは苗のまま越冬させて翌年の春に植え付けるのがいいと思います。

四季成り性イチゴの品種

次は品種について説明します。

四季成り性のイチゴの苗を買いたいと思ったらホームセンターもしくはネット通販で購入されると思います。

その時の簡単な見分け方は、その品種のラベルとか説明書きに「四季成り」と書いてあることです。

だいたいどこのお店でも四季成り性の品種については四季成りというラベルやPOPが書いてあると思います。

家庭菜園で育てる時にオススメの四季成り性品種ですが、四季成り性品種の中で非常に収穫量が多かったり味が美味しい品種は家庭菜園向けには販売がされていないので、正直これが一番オススメですという品種は今のところありません。

ただそうは言っても、いくつか品種があるのでご紹介をしたいと思います。

サマーベリー

たとえばサマーベリーという品種、これは四季成り性イチゴの中でもかなり歴史が長い品種でして昔からよく育てられていました。

まず四季成り性品種の一番基本的なものを育てたいと思った方はサマーベリーがいいんじゃないかなと思います。

UCアルビオン

それからUCアルビオンという品種もあります。

UCアルビオンはアメリカの品種です。

私も昨年UCアルビオンを育ててみたんですが、その実を食べてみたところあんまり美味しくありませんでした。

ただ他の品種と一緒に育ててみたんですが、あんまり虫がつかなかったです。

なので虫がつきにくいんじゃないかなと思っております。

あまり害虫対策をしたくないとか、虫に悩まされたくないという方はアルビオンも一つ候補に入れてみてください。

トスカーナ

それからトスカーナという赤い花を咲かせる四季成り性のイチゴもあります。

私も今それを育てています。

花が赤くて本当に綺麗なので観賞用としても楽しめてオススメです。

エンジェルエイト(天使のいちご)

それからエンジェルエイトという品種もあります。

エンジェルエイトは白いイチゴでして、四季成り性を持っています。

品種名とは別のブランド名は「天使のいちご」という名称です。

なので白いイチゴを育てたいなと思っている方には、このエンジェルエイトがオススメです。

新しい商品名の品種

それからホームセンターとかネット通販を見ていると四季成り性の品種で毎年新しい商品名の品種が出てきています。

それを見ると、新しい品種が出たからきっと新しい方が古い品種よりもいいはずだと思って購入される方がけっこういると思います。

でも実はそれって新しい品種の可能性も少しはあるんですが、ほとんどが品種登録の期限が切れた非常に古い品種です。

非常に古い品種は品種登録の期限が切れて権利がフリーになるので、いろんな苗屋さんが独自の商品名を付けて販売することができるようになります。

なので新しい名前のイチゴの苗っていうのは、実はすごく古い品種という可能性がけっこう高いです。

この点は一つ注意してください。

よつぼしは四季成り性か?

それからもう一点注意点がありまして、よつぼしという品種についてです。

ちょうどここによつぼしがあります。

このよつぼしという品種を四季成り性という風に言って販売している方もいらっしゃいます。

たしかに四季成り性にかなり似た特徴ではあるんですが、正確に言うと四季成り性とはちょっと違うと思っています。

その点は気を付けてください。

よつぼしの場合、おそらく条件によっては夏の間に花が出ないということもあると思います。

四季成り性イチゴの育て方

四季成り性イチゴの育て方は、ほとんど一季成り性イチゴと同じで構いません。

プランターに植えたり、植木鉢に植えたり、畑に畝を作って植えたりといった方法で大丈夫です。

肥料のやり方や水やりの仕方も一緒で大丈夫です。

四季成り性イチゴのメリット

四季成り性イチゴのメリットは、収穫できる期間が非常に長くなります。

日本の気候でしたら、春から秋までずっと収穫ができます。

それから冬の間も暖房とか保温をしてあげれば収穫ができます。

なので四季成り性という名前の通り、環境さえ整えてあげれば一年中収穫ができます。

四季成り性イチゴのデメリット

四季成り性イチゴのデメリットは、まずあまり良い品種がないことです。

イチゴは品種改良が非常に進んでいますが、それはあくまでも一季成り性品種の話です。

四季成り性品種の品種改良はまだまだ進んでいません。

商業的な農家の方向けの品種も、良い品種というのは非常に少ないです。

家庭菜園向けの品種となると、本当にあまり強くオススメできるものがないような状況です。

それから夏にイチゴを収穫しようとすると、どうしても甘さが弱くなってしまいます。

なので冬に採れるイチゴってすごく甘くて美味しいんですが、夏に採れるイチゴは冬のイチゴと比べたらどうしても甘くなくてあまり美味しくないとなります。

それから実の大きさも一緒です。

寒い冬に採れるイチゴは実が非常に大きくなりますが、気温が高い夏に収穫できるイチゴは実が小さくなってしまいます。

育てるのをオススメしたい人

四季成り性イチゴを育てるのをオススメする方をいくつかご紹介します。

できるだけ長い期間収穫したい方

まずイチゴをできるだけ長い期間収穫したいという方。

このような方は四季成り性の品種を選んでいただきますと、春の終わりぐらいから秋まで長い期間収穫が楽しめます。

一季成り性の品種を選んでしまうと春から初夏ぐらいまでのほんのわずかな期間しか収穫ができません。

夏から秋にイチゴを収穫したい方

それからイチゴがなかなかスーパーマーケットで販売されなくなる夏から秋の期間にどうしてもイチゴを収穫したいという方にもオススメです。

北海道、東北、長野県にお住まいの方

もう一つは、北海道や東北や長野県、もしくはそれ以外の地域でも標高が高い地域に住んでいる方です。

そのような地域は夏の気温が比較的低くて涼しいですよね。

そうすると夏のイチゴの栽培に向いているので、四季成り性品種を育てるのがオススメです。

一般的に北海道、東北、長野県、それから標高が高い地域の方は家庭菜園をやられている時に非常に苦労されていると思います。

春とか秋の気温が低くてあまり上手く育てられなかったり、収穫期間が短くなってしまったり、寒さで苗が枯れやすいなどいろんなトラブルがあると思います。

ただそのような寒い地域にお住いの方の方がこの四季成り性品種というのは育てやすくなるので、そのような方にぜひオススメしたいです。

四季成り性イチゴを育てるのをオススメしない人

それから四季成り性のイチゴをオススメしない方もいます。

暑い地域に住んでいる方

どんな方かというと、暑い地域に住んでいる方です。

たとえば九州とか西日本、もしくは盆地で夏の暑さが非常に厳しい地域にお住いの方です。

そのような条件だとなかなか四季成り性品種であっても育てにくいですし、なかなか実ができない、実ができたとしても本当に美味しくない、実が小さいという可能性が出てきます。

大粒で甘いイチゴを収穫したい方

それからイチゴを育てるのであれば、せっかくなら大粒で甘いイチゴを収穫したいと思っている方にも四季成り性品種はオススメできません。

植物工場でイチゴを育てている方

ミニ植物工場などの環境を完全にコントロールできる条件でイチゴを育てている方にも四季成り性品種はオススメしません。

四季成り性品種という名前から一年中収穫できるイチゴを、ミニ植物工場のようなものから一年中収穫できる環境を想像されてこの二つを組み合わせることで、一年中イチゴが収穫できるからきっと相性がいいはずだと考えられる方が多いですが、私はオススメをしません。

なぜかと言うと、ミニ植物工場のように環境を完全に整えられるのであればわざわざ四季成り性品種を育てなくても一季成り性品種を育てられるからです。

一季成り性の品種は、温度が低かったり日長時間が短くないと花を作ってくれなくて実が収穫できないので普通に日本の外で育てると初夏ぐらいから秋ぐらいまで花が作れなくて実が収穫できなくなります。

ミニ植物工場のような環境を整えてあげれば一季成り性イチゴであっても一年中収穫することが可能です。

一季成り性品種と四季成り性品種を比べると一季成り性品種の方が味が美味しい品種がたくさんいっぱいあるので、わざわざこのあまり味が美味しくない四季成り性品種を選ぶ必要はないと思います。

四季成り性いちごについてまとめ

今回は家庭菜園向けの四季成り性品種の育て方、特徴、メリットデメリット、オススメする方などを詳しく説明しました。

四季成り性品種は全員にオススメできるものではないですが、四季成り性イチゴを育ててみたいなと思った方も多いと思います。

四季成り性イチゴを育てる場合には、春ぐらいに苗を植え付けるとちょうど良いです。

もしくは秋に植え付けて翌年の春から収穫でもOKです。

まだ四季成り性品種を育てたことがない方はぜひ四季成り性品種を育ててみてください!

こちらの動画でも紹介しています。

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