今回はトマトのわき芽の取り方と支柱の立て方をご紹介します。
以前、トマトの苗の植え方をご紹介しました。
その内容はこちらの動画で紹介しています。
今回はトマトの育て方第2弾です!
かなり大きくなった苗を使って、支柱の立て方を詳しく説明します。
また、わき芽がかなり出ているのでわき芽の取り方となぜわき芽を取らなければいけないのかをお話します。
それとわき芽を使って別の苗を作る裏技もご紹介します。※家庭菜園向けの裏技
大きく育った状態で売られていたトマトの苗
こちらはアイコというトマトです。
このトマトの苗はかなり大きく生育した状態で売られていました。
植え付け直後の状態です。
普通の苗はもう少し小さいので、このようになることはないと思います。
ただ、買ってきたトマトの苗を植えて、そのまま何もせずに放っておくとこのような状態になってしまいます。
こうなると色々良くないことがあります。
トマトに支柱を立てないとどうなるのか?
トマトの葉っぱが下にいっているので、光がよく当たりません。
それから地面と触れてしまうと病気にかかりやすくなってしまいます。
しかも、雨水や泥がかかったりして病気になりやすくなります。
また、地面に近い位置にできた果実が地面と擦れて傷がついて腐ってしまったりします。
なので、早めに支柱を立てて栽培をすることが大切です。
商業的にトマト栽培する場合は、支柱ではなくてワイヤーか紐を使って上から吊り下げることが多いです。
けれど、家庭菜園の場合には支柱を使うのがオススメです。
今回はホームセンターで園芸用の支柱を買ってきました。
トマトの一本仕立て
今回は一番簡単な一本仕立てという、1本だけまっすぐ育てるやり方でやります。
それ以外にも朝顔の支柱を使ってぐるぐる回すやり方や、2本仕立てという根元付近で成長点を2つに分けて育てる方法など色々あります。
色々な支柱の立て方はこちらの動画で紹介しています。
トマトに支柱を立てる
まずは支柱を立てましょう。
本来はわき芽を取ってから支柱を付けた方がいいですが、今回は説明するために先に支柱を立てます。
支柱の固定が終わりました。
無理やりな感じがありますね。
背骨が曲がっている人がゴキッとなっているような感じです。
トマトの茎はどんどん太く成長します。
なので、茎を紐でピタッと固定してしまうと首を絞められているような状態になって、固定した場所だけ細くなってしまいます。
なので、茎を固定する場合は必ず余裕を持って、茎が太くなっても大丈夫なようにしてください。
トマトは同じ方向に実がなる
トマトの実がなる位置は基本的に同じ方向になっていきます。
基本的には花房と花房の間には3枚の葉が発生することが多いです。
これは栄養状態や環境によって変わることがあります。
地面に植える時はその方向に合わせて、一番最初の実がなっている方向を通路側に持っていくと非常に収穫がしやすくなります。
今回もそのために支柱の位置を調整しました。
支柱とは反対の方向に実が出るようにすれば、支柱が邪魔になって収穫しにくいということはないでしょう。
捻れているのでずれたようになっていますが、まっすぐ伸びていけば大丈夫でしょう。
今回は支柱の長さが足りないので、先端を摘心するなり支柱を伸ばすなりします。
本来もっと小さいうちに支柱は立てるべきです。
トマトのわき芽取りとは?
次はトマトのわき芽取りについて説明します。
わき芽が大量に出ていると生育が悪くなる可能性があるので、ちゃんと管理しましょう。
トマトのわき芽がわからない方が多い
わき芽がわからない方がすごく多いです。
私は農業コンサルとしてトマト栽培を指導していく中で、農場で働いている方に「わき芽取りをしてください」と指導することが多いです。
わき芽取りが終わったところをチェックすると、全然わき芽が取られておらずしっかりわき芽が残っていることが非常に多くあります。
わき芽取りは慣れてしまえば簡単です。
イチゴよりもトマトの方がわき芽取りは簡単だと思います。
慣れるまではわき芽が一体何なのかわからなかったり、わかったつもりでも見落としてしまうことがたくさんあります。
なので今回はわき芽取りをしっかりご紹介します。
このひと株の中でわき芽がいくつあるかはわかるでしょうか?
画像ではかなり分かりにくいかもしれません。
トマトの主芽について
そもそも「わき」芽といわれているものがあるということは、「わき」ではない芽があるんですよね。
では、「わき」ではない芽が何かというと、ここのど真ん中にあって一番上の先端にあるものが主芽といわれている部分です。
主芽(成長点)は1株に1つしかありません。
なので、これ以外の成長点のことをわき芽と呼んでいます。
トマトのわき芽の見分け方
では、わき芽がどういうものか説明します。
花でもなく、ただの葉っぱでもない部分です。
これがわき芽です。わかるでしょうか。
見分け方は、太い茎と葉っぱの間から出ている小さい葉っぱがわき芽です。
これを取ってください。
取り方は、消毒したハサミなどでチョキンと切ってもいいですし、手で取ることもできます。
引っ張るだけで取れます。
今、1つだけわき芽を取りました。
トマトのわき芽の赤ちゃん
上から見ると、ここにちょっとだけぴょこんと何か出ています。
これはわき芽の赤ちゃんです。
今は小さいですが、あともう3日もすれば先ほどと同じぐらいのわき芽に成長します。
小さいのでまだ放っておいても大丈夫です。
こういうのがあったらわき芽の赤ちゃんだと思ってください。
こんなふうに葉っぱの又というか葉っぱの生え際を見てください。
葉っぱの生え際と太い茎の間に何も発生してなければ大丈夫です。
大きなトマトのわき芽は見過ごしがち
すごく見過ごされがちなんですけれども、非常に大きな葉っぱがあってここに茎があります。
茎から根っこが生えてきています。
トマトは茎から根っこが生えてきます。
これで見落とされがちなんですけれども、非常に太いものがあります。
花まで咲いてます。
これはわき芽です。
さっき取ったわき芽は人差し指くらいの大きさで、わき芽といえばそれぐらいだと思っている方が多いと思います。
しかし、ここまで大きく成長してしまったものもわき芽なんです。
これも必ず取ってください。
大きいわき芽は取る時にミスをすると、ポキッと元の茎まで折れてしまうので気を付けて下さい。
他のわき芽も取っていきます。
頂芽優勢で大きくなってしまったトマトのわき芽
次の葉っぱの根本を見たらすでに葉っぱが取れていました。
葉っぱが取れた代わりにわき芽は取れずに残ってました。
これすごく大きいです。
なぜこのわき芽がこんなに大きいかというと、頂芽優勢の影響だと思います。
頂芽優勢といって、植物は一番高い場所にある芽を優先的に使うようにします。
なので一番高い場所にある芽にどんどん栄養分を送り込みます。
この苗は本来一番上にあるはずの成長点が下に垂れ下がってましたよね。
そのせいで本来の成長点を一番重要な成長点だと思わず、一番上にあったわき芽を一番大事な芽だと植物が勘違いしたようです。
一番高いところにあったわき芽に優先的に養分を送ったので、わき芽が大きくなってしまいました。
なので、本来もっと大きくなるはずだった成長点が小さくなっています。
わき芽を残しておいたり、支柱を立てないと本来大きくならなければいけなかった芽が小さくなって、本来成長するべきではなかったわき芽が大きくなってしまいます。
なので、この大きなわき芽も取ります。
残りのわき芽も取っていきます。
これでわき芽を全て取れたと思います。
残っているのは葉っぱと果実と花だけです。
トマトの一本仕立てと二本仕立て
これがトマトの一本仕立てという栽培の仕方です。
二本仕立ては、わざとわき芽を一つ残してそこから収穫するやり方です。
一本仕立てのいいところは、栽培がシンプルで簡単なところです。
それから1本だけなので、場所をとらずに省スペースで栽培ができます。
それから風通しが良いので病害虫は発生しにくくなります。
二本仕立てにした方が収穫量は増えます。
しかし、広いスペースが必要になったり、病害虫が発生しやすくなったりするので少し管理が難しくなります。
トマトのわき芽は週に一度取る
わき芽は1回取ったら終わりではありません。
わき芽は毎日発生します。
先ほど紹介した小さいわき芽も3日後ぐらいには大きなわき芽になります。
少なくとも週に1回ぐらいの頻度でわき芽取りをやってみてください。
わき芽取りをしないと、どんどんわき芽が出てくるので忘れずにやるようにしてください。
取ったわき芽を苗にする方法
取ったわき芽を苗にする方法をご紹介します。
これぐらいのサイズの葉っぱが3枚くらいしかついてないものは、使う用途がないので取って捨ててしまって構いません。
エネルギーのロスを少くするためには、できるだけ小さいうちにわき芽を取った方がいいです。
けれども、
- そもそもわき芽を取るの忘れていた
- 取ったと思っていたのに気がついたら、わき芽が大きく育っていた
- わき芽じゃないと思っていたら実はわき芽で、よく見てみたら葉っぱの根元から発生していた
みたいなことがあります。
そこで、取り残してしまった大きなわき芽を水につけてみましょう。
すると茎の元の部分から根っこが発生します。
根っこが発生したわき芽をプランターやポットに植えることでトマトの苗として育てることができます!
これはDNA的に全く同じなので、イチゴでいうランナーみたいなものです。
同じ品種として使うことができます。
これを販売してしまうのは問題かもしれません。
けれども自分でわき芽を取って、それを育てることは問題ないと思います。
今回は取ったわき芽を水につけるところまで紹介しました。
苗の詳しい作り方はこちらの動画で紹介しています。
【トマト】支柱の立て方とわき芽の取り方見分け方【家庭菜園向け】のまとめ
今回はマトの支柱の立て方とわき芽の取り方についてご説明しました。
トマトを育てる時には必ず支柱を立ててください。
あと、わき芽は週に1回ぐらいの頻度で取ることが大事です。
もし支柱を立てなかったりわき芽を取らないと、とんでもない事になります。
地面にトマトが這いつくばって伸びて、葉っぱや果実が腐ってしまい、結構ひどいことになってしまいます。
なので必ず支柱を立ててください。
また、わき芽を取らないと色々なところに養分が分散してしまって実が小さくなったり、味がおいしくなくなったり、うまく育たないということに繋がってしまいます。
なので面倒かもしれませんが、支柱を立てることとわき芽取りを必ず行ってください。
また、支柱を補填しないとトマトがどんどん伸びてしまいます。
支柱は2週間に1回ぐらいの頻度で機継続的に補填してください。
取ったわき芽は苗として使うことも出来ます。
わき芽から作った苗やその苗から収穫した実を販売しなければ問題はないので、ぜひチャレンジしてみてください。
今回の内容はこちらの動画でご覧いただけます。