今回は超格安で液肥混入器を作る方法をご紹介します。
液肥混入器とは、水耕栽培や養液栽培の培地耕で使われるものです。
家庭菜園で野菜を育てている人も、仕事として野菜を育てている農家の人も使えるものです。
「液肥混入器を使いたいけど、値段がすごく高くてどうしようか迷っている」という方はぜひ最後までご覧ください。
今回は最初に
- どういった方にオススメなのか
- どういうことができるのか
- メリットとデメリット
などをお伝えしてから実際に使っているものをご紹介します。
格安液肥混入器がおすすめな人とおすすめではない人
まずは格安液肥混入器がおすすめな人とおすすめではない人を紹介します。
格安液肥混入器がおすすめな人
では、最初におすすめな人をご紹介します。
- 家庭菜園で水耕栽培をしている人
- 家庭菜園でプランターなどで野菜を育てていて液肥を使って肥料をあげたい人
- 農家だけど出来るだけ低コストで液肥混入器を使いたい人
- 1~2年くらいのすごく短い期間だけ試しに液肥混入器を使ってみたい人
このような人におすすめです。
格安液肥混入器がおすすめではない人
逆におすすめではない人は
- 家庭菜園超初心者で液肥混入器と聞いても何なのかわからない人
- 地面で野菜を育てていていつも固形肥料を使っており液肥は全然使わない人
- 大規模な農業法人で既にしっかりとした養液システムがある人
このような人はおすすめしません。
格安液肥混入器の発案者は宝塚市が生んだ発明王悠々さん
格安液肥混入器のアイデアは、ある方のアイデアをそのまま真似したものです。
真似をさせて頂いたのは、兵庫県宝塚市が生んだ発明王悠々さんです!
悠々さんは、兵庫県宝塚市で悠々ファームという水耕栽培の野菜農園をしている方です。
その悠々さんがご自身のwebサイトの中で、格安液肥混入機の紹介をしていました。
今回紹介する液肥混入機について、詳しい作り方をテキストや写真で見たい方は悠々さんのwebサイトをご覧下さい。
私はそれを拝見し「面白そうだな。自分でも作ってみたい!」と思い、作ってみたところとても上手くできました。
なので、悠々さんに「格安液肥混入器を紹介してもいいですか?」と連絡したところ「いいですよ。全然紹介してください。」と返事を頂いたのでご紹介させていただきます。
タカギのかんたん液肥希釈キット
今回の液肥混入器で最も大切なものはタカギのかんたん液肥希釈キットです。
タカギさんとハイポネックスさんの共同開発だそうです。
タカギさんといえば、ホースやホース関連部品を作っている一番有名なメーカーさんです。
ハイポネックスさんといえば、園芸用品の特に肥料関係が非常に強い有名なメーカーさんです。
この2社がタッグを組む形で作られたのが、タカギのかんたん液肥希釈キットです!
タカギのかんたん液肥希釈キットの本来の使い方
タカギのかんたん液肥希釈キットの本来の使い方は、水道の蛇口とかんたん液肥希釈キットをホースで接続します。
かんたん液肥希釈キットに付属のシャワーノズルをつけて、250~1,000倍に薄めたハイポネックスを直接かけるという道具です。
ただ、今回は本来の使い方ではなく、別の使い方にアレンジして使います。
ここが格安液肥混入器の一番重要な部分です。
一般的にはドサトロンという液肥混入器を使う
一般的な液肥混入器は、ドサトロンという商品を使うことが多いです。
農業をしている人なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
養液栽培や水耕栽培をする時にドサトロンは欠かせないので、多くの農園で使われています。
ドサトロンは水が流れてきた時に水圧に応じてを下から液肥を混入させることができます。
電気や複雑な制御盤などが不要で、シンプルな形で非常に使いやすく、農業界での実績もすごくある本当に素晴らしい商品です。
私も仕事柄ドサトロンはよく使わせていただいています。
ドサトロンは最安値でも7万円はする
ただ、ドサトロンは金額が高めなんです。
サイズは色々とありますが、一番小さい最安値のものでもおそらく7万円ぐらいはすると思います。
大きなサイズだと10万円を超えます。
ドサトロンは本当に素晴らしい商品ですが、コストの高さがネックになっています。
タカギのかんたん液肥希釈キットは約0.5万円
今回使うタカギのかんたん液肥希釈キットは、Amazonなどで約5,000円で購入できます!
ホームセンターでも同じくらいの値段だと思います。
タカギさんの公式webサイトでは4,400円で販売されていました。
かんたん液肥希釈キット(https://hi.takagi.co.jp/products/list.php?category_id=70)
タカギのかんたん液肥混入器キットはドサトロンの1/14の価格で買える
タカギのかんたん液肥希釈キットは約0.5万円で購入できて、ドサトロンは最安値で7万円ぐらいです。
そう考えると、タカギのかんたん液肥希釈キットはドサトロンの1/14の価格で購入できることになります。
ドサトロン1台買うお金があったら、タカギのかんたん液肥希釈キットが14台買えるということです!
圧倒的に価格が安いのが一番の魅力です。
格安液肥混入器のメリット
次に格安液肥混入器のメリットを説明します。
液肥混入器をお試しで使うのにいい価格
先ほど説明した通り、タカギのかんたん液肥希釈キットは約0.5万円で購入できます。
これだったら家庭菜園で野菜を育てている人にも手が届きやすい価格ですよね。
お試しで養液栽培システムを作りたい方や農家の人で1年だけお試しに液肥混入器を使ってみたいという方にもおすすめです。
複数台購入すれば、肥料の濃度などを使い分けることができる
格安液肥混入器を複数台作れば、植物の種類によって使い分けることができます。
例えば、
- この列はイチゴに合わせた肥料の濃度で使う
- この列はブルーベリーに合わせた肥料の濃度で使う
- この列はトマトに合わせた肥料の濃度で使う
ということができます。
また同じイチゴを育てる場合でも、
- この列は肥料の濃度を高くする
- この列は肥料の濃度を低くする
- この列は全く別の肥料を使ってみる
といった使い方もできるようになります。
また、苗作り用のハウスで液肥混入器を使ってみたり、面積が小さすぎてドサトロンを買うのにはコストが合わないという場合でも使えます。
格安液肥混入器のデメリットと注意点
ただし格安液肥混入器にはデメリットや注意点もあります。
ドサトロンに比べると耐久性や精度が劣る
耐久性や精度に関しては、ドサトロンと比べると劣ってしまいます。
井戸水や農業用水などを使う場合は詰まりやすい
井戸の水や農業用水や雨水を使う場合には詰まりやすいのでフィルターを付けたり、定期的な洗浄が必要になります。
今回の使用方法は自己責任
今回ご紹介する使い方はメーカー推奨の使い方ではありません。
なので故障や不具合が起きても、あくまで自己責任としてお試しください。
今回紹介する使い方をして壊れた場合、メーカーの保証外になると思います。
液肥の濃度や希釈率を確認しながら使う必要がある
- 液肥がうまく混入されない
- 混入されすぎる
- 液肥の希釈率が不安定
などの問題が出てくる可能性があります。
タカギのかんたん液肥希釈キットは、液肥を約250倍に希釈できるとされています。
ただ、あくまでも「およそ250倍」なので色々な条件で変わります。
なので、必ず希釈された液肥のECやpHなどを測定して、安全性を確かめてから使うようにしてください。
測定は1回だけではなく、定期的に行った方がいいです。
水圧によって液肥が混入されない場合がある
出る水の量や入れる水の量が少なすぎると水圧が弱くて上手く液肥が混入できない可能性があります。
今回紹介するシステムをアレンジした場合、上手くいくこともあれば上手くいかないこともあるかもしれません。
なので、ちゃんと液肥が混入されることを確かめてから使うようにしてください。
本体に太陽の光が当たらないようにする
使う時は太陽の光を遮って使うのがおすすめです。
太陽の光が当たると、太陽光で部品が劣化したり藻が生えて詰まったりします。
液肥混入器にお金をかけたくない方は固形肥料がおすすめ
タカギのかんたん液肥希釈キットは約0.5万円なので、高いと考える方もいると思います。
そういった方は自分の手で液肥を薄めて流したり、液肥自体の使用をやめて固形肥料と水を使う方がコストは下がるのでおすすめです。
タカギのかんたん液肥希釈キットを開封する
タカギのかんたん液肥希釈キットの説明をします。
タカギのかんたん液肥希釈キットの付属品
付属品が色々と入っていて、本来は専用ノズルを使って使用します。
ハイポネックスの原液が入っていました。
散布用のノズルも。
ホースなどの小物も入っています。
- ハイポネックスの原液
- 散布用ノズル
- ボトルに合うサイズのチューブ
- ホース
などが付属されているので非常に使いやすいです。
私は付属されているチューブだと少し短いと思ったので長いものを使っていますが、付属されているものでも大丈夫です。
注意点が色々とあるので、本来ならこの注意点を守って使わないといけません。
私の使い方はこの注意点を守っていないなので、その点は予めご了承ください。
取り付け方はわかりやすい説明があるので、この通りにやっていただければいいです。
メンテナンスの仕方や液肥を吸い上げなくなった場合の対処なども書いてあります。
今回使う液肥はハイポニカ液体肥料
今回は水耕栽培で使用するため、付属のハイポネックスは使わずにハイポニカ液体肥料を使いました。
養液栽培の培地耕といって培養土を使って育てるものに使う場合は、付属のハイポネックスを使ってもいいです。
水耕栽培で完全に培地を使わない場合は、ハイポネックスよりもハイポニカの方がおすすめです。
養液栽培の培地耕でハイポネックスを使う場合は、2液式にする必要がないので液肥混入器は1台だけでいいです。
なのですごく簡単な仕組みになります。
水耕栽培や養液栽培の培地耕だけど2液式でやりたい場合には2台必要です。
液肥混入器で使うのにおすすめな液肥3点
液肥混入器で使う液肥は、ざっくり分けておすすめが3つあります。
地面やプランターで育てている方はハイポネックス
家庭菜園でプランターや地面で育てる場合や、家庭菜園で数が少ない場合はハイポネックスさんの肥料を使うのがいいです。
かんたん液肥希釈キットには元からハイポネックスが付属されています。
なのでそれを是非使ってみてください。
水耕栽培をしている方はハイポニカ液体肥料
水耕栽培で育てている場合は、ハイポニカという液体肥料がおすすめです。
ハイポニカの液肥にはA液とB液との2タイプがあり、それを一度に流さなければいけないので、かんたん液肥希釈キットを2台用意してください。
農家の方はOAT1号、2号、3号、4号、5号
農家の方はもっと大規模で、養液栽培用の専用肥料を使っていると思います。
例えば、OATアグリオさんのOAT1号、2号、3号、4号、5号という肥料です。
最も汎用性が高いものだと、OATアグリオさんのA処方という処方があるので、これに従って使うのがすすめです。
この場合も2液式になるので、かんたん液肥希釈キットは2台必要になります。
実際に格安液肥混入器を使っている様子
格安液肥混入器の構造と、実際に使っている様子を紹介します。
格安液肥混入器の構造
こちらが心臓部のタカギのかんたん液肥希釈キットです。
タカギのかんたん液肥希釈キットを並列で2台つけています。
水道と繋がっているホースをタカギさんの分岐コネクターでYの字型に分けています。
Y字に分かれたホースとかんたん液肥希釈キットをソケットで繋げています。
かんたん液肥希釈キットの中央から出ている細いチューブが液肥が入ったボトルに刺さっています。
それぞれのかんたん液肥希釈キットからホースが出ており、分岐コネクターで1本のホースに繋がっています。
今は分岐コネクターについているコックを閉じて、水を止めてあります。
液肥混入器や液肥の入ったボトルに直射日光が当たらないようする
液肥混入器の部分はプラスチックでできていて、太陽の光が直接当たると劣化してしまう恐れがあります。
上に黒いシートを被せたりプラスチックの容器を被せる等して直射日光が当たらないようにしましょう。
液肥のボトルを本来の設置位置に入れてもいいですし、長いチューブを使って光が全く当たらない場所に保管するのもおすすめです。
液肥の原液も直射日光が当たるのはよくありません。
タカギのかんたん液肥希釈キットは約250倍に希釈する
ボトルには2倍ぐらいに希釈されたハイポニカのA液とB液が入っています。
ハイポニカは本来500倍くらいに薄めて使うものです。
タカギのかんたん液肥希釈キットは約250倍に希釈するので、あらかじめ原液を2倍に希釈しました。
2倍×250倍=500倍で希釈されるようにしてあります。
原液の濃度を変えることで好きな濃度に希釈できます。
2倍に希釈したハイポニカA液が左のボトルがに入っていて、2倍に希釈したB液が右のボトルに入っています。
約500倍に希釈された液肥が出るホースの先が、水耕栽培で使っている容器の中に入ってます。
分岐コネクターについているコックを開けるだけで水が流れます。
希釈した液肥のpHとECを測る
今出した液肥のpHとECを測ってみましょう。
1分ほど経ち、pH6.9で安定しECは0.6です。
今回、液肥の原液は2倍よりもう少し薄めているのでこれくらいの値です。
薄めるの濃度を調整すれば、1.0や0.8や0.4などの数値に調整することができます。
ダウン剤やアップ剤といわれてるものを加えると、pH値も調整できます。
ただ、pH6.9でEC0.6なら大体どんな野菜の苗も育てられます。
植物が大きくなったらEC0.6よりはもう少し高めた方がいいと思いますが、これぐらいの値なら使いやすいでしょう。
格安液肥混入器を使った野菜の水耕栽培
私が格安液肥混入器をどういうことに使っているのかご紹介します。
例えば、葉物野菜やイチゴの水耕栽培に使っています。
こちらにはパイナップルもありますね。
ゴーヤの水耕栽培にも使っています。
根っこが黒っぽく傷んでしまった部分もありますが、白い新しい根っこも生えてきています。
培養液の濃度を測ってみましょう。
1分ほど経って、pH7.9でEC0.4です。
ECが少し下がり、pHが少し上がってきています。
このタイミングで水を半分捨てて新しいものを半分加えます。
ドサトロンの1/14の価格で作れる格安液肥混入器の作り方!水耕栽培や養液システムに使える【タカギ】のまとめ
今回は、タカギの商品を使った格安液肥混入器をご紹介しました。
「液肥混入器が欲しいけど、ドサトロン1個7万円は高いなぁ」と思っている方は、是非こちらの約0.5万円で購入できるタカギのかんたん液肥希釈キットを使ってみてください。
今回ご紹介した内容はこちらの動画でご覧になれます。