今回は、手作り水耕栽培装置の使い方と育て方, 注意点について紹介します。
- 自宅で水耕栽培に挑戦してみたい
- 水耕栽培装置の使い方や野菜の育て方を詳しく知りたい
- 使用上の注意点は?
このような疑問や要望がある方は、ぜひ最後までお読みください。
自宅で水耕栽培を行うために必要な道具
まず、水耕栽培を行うために必要な道具について説明します。
主な道具は以下の通りです。
- 手作り水耕栽培装置
- 野菜の苗
- 液肥(液体肥料)
- ECメーター
1については、別の動画で作り方を詳しく説明していますので、そちらをご覧ください。
2については、みなさんが実際に育ててみたい野菜の苗を用意して育ててみましょう。
初心者の方でも育てやすい野菜は、シソやミニトマト、ゴーヤです。
中でもシソは一番育てやすいのでおすすめです。
3については、様々な種類がありますが、一般的に使用されているハイポニカ液体肥料がおすすめです。
これは二種類の液体を水に溶かして使用する商品です。
ホームセンターやインターネット通販などで購入することができます。
また、ハイポニカ液体肥料以外にも使える肥料があります。
例えば、微粉ハイポネックスという商品です。
こちらもハイポニカ液体肥料と同様に使用可能です。
それから液体ハイポネックスという商品もあります。
但し、こちらの商品は水耕栽培にはあまり向いていないと言われています。
その理由は、窒素リン酸カリのうち、カリの成分が少ないからです。
また、ハイポニカ液体肥料には微量成分の鉄が含まれていますが、液体ハイポネックスには鉄が含まれていません。
しかし、メネデールのように鉄を含んだ活力剤も販売されていますので、これを上手く組み合わせることで、液体ハイポネックスも水耕栽培に利用できるかもしれません。
結論として、初心者の方には最初に紹介したハイポニカ液体肥料が一番おすすめです。
4についてですが、液体肥料を使用する際にはこのECメーターをあわせて用意することをおすすめします。
pHメーターについては、必須ではありませんが念のために持っていたほうがいいかもしれません。
液体肥料は何倍に薄めるかでおよその肥料濃度がわかりますが、ECメーターがあればより確実にその濃度を確認することができます。
ハイポニカ液体肥料の使い方
ここではハイポニカ液体肥料の使い方について説明します。
基本的には付属の説明書の内容をよく守って使用してください。
まず、水耕栽培の場合は500倍に希釈して使いましょう。
今回しようする水耕栽培装置には満タンで6リットルの水が入ります。
ただ、実際には八分目までしか水を入れないので、水の量はおよそ5リットルになります。
水の量は、使用する容器によって違うので、液体肥料を希釈する前に容器の容量をしっかり確認してください。
容器の容量がわかりにくい場合は、別の容器で水の量を計って液体肥料を希釈しても構いません。
今回の実際の水の量は5リットルですので、A液を10ml、B液を10ml入れて500倍の希釈液を作ります。
青のボトルがA液、赤のボトルがB液です。
付属のスポイトを使って量を計りましょう。
まずはA液を10ml計って容器の水の中に入れます。
B液についても同様の作業をします。
A液とB液を入れたら、水中ポンプのスイッチをオンにして水と液体肥料をしっかり混ぜます。
混ぜ終わったら、ECメーターを使って液体肥料の濃度を測定します。
ECメーターの電源を入れて、水の中に差し込みます。
参考として今回の測定結果は、1,574μS/cm=1.5mS/cmでした。
このEC値は500~1,000μS/cmの濃度がおすすめです。
液体肥料の濃度が濃すぎると根痛みの原因になりますので注意してください。
反対に濃度が薄すぎると、苗の生育が悪くなってしまいます。
野菜の水耕栽培の注意点
ここからは、水耕栽培装置を使って野菜を育てる際の注意点について説明します。
注意点1:水の量を確認する
水耕栽培で野菜を育てている間は、装置のフタを外して中の水の量を確認してください。
基本的には最初に液体肥料を入れた際の量が入って入れば大丈夫です。
野菜の根が水と肥料を吸って液体肥料の高さが下がったら、水または液体肥料を補充してください。
この時、水だけを補充すると、当然ながらEC値が下がります。
EC値が下がった場合は、液体肥料を追加して適正な値に調整してください。
液体肥料は直接水に混ぜてもいいですし、別の容器であらかじめ希釈してから追加するのでも構いません。
野菜の苗が大きくなるに従って、液体肥料の減りは早くなっていきます。
最初の頃は、水や液体肥料の補充は1~2週間に1回くらいだと思いますが、次第に2~3日に1回くらいの頻度に増えます。
もし、しっかり補充を行っていても苗の生育が悪くなったり、容器の中の水が汚れてしまった場合には、液体肥料を一度すべて交換するようにしましょう。
注意点2:病害虫の対策を行う
野菜を育てていると、どうしても病気や害虫などが発生します。
その場合には、家庭菜園用の殺虫剤や殺菌剤を使用してしっかり対策をしましょう。
注意点3:日当たりが良い場所で育てる
水耕栽培装置の置き場所についてですが、一番のおすすめは日当たりが良い室内の窓際に置くことです。
室内に置いた方が、害虫の発生が抑えられ温度変化も少ないからです。
但しデメリットとして、水耕栽培に使用する水中ポンプの音が気になってしまうかもしれません。
ポンプの機種によってはそれなりの音がしますので、寝室との位置関係によっては、夜寝る時などは不快に感じることもあるかもしれません。
その対策として、タイマーを使用することで夜だけ自動で水中ポンプの電源をオフにすることもできます。
または、手動で毎朝水中ポンプの電源をオンにして、夜寝る前にオフにするのでも大丈夫です。
もう一つの水耕栽培装置のおすすめの置き場所がベランダです。
ベランダに装置を置けば、水中ポンプの音は気にならないと思います。
但し、ベランダの場合には電源の確保に苦労するかもしれません。
ベランダにコンセントがある場合は問題ありませんが、もし室内から延長コードを使用する場合は、エアコンの配管用の穴を活用したり、サッシの隙間を通せるような薄いタイプの延長コードを使うようにしましょう。
注意点4:装置の水漏れ対策を行う
手作りの水耕栽培装置を使用していると、発泡スチロールの容器が割れるなどして、水が漏れてしまうことがあります。
容器の中にビニール袋を入れたり、装置の下に防水シートを敷くなどして水漏れの対策を行いましょう。
注意点5:直射日光を避ける
特に夏場は直射日光が水耕栽培装置に当たると、水の温度が高くなり生育不良になります。
その場合には、遮光シートや遮熱シートを使って装置を覆うなどの対策を行い、水の温度が上がらないようにしましょう。
水耕栽培装置の野菜の苗の植え方
実際に水耕栽培装置に野菜の苗を植える時のやり方について説明します。
苗を植える方法としては、基本的に装置のフタに開けてある穴に苗をはめるだけです。
フタの穴にちょうどいいサイズのポットであれば、ポットごとそのままはめるだけで構いません。
但し、そのままだと苗を育てている間にポットがだんだん下に落ちてしまう可能性があります。
その場合には、ご家庭にある割り箸をポットに横から刺して貫通させて固定してください。
そうすれば、割り箸が支えになって、ポットが下に落ちなくなります。
通常、水耕栽培では土を全て水で洗い流して根を露出させて育てるのが一般的です。
しかし、今回使用している手作り水耕栽培装置であれば、このようにポットに植えたままでも水耕栽培ができます。
水耕栽培で育てた苗の様子
それでは手作り水耕栽培装置で育てている苗の様子を見てみましょう。
下の写真は装置のフタを横から見た様子です。
奥に見えているのが装置に植えた苗のポットの底の部分です。
ポンプの電源を入れると手前のホースから水が噴射されます。
苗を植えてからしばらくすると、ポットの底の穴から根が出てきます。
そして自然とその根が液体肥料の中に伸びていきます。
もし根の発生が悪い場合は、ホースを調整して水の噴射角度を変えて水がポットに当たるようにしたり、ポットに穴を空けて根が出やすくするなどして対応してください。
手作り水耕栽培装置の使い方と育て方, 注意点を解説のまとめ
今回は、手作り水耕栽培装置の使い方と育て方, 注意点について紹介しました。
手作り水耕栽培装置は、簡単な材料と少ない費用で誰にでも簡単に作れる装置です。
今回おすすめしたシソやミニトマト、ゴーヤ以外にもいろいろな野菜を育てることができますので、みなさんも今回の記事を参考にぜひご家庭で水耕栽培に挑戦してみてください。
動画でも紹介しているので、ぜひご覧ください。