今回は「なぜミニトマトの葉っぱは黄色くなってしまったのか!?」その原因を突き止めます。
一緒に原因を考えながらご覧いただけると嬉しいです。
トマトやミニトマトを育てていると葉っぱが黄色くなってしまったり、白とか黄色とか黒っぽい斑点が現れたりしませんか?
こういう問題が起きて悩んでいる方は結構いらっしゃるのではないでしょうか?
私が育てているミニトマトにも同じような症状が現れました。
今回はその原因が一体何なのか突き止めます。
育てているトマトやミニトマトの葉っぱがおかしくて悩んでいる方は、是非最後までご覧ください。
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ミニトマトとナスの症状
まずは症状が出ている部分を全体的にご紹介します。
プランターには左から順に
- ミニトマト「純あま」
- ミニトマト「プチぷよイエロー」
- 接ぎ木のミニトマト(品種不明)
- 接ぎ木のナス
が植わっています。
葉っぱが黄色くなる症状は、①と②それから③にほんの少し出ています。
それから、④のナスにもちょっと似たような症状が出てます。
ミニトマトとナスの全体的な様子
それぞれの全体的な様子を観察してみます。
①ミニトマト「純あま」
葉っぱは元々緑色のはずですが…
- 葉脈以外の部分が白というか黄緑色になっている
- 茶色っぽいような部分もある
- 白い斑みたいなものも出てきている
- 葉脈は黒っぽく残っているが、それ以外の部分は白っぽい
- 白い斑点が酷く出ているものがある
- トマトの実は元気
- ちょっと水が足りないかもしれない
- 花自体は大量に咲いている
②ミニトマト「プチぷよイエロー」
こちらも葉っぱは元々緑色ですが…
- 擦れたように薄黄緑色になっていたり、ちょっと白っぽい部分がある
- 「実がたくさんなってていいなぁ」って思うほどの実の量
- 実の大きさにバラつきがある
- 摘果した方が良さそうなぐらいびっちりと実がなっている
③接ぎ木のミニトマト
- 症状が軽いというかほとんど起きてない
- 白い点がわずかに出ているぐらい
- 下の葉っぱには白い斑みたいな点みたいなものが少し出ている
④接ぎ木のナス
ナスの葉っぱはミニトマトの葉っぱに比べて大きいです。
- 葉っぱの縁の方に白い点々が出ている
- 葉っぱ全体は緑色だけど、左側だけ白い点々が出ている
- ナスのヘタの部分が白っぽくなっている
ナスには一番最初にできた、かなりでかい実がなっていました。
本当はもっと小さいうちに取らなければいけなかったのですが、久しぶりに実家に帰ってきたら大きくなっていました。
やっぱり野菜の成長は早いです。
それぞれの症状を確認
同じような症状が出ている方もいるかもしれません。
ナスのヘタが白くなる症状で、察しが良い方はもう原因が分かったんじゃないかなと思います。
ただ、もうちょっと答えは言わずにおきます。
まずはその症状が起きた原因を考えよう!
私のYouTube動画のコメント欄に
「トマトの葉っぱに黄色い斑点が出たんですけど、どうしたらいいですか?」
とコメントを頂くことが多いです。
その時の大事なポイントをお伝えします。
何か問題が発生した時に、すぐに解決策を考えるのはやめましょう。
なぜかというと問題が発生した場合、その問題には原因があります。
その原因というのは色々なものが考えられまして、その原因の種類によってやるべき対策も変わってきます。
問題が発生したらすぐに対策を考えるのではなく、原因を特定してからその原因に合った対策を考えるという順番で考えてください。
なぜこれが大事かというと、問題が発生した時に原因を間違えてしまうと、その後にした対策が逆効果になって被害がひどくなってしまうことがあるからです。
今回のケースを使って原因を考えてみる
症状が出ているのはミニトマト3種類とナスです。
どんな症状が出ているかというと
- 葉っぱに白というか黄色というか色が変わっている部分ある
- ちょっと枯れているような部分がある
- 斑点みたいな部分もある
- 葉っぱの下の方で症状が出ていて、今のところ葉っぱの上の方では出ていない
- 一部の葉っぱには白い線を引いたような症状が出ている
- ナスのへたの部分が白くなっている
この3つの品種では「プチぷよイエロー」と「純あま」で多く発生しています。
接ぎ木のミニトマトにはあまり発生がない状態です。
それからナスも同じような症状があります。
この症状はどんな原因の可能性があるか
可能性を順番に上げていきます。
- 病気
- 害虫
- 生理障害
- 薬害
- 日焼け
- 品種の特徴
- 老化
- その他
- 複数の原因が組み合わさって起きている
これだけの原因が考えられます。
「多いよ!」と思った方もいるかもしれませんが、たったひとつの症状であってもいろんな可能性があります。
しかも、厄介なことに複数の原因が同時に起きている可能性もあります。
状況から原因を絞り込む
では、ここから色々と推理をして原因を絞り込んでいきましょう!
推理小説でいうところの、今は容疑者が分かったという感じです。
容疑者がわかったので、ここから探偵が推理をして犯人を探すというような工程に移ります。
それから「6月に家庭菜園でやるべきこと」という動画で、こちらの症状を紹介したときに、私は3つの可能性を推理しました。
①斑点病
斑点病という病気の症状に似ていた。
②アザミウマ
アザミウマという小さな害虫が寄生した時の症状に似ていた。
③マグネシウム欠乏
マグネシウムという植物にとって重要な栄養素が足りなくなった時に発生する症状に少し似ていた。
上記の3点を動画でご紹介した時に、いくつかコメントを頂きました。
その動画の中で特に症状がひどかったのが、プチぷよイエローという品種だったので
「プチぷよイエローという品種は、葉っぱの日焼けが起きやすいですよ」
というコメントを何件か頂きました。
なので品種の特徴という可能性も考えられます。
「6月に家庭菜園でやるべきこと」の動画はこちらです↓
動画で症状を紹介してから2、3週間後
そして、動画を撮影してから2、3週間ほど経ちました。
すると、プチぷよイエローで広がっていた症状が、さらに悪化して他の品種やお隣にも広がり始めたんです。
その点を踏まえると、どうやらプチぷよイエロー特有の症状ではないと考えられます。
確かに強い光で葉っぱの日焼けが起きることはあります。
でも、今野菜を育てているビニールハウスは天井を遮光しているので、そこまで日差しが強くありません。
そして、日差しが強くて日焼けをするのであればもう少し上の方の葉っぱに症状が起きるんじゃないかなと思いました。
下の方の葉っぱはどちらかというと日陰になっているので、あまり強い光は当たらない場所です。
かつ、他の品種でも同じような症状が出てきたので、今は日焼けではないと判断しました。
症状が出ている葉っぱをじっくり観察
この症状を見たときに私が考えたのは
- 斑点病
- アザミウマ
この2つどちらかの可能性が高いと思いました。
原因を絞り込んだ後に何をしたかというと、症状が発生した葉っぱの観察です。
では、葉っぱをじっくりと観察してみましょう。
「純あま」の葉っぱをじっくり観察
葉っぱの表面を見た限り、全体を見た時とそんなに大きな違いはなく、新しい発見はありません。
裏面は白い斑点状になっています。
よく見ると小さな黄色っぽい虫がたくさんついています。
こちらの虫、おそらくアザミウマという虫です。
アザミウマはいろんな野菜に寄生する虫です。
アザミウマが葉っぱの裏に寄生すると、葉っぱに擦れのような症状が出ると言われています。
アザミウマの防除などは、こちらの動画で詳しく説明しています。
イチゴのアザミウマについては、こちらのサイトで解説しています。
「プチぷよイエロー」の葉っぱをじっくり観察
葉っぱの表面がかなり白っぽく黄色っぽくなっています。
葉っぱの裏面には、純あまと同じく黄色くて小さな虫がいます。
こちらもアザミウマです。
接ぎ木のミニトマトの葉っぱをじっくり観察
綺麗な葉っぱを見てみましょう。
葉っぱの裏面は綺麗な状態で、アザミウマが一匹もいません。
ナスの葉っぱをじっくり観察
葉っぱの表面に白い斑点が出ています。
裏面を見みると、とても小さな黒い点々がいっぱいあります。
これはアブラムシの死骸です。
2、3週間前にアブラムシが大量に発生していたので、「ロハピ」という農薬をかけました。
するとかなりたくさんのアブラムシが死んで、それが死骸として黒い点々になっています。
ただ、そこに目が行きがちなんですが、実はじっくり見るとナスの葉っぱにも黄色くて小さな虫がたくさんいます。
これもアザミウマです。
「ロハピ」はアザミウマには効果がありません。
なのでアザミはは死なずに残ってしまいました。
ナスのヘタが白くなるのは、特徴的なアザミウマの被害
それから、ナスのヘタが白っぽくなった症状は、アザミウマが寄生した時に発生する症状に非常によく似ています。
特徴的なアザミウマの被害、そんな風に考えて下さい。
ナスの葉っぱの裏面、葉っぱを持った私の小指と薬指の間ぐらいの位置にたくさんアザミウマな幼虫がいます。
幼虫がたくさんいて中には成虫もいます。
実体顕微鏡で葉っぱを見る
採集したミニトマトの葉っぱを実体顕微鏡で見てみましょう。
実体顕微鏡にスマホを接続して撮影します。
葉っぱにはどんな虫がいるのか?
実体顕微鏡で見てみると、アザミウマの幼虫が映りました。
アザミウマの幼虫を400倍で映しています。
アザミウマの幼虫が顔を掻いてます。
アザミウマの成虫もいました。
ただ、この成虫はちょっと死んでしまったのか動きはありません。
次はアブラムシです。
真っ白なアブラムシの小さな幼虫がいました。
動きがかなり早いアザミウマの成虫もいました!
トマトの葉っぱの裏側にはこういった虫がいます。
トマトの葉が黄色い原因はアザミウマ
今回ここで育てている野菜に起きた葉っぱの異常は、おそらくアザミウマが原因だと思います。
ただ、アザミウマだけではなくてハモグリバエという虫の症状も現れています。
ハモグリバエについてはこちらの動画で詳しく説明しています。
原因は断言できない
そして「完全にマグネシウム欠乏ではない」とか、「完全に斑点病ではない」とは言い切れません。
実は、それらも同時に起こっている可能性も考えられます。
病気と害虫の問題が同時に起きたり、葉っぱに異常が起きた時は「原因を突き止めることが大切」ということです。
アザミウマ対策をしよう
今回問題になっているのはおそらくアザミウマなので、アザミウマの対策をしましょう。
例えば、
- ミニトマトやナスに使えて、アザミウマに効果がある農薬を散布する
- 粘着シートを株の近くにぶら下げて、できるだけアザミウマが株につかないようにする
- あまり農薬を使いたくない方は、粘着シートのようなもので葉っぱの裏をペタペタしてアザミウマを物理的に捕まえる
- 外にキラキラ光るテープのようなものを設置し、できるだけアザミウマが入らないようにする
- ハウス自体を防虫ネットで塞いで、アザミウマが入ってこなくする
といった色々な対策が考えられます。
これらの対策が考えられるのは、ここで発生した葉っぱが黄色くなる問題の原因がアザミウマだったからと特定できたからです。
もし診断を間違えてしまったら?
もし間違えて「プチぷよイエローは日焼けが起きやすいからこうなった」と考えていたら、アザミウマ対策ではなくて、もっと強い遮光シートを設置したり、もしくはプランターを日陰に置こうと考えてしまうかもしれません。
また、もしこの症状を「斑点病」だと診断したら、アザミウマを駆除する方法は使わずに、斑点病に効果がある殺菌剤を散布してしまうかもしれません。
このように原因を間違えると対策も間違ってしまい、全然意味がないとか、逆に悪化する可能性もあるので気を付けて下さい。
初心者は診断するのが難しい
今回のようにパッと見てすぐわからないこともあるので、原因を診断をするのはとても難しいです。
病気や虫などによって、すぐにわかる場合もありますが、なかなかわからず色々な可能性を考えて1個ずつ潰していくような場合もあります。
これを家庭菜園初心者の人が診断するのは難しかもしれません。
なので、私のYouTube動画のコメント欄で詳しい症状や状況を説明して頂けると、私の方で「おそらくこれかこれじゃないかな?」というふうに絞り込んでアドバイスができます。
症状や状況を詳しく教えて頂けると、より役立つアドバイスができます
ただ、コメント欄に症状や状況を書く時に、すごく抽象的な表現だと正直わかりません。
例えば「ミニトマトが元気がありません。どうしたらいいですか?」と聞かれた場合、元気がないのがどういう症状なのか具体的にわかりません。
枯れているのか、萎れているのか、葉っぱの色がおかしいのかイメージができないからです。
具体的に
- どういう葉っぱにどういう症状が出ているか?
- いつから出ていているのか?
- 他にどんな問題が起きているのか?
- どんなことをしたか?
- どういう条件で育てているのか?
- 農薬を使ってもいいのか?
など、栽培している人がどんな対策をしたいのかなども合わせて教えて頂けると、より役立つアドバイスが出来ると思います。
家庭菜園を何年もやっている人だったらご自身で診断できるようになって頂きたいですが、初心者の人でまだ全然わからない方は私のYouTube動画のコメント欄にコメントしてください。
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今回はミニトマトとナスの葉っぱに起きた問題について、その原因突き止め推理をするみたいな方法をご紹介しました。
何か問題が起きた場合は、まずは原因を探ってみてください。
今回の、葉っぱの異変や実体顕微鏡で見た虫の様子は、こちらの動画で詳しくご覧になれます!