今回は家庭菜園初心者の方は3月や4月に夏野菜の苗をホームセンターで買わないでくださいという話をします。
「なんで買ってはいけないの?」と思った方が多いと思います。
なので、その理由を説明します。
また、最後に低温障害で傷んだ苗も紹介します。
「もしかしてこの苗は低温障害かな?」と思っている人はぜひ最後までお読みください。
写真の右側にあるのが今日購入した苗です。
大玉トマト・中玉トマト・キュウリ・ナス・いちご・キャベツの苗があります。
それから写真の左側にあるのが、数週間前に購入したミニトマトとピーマンの苗です。
数週間前に購入した苗については後で詳しく説明します。
- 2月頃ネット通販で買ったトマトの苗がうまく育たなかった…
- 我が家にはミニ温室があるから関係ないよ!
- 家庭菜園上級者も夏野菜の苗を買ってはいけないの?
という方におすすめの記事です。
家庭菜園初心者が3月4月に夏野菜の苗を買わない方がいい理由
まず、なぜ家庭菜園初心者は3〜4月にホームセンターの夏野菜の苗を買っちゃダメなのかを説明します。
このグラフは東京都の2020年3月1日~5月10日までの最低気温をグラフにしたものです。
最低気温は上がったり下がったりして、少しずつ上がっています。
東京都2020年3月の最低気温
3月の下旬までの気温に注目してください。
夜の最低気温が5度以下になることがあります。
2020年3月13日〜17日までの期間は最低気温が5度以下です。
3月25日や3月30日など、このあたりの期間も最低気温は5度以下まで下がっています。
最低気温が5℃以下になると夏野菜の苗は低温障害で枯れる
5度以下になると夏野菜の苗は枯れてしまいます。
なので、家庭菜園初心者の方は3月4月にホームセンターで売っている夏野菜の苗を買わない方がいいのです。
3月4月に夏野菜を購入した場合の対策もあります。
例えば
- 暖房機を使って温める
- ビニールハウスを2重構造にして保温する
- ビニールハウスの中にトンネルを作って二重構造にする
以上の対策をすれば、夏野菜を育てる場所の温度を上げることができるので植物を守れます。
ただ、対策をしないと恐らく枯れてしまいます。
東京都2020年4月の最低気温
次は4月に注目してみましょう。
4月になると夜は5~10度ぐらいの温度になります。
グラフを見ていただくと、大体5~10度ぐらいの範囲に収まってますよね。
5度以上の場合は保温をすれば大丈夫です。
保温というのは、ビニールハウスの中で育てたり、トンネルを作ってその中で育てたりすることです。
もしくは夜間は苗を室内に入れるので構いません。
東京都2020年5月の最低気温
次に5月上旬を見てみましょう。
5月上旬になると最低気温が10~20度の間になります。
こうなったら何にもしなくて大丈夫です。
何もせずに屋外で育てても夏野菜は枯れません。
夏野菜を植えるのは5月上旬のゴールデンウィーク頃がいい
一般的に夏野菜を植えるのは5月上旬のゴールデンウィーク頃がいいと言われています。
その理由がまさにこれなんです。
日本のゴールデンウィーク、5月上旬ぐらいの期間は最低気温が10度以上になります。
そうすると夏野菜は枯れません。
だから、夏野菜の苗を植えるならゴールデンウィークからと言われています。
家庭菜園初心者の方にぜひ見て頂きたい動画はこちらです。
全国の地域によって植え付けに適する時期が変わる
東京以外の地域はどうか説明します。
今回は東京の最低気温のデータを元に話をしました。
全国の地域によって気温が違うので、植え付けに適する時期もそれぞれ違います。
寒い地域の場合、夏野菜の苗はGW過ぎてから植え付ける
北海道にお住まいの方でしたら、多分ゴールデンウィークでもまだ寒いですよね。
なので、ゴールデンウィークよりもさらに時期を遅らせた方がいいでしょう。
私の実家がある長野県も寒いので、ゴールデンウィークに植え付けるのはまだ危険という認識です。
ゴールデンウィーク明けの5月中旬~5月下旬ぐらいに植え付けないと枯れるリスクがあるかもしれません。
何年かに1度のすごい遅れた寒波が、5月上旬~中旬に来る可能性もあります。
暖かい地域の場合、夏野菜の苗はGW前に植え付けてもいい
逆に西日本や九州などの暖かい地域にお住まいの方は、東京よりも2週間くらい暖かくなるのが早いと思います。
今回、東京は5月上旬のゴールデンウィークからがいいという話をしましたが、西日本にお住まいの方は4月中旬ぐらいから植え付けができそうですよね。
九州みたいに暖かい地域は東京よりももっと早く苗の植え付けができます。
お住まいの地域の気候のことを考えて、いつ頃夏野菜の苗を植えつければいいのか考えてみてください。
夏野菜について詳しく解説
もう少し詳しい説明をします。
「じゃあ夏野菜っていったい何なの?」と疑問に思う方がいるかもしれません。
夏野菜というのは、夏に収穫できる野菜のことです。
例えば
- 大玉トマト
- 中玉トマト
- ミニトマト
- キュウリ
- ナス
- ゴーヤ
- スイカ
などの野菜です。
キュウリの育て方はこちらの動画で説明しています。
ナスの育て方はこちらの動画で説明しています。
3月4月に植え付けた方がいい野菜の苗もある
3月4月に夏野菜を育てる際に注意点があります。
3月4月は野菜の苗を何も買わない方がいいと誤解しないでください。
あくまでもトマト・ナス・キュウリのような夏野菜の話をしています。
ここにイチゴやキャベツの苗があります。
他にもブロッコリー・カリフラワー・レタス・ネギ・ジャガイモなどの苗がホームセンターで売られています。
そういうものはぜひ買ってください。
なぜかというと
- イチゴ
- キャベツ
- ブロッコリー
- カリフラワー
- ジャガイモ
などは比較的に寒さに強いので、最低気温が10度以下になっても問題ありません。
逆に暑い夏に植えてしまうと、うまく育ちません。
なので、そういった野菜は春である3〜4月に植えた方がいいです。
追加すると、
- さやえんどう
- スナップえんどう
- そら豆
などの豆類も春に植え付けてください。
ただ、さやえんどう・スナップえんどう・そら豆などは本来前年の秋に植える方が多いです。
3月や4月に夏野菜の苗が売られる理由
では、なぜホームセンターは夏野菜の苗を3〜4月から販売するのでしょうか?
この理由は何個かあると思います。
できるだけ早く売った方が売れるからかもしれません。
また、ビニールハウスや暖房機を持っていて3月ぐらいからでもしっかり育てられる家庭菜園中級者以上の方が、苗が足りなくなった際に使うという用途が多いと思います。
ハウスや暖房機を持っている方は自分で苗を作ることが多いので、苗作りをした後で「苗が足りないから2株だけホームセンターで買う」ということは考えられます。
家庭菜園初心者に注意喚起しようとしたきっかけ
今回この解説をしようとしたきっかけをお話しします。
ホームセンターで確認されたあること
私がホームセンターで野菜の苗を買おうとした時に、レジの方から「これはハウス栽培用ですが、本当に購入されて大丈夫ですか?」と確認していただきました。
それで私は「確かに、初心者の人が買ったら大失敗するな」と思いました。
私はハウスもありますし、室内に植物工場もあるので問題なく育てられます。
でも、確かに間違えて買う人は多そうだなと思いました。
ホームセンター利用者の様子
実際、レジで店員さんが「ハウス用ですけどいいですか?」と聞いて、お客さんが「ハウス用って何?どういうこと?育てられないの?」と購入を断念し、レジまで持ってきた苗を売り場に戻すような動きをしていました。
また、家庭菜園ベテラン勢のおじいちゃんおばあちゃんが苗売り場を通った時に「え!?トマトの苗がもう売ってるよ。こんなの絶対まだ植え付けられないのに間違え買う人いるだろう」みたいなことを言っていたりして、確かにそうだと思いました。
何年も家庭菜園をしている方だったら知っていると思いますが、初心者の方や1~2年目の方は気付かないかもしれないので、こういった内容を解説することにしました。
ハウス栽培用だと確認しないで販売する店もあるかもしれない
私が行ったホームセンターは良心的で「本当に買って大丈夫ですか?ハウス栽培用ですよ。」と確認してくれました。
ただ、ホームセンターの中には確認をせずに売ってしまうお店もあるかもしれません。
例えば、新人のアルバイト店員がレジをしていて、確認するのを忘れてしまう可能性もあります。
また、最近はネット通販で野菜の苗が買えるので「Amazonでトマトの苗が2月から買えるから買って植えて外に出しておこう!」と思う方もいるかも知れません。
それをしてしまうと枯れるので気をつけてください。
夏野菜の苗で失敗した実例
中には「夏野菜の苗を外に出しておいたら枯れるみたいなこと言ってるけど、実際大丈夫なのでは?」と思ってる方もいるかもしれません。
また、ホームセンターで売っている小さいミニ温室などの中に入れておけば大丈夫と思っている方もいるかもしれません。
私も面倒だしとりあえず大丈夫だろうと、苗をそういう扱いにしました。
そうしたらどうなったのかをお見せしまう。
今日買った苗の様子
今日購入した夏野菜の苗からご紹介します。
これは中玉トマトだったかな?最初の花が咲き始めてます。
これは大玉トマトかな?これも最初の花が咲き始めていて、かなり大きいです。
たぶん1か月半ぐらいは苗作りをしたと思います。
これがキュウリで、もうこんなサイズです。
接ぎ木苗なので、クリップが残ってます。
これは茄子です。
これがイチゴです。
エンジェルエイトという白イチゴで、天使のイチゴとも言われています。
カネコ種苗さんの品種です。
キャベツの苗も買いました。
外に出してしまった夏野菜の苗
ここにあるのが3週間~1ヶ月ぐらい前にネット通販で購入したミニトマトの苗です。
最初は室内の植物工場で育てていました。
理由は
- 外がすごい寒いので、まだ外に出せない
- ビニールハウスはあるが暖房機がない
なので、室内にある植物工場に置いていました。
ただ、色々な植物を工場に置いて育て始めたかったので、ミニトマトとピーマンの苗をビニールハウスに移動したんです。
ビニールハウスがあるし大丈夫だろうと思って持っていったら、やはりダメでした。
低温障害のような症状が出てしまったミニトマト
ミニトマトにはそこまで大きなダメージはなく、若干葉っぱに枯れというか低温障害みたいな症状が出てしまいました。
新葉はそんなに大きなダメージはありませんが、生育はすごく悪くなってしまいました。
ビニールハウスに暖房機を入れる予定はないので、また室内に戻してミニ植物工場でもう少し苗を育てます。
寒さで葉っぱが落ちてしまったピーマン
被害が大きかったのはピーマンです。
葉っぱがおかしいですよね。
これも低温障害だと思います。
低温障害で葉っぱが枯れてきてしまっています。
葉っぱがどんどん落ちてしまいました。
ピーマンが葉っぱを落としちゃっています。
なので今回の話を聞いても、「寒さに強いから意外と大丈夫だろう」と思うかもしれないんですが、やはりダメージを受けて障害が出てしまうので気を付けて下さい。
【注意喚起】なぜ家庭菜園初心者は3月や4月に夏野菜の苗をホームセンターで買ってはいけないのか?まとめ
今回は、家庭菜園初心者の方は3月4月に夏野菜の苗をホームセンターで買うのをやめましょうという内容を紹介しました。
家庭菜園の初心者の方は、ゴールデンウィークぐらいに夏野菜の苗を購入して植え付けるのがオススメです。
家庭菜園中級者以上の方は、自分で苗を作る方が多いと思います。
苗が足りなくなった時や、苗作りが面倒だと思ったらホームセンターに行って苗を買い、ハウスや暖房機がある場所で育てることが多いと思います。
夏野菜の苗が寒さに弱いことを知らない家庭菜園初心者にはオススメしません
最後に念のためもう一度言っておくと、家庭菜園初心者の方には3〜4月に夏野菜の苗を買うことはオススメしません。
しかし、家庭菜園中級者以上の方は、夏野菜の苗が寒さに弱いということ分かっていると思います。
なので、夏野菜の苗を購入してハウスで暖房機を使って栽培したり、室内の植物工場で育てるとか色々なことができます。
つまり全員に買っちゃダメと言っているわけではありません。
夏野菜の苗が寒さに弱いことを理解していない初心者の方は買っちゃだめですよということです。
今回の内容は、こちらの動画でご覧になれます。