実はいちごは育てるのが簡単なので、初心者の方におすすめの作物です。
- いちごを育てるのは難しそう…
- 地面かプランターのどちらに植えるのが良いの?
- どの品種がおすすめ?
- 肥料と水やりはどのくらいの頻度?
- 苗はどうやって増やしたら良いのかわからない…
という疑問をお持ちではありませんか?
そこでこの記事ではそんな家庭菜園でいちごを育てたいというお悩みを、プロの観点から解決します。
具体的には、
- おすすめの品種
- 栽培スケジュール
- 育て方とコツ
- 苗を増やす方法
の順番にご紹介していきます。
3分くらいで読めますし、初心者の方でも実践できる簡単な方法なので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
初心者におすすめのいちご品種
性質が異なる二つのいちご
- 一季成り性品種
- 四季成り性品種
実はいちごには二つの種類があることを知っていましたか?
一季成り性品種は、冬から春にかけてスーパーマーケットで販売されています。
四季成り性品種は、夏から秋にかけてケーキ屋さんでケーキに使われています。
「とちおとめ」のような有名な品種は一季成り性品種ですが、家庭菜園の初心者の方におすすめなのは四季成り性品種です。
なぜかというと、四季成り性品種は春から秋にかけて長い期間、収穫ができるからです。
初心者向けのいちご品種
- 一季成り性品種はとちおとめ
- 四季成り性品種は純ベリー2
一季成り性品種は、とちおとめがおすすめです。
おすすめする理由は、知名度が高く、栽培も比較的簡単で、味も美味しいからです。
四季成り性品種なら、純ベリー2はいかがでしょうか?
純ベリー2は一昔前に東京で生産されていた四季成り性品種です。
苗を買うおすすめのお店
- ホームセンター
- ネット通販
苗を買う場所は、ホームセンターかネット通販がおすすめです。
ホームセンターなら、自分の目で苗の状態を確かめて、状態が良い苗を選べます。
良い苗の見分け方は、根の色が白くポットの底まで根が到達しているものです。
ネット通販なら、いろんな品種が選べますが、苗の状態を確認できません。
いちごの栽培スケジュール
いちごの栽培スケジュールを紹介します。
畑の土の土壌改良やプランターや培養土を買いましょう
ホームセンターかネット通販で苗を買って、植えましょう
追肥や水やり、古い葉を取り除きましょう
花に人工授粉をしましょう
実を収穫しましょう
苗を作りましょう
苗を植え付ける時期は春か秋
- 春(3月、4月、5月、6月)
- 秋(9月、10月)
家庭菜園でいちごを植える時期は、春か秋がおすすめです。
春に植えた場合には、初夏に実が収穫できるかもしれません。
春に苗を植えれば、夏の間に苗を増やすこともできます。
夏に植えると、暑すぎてうまく育たない危険性があります。
秋に植えた場合には、その年には収穫できませんが、翌年の春に収穫できます。
冬に植えると、寒すぎてうまく育たない危険性があります。
収穫できる時期は春から初夏
- 春(4月、5月)
- 初夏(6月)
- 夏から秋(四季成り性品種のみ)
一般的に家庭菜園でいちごが収穫できる時期は、春から初夏にかけてです。
しかし、それは一季成り性品種を育てた場合。
四季成り性品種を育てれば、春から初夏だけでなく、夏から秋にかけても収穫できます。
実はいちごは冬の間も収穫できますが、そのためには暖房器具を使って温度を高く保たないといけません。
苗を増やす時期は夏から秋
- 夏(8月)
- 秋(9月、10月、11月)
いちごの苗を増やす時期は、夏から秋にかけてです。
いちごはランナーと呼ばれる子苗を出すので、それを使って苗を作ります。
その苗を使えば、翌年はもっとたくさんの苗を育てられますよ。
苗を増やす方法は、最後にご説明しますね。
いちごの育て方とコツ
苗を植える場所
- 庭や畑の地面に植える
- プランターに植える
家庭菜園でいちごを育てる場合には、地面かプランターで育てるのが一般的です。
どちらでも育てられますが、プランターの方が簡単なのでおすすめします。
地面に植えるときの準備
- 前年に土の病気が発生していたら土壌消毒
- 苦土石灰で土壌のpH調整
- 元肥として完熟堆肥か化学肥料を散布
- 耕す
- 畝立て
- ビニールマルチを張る
地面で育てる場合には、土作りをしないといけません。
もし前年に土の病気が発生していたら、土壌消毒をしましょう。
日本の土壌は酸性のことが多いので、苦土石灰を散布してアルカリ側へ近づけましょう。
いちごの根が好むpHは弱酸性です。
肥料は完熟堆肥か粒状の化学肥料がおすすめです。
畝立てをすることで、水はけが良くなって作業もしやすくなります。
ビニールマルチを張ると、泥の跳ね返りがなくなり、土の水分が一定に保て、雑草も生えなくなります。
プランターに植えるときの準備
- プランターに鉢底石を入れる
- 鉢底石の上に培養土を入れる
- 培養土に元肥が含まれていなければ、完熟堆肥か化学肥料を入れる
プランターに植える場合には、鉢底石と培養土を入れるだけでOKです。
もし培養土に元肥が含まれていなければ、完熟堆肥か化学肥料を入れましょう。
地面で育てるよりもプランターで育てる方が楽なので、特に初心者の人におすすめです。
苗を買ってからの管理
- 根の量をチェック
- 水やりをする
根の量をチェック
ホームセンターかネット通販で苗を買ったら、まずは根の量をチェックしましょう。
いちごは根の量で植えるタイミングを判断します。
根鉢(ねばち)といって、ポットの底に根がグルグルと回っていたら、植え付けに最適です。
根の量が少なかったり、まだ底に到達していなかったら、もう少しポットのまま生育させましょう。
水やりをする
ポットは土の量が少ないので、乾きやすいです。
表面の土が乾いたら、ポットの底から水が溢れるまで水を与えましょう。
苗を植えるときのポイント
- 根鉢を崩さない
- 深植えは厳禁
- 苗を植える向きに注意
根鉢を崩さない
苗を植えるときには、苗を抑えながらポットを逆さまにして、苗をポットから抜き取ります。
このときに根が張った土を、できるだけ崩さないようにしてください。
なぜかというと、根に傷がつくとそこから病原菌が入りやすくなるからです。
深植えは厳禁
いちごの苗を植えるときには、深植えに注意しましょう。
深さの目安はポットの土と同じ高さです。
ポットの土よりも高く土をかけると、クラウンと呼ばれる茎が腐ってしまいます。
逆に植え付けが浅すぎると、今度は根が乾燥して根の生育が悪くなってしまいます。
苗を植える向きに注意
いちごの苗は、伸びていく方向が決まっています。
まずは、親株と繋がっていたランナーの切り残しを見つけましょう。
その切り残しの反対側に伸びていき、伸びていく方向に実がなりやすいです。
なので、切り残しの反対側を通路に向けると、収穫がしやすくなります。
もし切り残しが見つからなかったら、好きな方向に植えても大丈夫ですよ。
苗を植えた後の世話
- 水やり
- 追肥
- 葉かき
- わき芽取り
- ランナー取り
- 摘花
- 収穫
- 保存
- 食べ方
- 病気と害虫対策
水やり
プランターの場合には、土の表面が乾いたら水を与えましょう。
水を与えるときには、プランターの底から溢れるまで与えてください。
地面に植えている場合には、基本的には水やりは必要ありませんが、植えてから数日間と雨が極端に少ない場合にはジョーロで水をあげましょう。
追肥
春に植えた場合には、夏と秋に追肥をしましょう。
秋に植えた場合には、翌年の春に追肥をしましょう。
追肥には完熟堆肥か粒状の化学肥料がおすすめです。
葉かき
古い葉には病原菌や害虫が隠れているので、取って捨ててください。
一番外側に付いている葉を持って、左右に揺すってみてください。
もし簡単に取れたら老化している証拠なので取ってください。
左右に揺すっても取れなければ、まだ光合成をしている葉なので取らずに残してください。
わき芽取り
いちごは最初は芽が一つしかありませんが、次第にわき芽が生まれて芽の数が増えていきます。
わき芽が多いほうが収穫できる実の数が多くなりますが、実が小さくなったり病気や害虫が発生しやすくなります。
なので、芽の数は一つの株に3〜5芽くらいがおすすめです。
それ以上の芽が付いていたら、小さな芽から順番に取ってみてください。
ランナー取り
苗を増やしたい場合には、ランナーは取らずに伸ばしましょう。
しかし、苗を増やしたくない場合には、ランナーは株の根元から取ってしまいましょう。
ランナーは株元からまっすぐ引っ張っても取れますが、たまに株ごと引き抜けてしまうので、ハサミを使った方が安全に取れます。
摘花
いちごの花を摘花しても、その実は大きくはなりません。
しかし、その次に出てくる実が小さくなりにくくなります。
一季成り性品種は一回か二回しか収穫できないので、摘花をする必要はありません。
四季成り性品種は収穫が続くので、小さな花は摘花しましょう。
収穫
実がヘタの間際まで赤くなったら、収穫しましょう。
一日の中で早朝がもっとも糖度が高く、果実も傷みにくいので、できれば早朝に収穫してください。
保存
収穫した実は常温では痛みやすいので、すぐに冷蔵庫に入れて保存しましょう。
冷蔵庫で保管すれば数日間は鮮度が維持できます。
ただし冷蔵庫から出してすぐに食べると、実が冷たすぎて舌で甘さを感じにくいです。
なので、食べる30分ほど前から冷蔵庫から外に出して、少し温度を上げておきましょう。
食べ方
いちごの実は先端がもっとも甘く、ヘタに近づくほど糖度が下がります。
甘さをすぐに感じたい人は、実の先端から食べましょう。
甘さを最後に感じたい人は、ヘタの方から食べましょう。
いちごは果実の断面が美しいので、横からかじって食べるのもおすすめです。
病気と害虫対策
問題になりやすい病気は、うどんこ病、灰色かび病、根腐れ病、炭そ病、萎黄病です。
問題になりやすい害虫は、アブラムシ、ハダニ、ホコリダニ、アザミウマ、ナメクジです。
いちごの苗を増やす方法
- 親株からランナーを伸ばす
- ポットに培養土を詰める
- ランナーをポットに固定する
- 根が生えたらランナーを切り離す
- 種苗法に注意
親株からランナーを伸ばす
まずは親株を畑かプランターに植えて育てましょう。
親株からランナーが生えてきたら、そのままランナーを伸ばしておきます。
いちごは一本のランナーから、3〜10個くらいの苗が作れます。
ポットに培養土を詰める
直径8cmほどの黒ポリポットを用意して、そこに培養土を8分目まで詰めます。
培養土は野菜栽培用のもので構いません。
ランナーをポットに固定する
クリップかビニタイを使って、Vの字の固定器具を作ります。
その固定器具を使って、ランナーに発生した子苗の根元をポットの培養土に固定します。
週に一回くらいの頻度で、ポットに水をかけてください。
根が生えたらランナーを切り離す
ポットに固定したランナーから根が生えてきたら、ランナーを切り離します。
切り離した後は、普通の苗と同じように水やりをしてください。
種苗法に注意
家庭菜園では、品種登録された品種でも品種登録の期限が切れた品種でも、自分で育てるために苗を増やしてOKです。
しかし、増やした苗を有料で販売することは、品種登録された品種でも期限が切れた品種でも、禁止されています。
また品種登録の期限が切れた品種の場合には、無料での譲渡に限り認められています。
それから、実を販売すると家庭菜園ではなく農家というカテゴリになり、種苗法の適応が変わるので注意しましょう。
いちごの育て方まとめ
今回は家庭菜園の初心者向けのいちごの育て方を紹介しました。
家庭菜園でいちごを育てると、完熟した甘くて美味しいいちごを食べられます。
苗作りも簡単にできるので、ぜひいちご栽培に挑戦してみてください。