プランターでイチゴを育ててみませんか?
プランターを使えば、ベランダや庭でも美味しいイチゴが食べられますよ。
家庭菜園でイチゴを育てる方法
私は本業は農業部門のコンサルタント業をしています。
日本とか海外でイチゴ栽培を指導しているんです。
いちごに関しては世界トップレベルの技術があると思っています。
なので今回はその技術を活かして、家庭でも簡単にいちご育てる方法をご紹介したいと思います。
イチゴ栽培に必要な培養土
まず必要なものなんですけれども、まず当たり前ですがイチゴの苗が必要です。
それから土です。
ここに用意したのは、野菜と花の園芸培土と呼ばれるものです。
これはホームセンターとかに行ったりとか、100円ショップとかでも手に入ります。
市販の野菜とかいちご用の培土といわれている物を使うのがオススメです。
ただ今回は、これだけではなく別のものを使います。
今回私が用意したのは、ピートモスという土です。
ピートモスとは?
ピートモスは何かというと、もともとは水苔が堆積してできたものです。
それをね農業用に使ってます。
なんで土意外にこういうものをわざと使うかというと、これの方が品質が安定していて肥料とか水持ちが良くて、さらに病原菌に一切感染していないからなんです。
これだけだと水持ちが良すぎるんです。
水はけが悪いです。
水はけを良くするためにこの2つの資材を使います。
水はけの改善に使うもの
これがパーライトと呼ばれているものです。
これがバーミキュライトと言われているものです。
この2つとも、水はけをよくするためによく使われています。
パーライトに関して言うと、軽くて水はけを良くしてくれるすごい優れたものです。
ただちょっと値段が高い。
バーミキュライトは水はけを良くしてくれるし、でも意外とに水持ちも良い。
しかも値段が安いのでかなり使える資材です。
どちらも100円ショップとか園芸資材のお店で買うことができます。
今回はピートモスとパーライトとバーミキュライトを合わせて、イチゴ用の土を作ります。
イチゴの苗
今回植える苗はこちらのイチゴの苗です。
12株購入しました。
私はインターネットを使って苗を購入しました。
インターネットでアマゾンとか楽天でも購入出来るし、ホームセンターでも購入できます。
いろんな品種があると思うんですけれども、いくつかの品種を育てて比べるのは面白いんじゃないかなと思います。
おすすめの品種としては紅ほっぺ、とちおとめ。
そのあたりの品種は育てやすいですし、味も美味しくて家庭菜園に向いています。
他にも色んな品種いろんな商品名で売っているので、いろいろ育ててみてください。
苗を植える前の作業
育てる前になんですけれども、まずはこの苗の古い葉っぱとかあとは雑草が生えていたりしたら、これをきれいに取りましょう。
綺麗な状態にしてから植えるのがオススメです。
この苗を見てみてください。
例えばこの枯れた古い葉っぱがありますよね?
こういうのはそのままにしておかずに、こうやって取って捨てましょう。
それからここに雑草が入ってますよね。
これもこのままにしておくとよくないのでこうやって取ります。
苗をある程度綺麗にしてから植えるようにしてください。
プランター
今回使うのは、細長いプランターです。
栽培容器は実際はなんでもいいです。
細長いプランターでもいいですし、丸い植木鉢でもいいですし、例えば発泡スチロールの箱の底に穴を開けたようなものでも構いません。
ただ注意してもらいたいのが必ず底に穴をあけること。
水やりをした時に余分な水は底にある穴から外に出て行くことができます。
もしもこうやって横に穴がなかったりとか、中敷きがない場合には必ず容器の底に穴をいくつか開けてください。
そうしないと余分な水が外に流れていることができなくて、水気が多すぎて根が腐ってしまいます。
なので必ずこうやって中敷きを敷いて、横に穴を開けるか、容器の底に穴を開けてください。
こういう園芸用のプランターを購入すれば、必ずどちらかの処理がされていて便利なのでオススメです。
植木鉢でも大丈夫です。
野菜用の培養土
イチゴだけではなくていろんな花とか野菜を育てるときに、「土をわざわざ作るのが面倒くさい」という方には、こういう園芸培土とがおすすめです。
農業系のプロの人が花や野菜の栽培に適した割合で、いろんな土を配合していてほとんどの土が肥料を少し入れてあります。
このまますぐに野菜を育てることができます。
どんなものが入っているかと言うと、たぶん5種類ぐらいの培地をミックスしてちょうど野菜の栽培に適した配合にしてくれてあります。
農業資材のお店とか100円ショップとかインターネットとかを通じて、野菜用の園芸培土を購入して使うのがおすすめです。
とても簡単に育てることができます。
オリジナルの培養土作り
今回私が使用する土を紹介したいと思います。
まずはこれがピートモスです。
ミズゴケが堆積したもので、カナダとかあとは北欧の方から輸入されているものが多いです。
それからこれがパーライト。
すっごい軽いです。
それからこれがバーミキュライト。
これも軽いです。
今回はこの3つの培地を1:1:8ぐらいの割合で混ぜます。
パーライトが1、バーミキュライトが1、ピートモスが8ぐらいの体積比です。
今は1対1対1ぐらいの量があるんですけれども、業務用のピートモスを購入してあるので、これを混ぜて1対1対8ぐらいの割合にします。
なぜかというと、本当はピートモスだけでも栽培ができるんですよ。
非常に肥料持ちもいいし、水持ちもいいです。
ただ、水はけが悪くて気をつけないとな根腐れを起こしてしまうので、それを防ぐためにこちらの2つのもので水はけと通気性を補ってあげます。
ピートモス主体の培地作りをしていきます。
肥料(元肥)
それから今回は最初に培地を作るときには、肥料分は入れません。
あとで苗を植えた後に置き肥で肥料をあげたいと思います。
これを混ぜていきます。
こうやって培地をやるときには、ブルーシートを敷くと地面が汚れないので便利です。
ない人は新聞紙を広げてもOKです。
土を混ぜ合わせる
今、土のブレンドが終わりました。
こんな感じですね。
だいたい1:1:8くらいの割合になったんじゃないかなと思います。
そこまで厳密じゃなくてもOKです。
それからピートモスは結構こうやって木のクズとかが入ってることがあるんですよ。
こういうのはできれば外しておいてください。
それから塊とかがあったら手でほぐしてください。
ここに今水をかけたりするのはやめてください。
なぜかっていうと、これからプランターに入れるのであまりここで水で濡れているとやりづらくなってしまうからです。
この時の土をこれくらい乾燥していてOKです。
結構いい感じな土ができたんじゃないかなと思います。
これをプランターに入れていきます。
プランターを使うときに、この底に軽石とか発泡スチロールを砕いて底用の鉢底石して使う場合があります。
そうした方が排水性が良くなるので根腐れを防げるんですよ。
ただ今回は中敷きを使っているタイプのプランターなので、このままこの土を入れていきます。
もしこういう中敷きを使っていないタイプのプランターの場合には、発泡スチロールをちょっと砕いて入れたりとか、軽石を入れたりしてみてください。
入れていきます。
だいたい7分目ぐらいまでプランターに土を入れました。
こんな感じです。
じゃあ苗を植えていきましょう。
苗を植える
大体これぐらいの間隔で植えるのがいいかなと思います。
この長さのプランターなら2株、もしくは3株ですね。
今回私は3株植えたいと思います。
だいたい15センチから20センチぐらいは苗の間隔を取りたいですね。
3つでもいいし、2つでもいいかなと思います。
苗を植えるタイミング
だいたい苗を買うとこういうポットに入って届くと思います。
これを植えるタイミングというのがあって、こうやって根っこが底にぐるぐるとまわった時。
こういう状態になったら植えるのに適した状態です。
根鉢というふうに専門用語では言います。
本当はこの苗はちょっとまだ早いんですよ、植えるには。
葉っぱの大きさが小さいこのクラウンっていう新芽が出てくる部分が細くて、その割に根鉢はまあまあしっかりできているんですけれども。
ちょっと早いんですけど私のスケジュール的に、もう今回植えてしまいたいと思います。
本来ならもうちょっと大きな葉っぱが出てきて、これぐらいの状態で植えるのがいいかなと思います。
根はほぐさない
この根をビリビリと引き裂いてほぐしてから植える植え方もあるんですけれども、私はそのやり方はオ
ススメしません。
なぜかというと、その根っこの切り口から病原菌が入って病気になってしまうことがあるからです。
なのでこの根鉢は崩さずにこのまま植えてください。
土を被さる深さ
それから新芽の部分に土が被さると苗が腐ってしまうので、ここには絶対に土が被さらないように。
ここよりも浅く土をかけてください。
ここが土の上に常に出ていること、それはとても大切です。
植えるといってもねこうやってポットから外して置くだけです。
これであとは土をかけていきます。
苗が高くなってますよね。
この土をこのポットの土と同じ高さまで加えます。
これよりも深く土を掛けるのはダメです。
土を補充しました。
ポットのもともとの土の高さと同じ高さまで土を補充しました。
土の量
プランターの容量いっぱいまでは入ってないですよね?
9分目もしくは8分目までの高さまで土が入ってます。
これはちょっとわざとこういうふうにしてます。
なぜかっていうと、もしこの面いっぱいまで土を入れてしまうと、じょうろで水をあげたときにすぐに水があふれてしまうからです。
土が流れるのを防ぐために、わざと8分目とか9分目ぐらいの土の量にしてください。
肥料を与える
これでだいたい一通り終わったんですが、次は追肥についてご紹介します。
園芸培土を使う場合には元から少し肥料が入っているので、もうこのままであとは水やりをすれば ok です。
ただ今回は自分でブレンドをして、ピートモス、パーライト、バーミキュライトを使ったので肥料分が一切入っていないんですね。
なのでこのままだと元気に育たないので肥料を使います。
今回私が買ってきたのはこの IB肥料という商品です。
このIB肥料はいろんなメーカーが出している肥料なんですが、とても使いやすい肥料です。
固形の小粒の化成肥料です。
この肥料は窒素:リン酸:カリ:苦土が10:10:10:1の割合で入ってます。
この窒素、リン酸、カリというのが野菜とか花にとても大事な3大要素と言われているもので、その三つがバランス良く含まれています。
しかもこの肥料は60日から70日かけてゆっくりと溶け出していくタイプの肥料です。
なので急に肥料が溶け出して、根っこを焼いてしまう心配がないです。
それから途中ですぐに肥料がなくなって、またすぐに追肥しないといけないという心配もないです。
だいたい2ヶ月ぐらいはこの肥料を与えるだけで、あとは水をあげれば十分に野菜に肥料を供給してくれます。
このIB肥料というのはとても優れた肥料でして、プロの農家の方でも使用しています。
イチゴ農家のすごく大規模に生産している方でも、苗作りの時にはこのIB肥料を使うことが多いです。
IB化成肥料の使い方
今回は一つのプランターに3株植えたので、IB化成肥料を4粒だけ入れたいと思います。
この肥料はちょっとずつ溶け出すので、たとえばここに一つおけば水やりをするたびにちょっとずつ溶け出してくれます。
なのでそんなに置く場所はこだわらなくて大丈夫です。
バランス良く配置してください。
IB化成肥料は白色です。
プランターの端に一粒ずつ埋めていきます。
土の上に置いておくと水をあげた時に場所が移動してしまう心配があるので、ちょっとだけ土の中に入れておきましょう。
水やり
次にじょうろで水をあげたいと思います。
ここでしっかり水をやらないと、ポットの土と今入れた新しい土がきっちりと癒着しないんですよ。
なのでここはしっかりたっぷりと水をあげてください。
ポットと今回新しく足した土がぴったりとくっついて、水がきっちり行き渡るようにします。
そうしないといくら水をあげても、ポットの土に浸透しなくなってしまうんですね。
プランターとか植木鉢の底から水が溢れ出るぐらいしっかりと与えてください。
ただあんまり勢いよくあげてしまうと土が流れててしまうので、優しくあげてください。
水やりの注意点
それから普段の水やりの時には、できるだけいちごの葉には水をかけない方がいいです。
今回はかかっちゃってますけど、本来はイチゴの葉っぱには水がかからない方がいいです。
水やりはすごく大切で実は難しいんですよ。
簡単に思えるかもしれないんですけれども結構難しくて、農業の世界では「水やり三年」という言葉があります。
「水やりを覚えるのには3年の時間がかかる」という意味です。
それぐらい植物にとってちょうどいい適切な量の水を、均等に与える技術は実はすごく難しいんです。
今回は最初の水やりで土がかなり乾燥しているので、たっぷりと与えます。
ちょろーっとやって表面が湿っただけで、土の中が湿っていないということがあるのでたっぷりと水を与えてください。
今回メインに使ったピートモスという土は保水力がすごく強いです。
なのでたっぷりとお水をあげても、たっぷりと吸収して保持してくれます。
今この一つのプランターに対して、この中ぐらいのサイズのじょうろ一杯分を与えました。
これぐらい最初の水やりで与えてください。
2回目以降は底から流れ出るまででいいんですけれども、1回目は土が乾燥しているのでたっぷり与えてください。
プランターの置き場所(日当たり)
この植え終わったイチゴは、直射日光が当たる場所もしくは半日陰になるような場所に置いて管理してください。
水やりは土が乾いたら与えるっていう感じです。
夏場だったら毎日。
春とか秋だったら2〜3日に1回ぐらいのペースでOKです。
それから今回与えた肥料は2ヶ月ぐらいもつ肥料なので、2ヶ月ぐらい経ったらまた同じように肥料を与えます。
使う肥料によって効果が持続する期間が違うので、使う肥料によって与えるタイミングは変えてください。
イチゴの苗を植える時期
イチゴの苗を植える時期はだいたい春か秋です。
春に植える場合にはこの苗からランナーと言って、クローンの苗がたくさん出てくるのでそれを取ります。
それを秋に植えて、冬越しをさせて翌年の春に収穫します。
もしイチゴの苗を秋に購入して秋に植える場合には、翌年の春に実を収穫します。
イチゴの苗作り
今回は親株の定植で、これから夏の間にこの株からランナー苗と呼ばれる小さな別の苗を取って、それをまた定植します。
「苗半作」という言葉があって、農業では「その苗の出来が収穫量の半分を決めてしまう」というくらい苗作りはすごく重要なんですね。
なのでこの親株から苗を取る作業についてはまた別の動画でご紹介したいと思います。
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