今回は5月に家庭菜園でやるべきことをご説明します。
5月はゴールデンウィークもありますし、全国的に夏野菜の栽培がスタートする時期です。
なのでやるべきことがたくさんあります。
家庭菜園初心者の方は是非最後までご覧ください。
5月に家庭菜園でやるべきこと①野菜の植える・種を播く
1つ目は野菜の苗を植えたり、種を播くことです。
5月上旬のゴールデンウィークに野菜の苗を植えたり種を播いた方も多いと思います。
関東ではゴールデンウィークくらいに苗を植えたり種を蒔くのが良いです。
ただし長野県・東北・北海道などはゴールデンウィーク中はまだまだ寒い日が多いです。
長野県は5月上旬でも最低気温が10度以下になることがあり、北海道は5度以下になる日もあります。
5月上旬ではまだ夏野菜の苗の植え付けや種播きには早いので、5月中旬~下旬ぐらいに夏野菜の苗を植えたり種を播くのがオススメです。
逆に西日本など暖かい地域にお住まいの方は、ゴールデンウィークよりも前かゴールデンウィーク中くらいに夏野菜の苗を植えたり種を播くのがいいです。
夏野菜の栽培は5月中旬~下旬や6月以降でも始められる
ゴールデンウィークに夏野菜の苗を植えたり種が播けなかったとしても焦る必要はありません。
ゴールデンウィークに苗の植え付けや種播きをするのがいいというのは、あくまでもゴールデンウィークから夏野菜の栽培に適した気候になるからです。
5月中旬~下旬や6月以降でも夏野菜の栽培は始められます。
栽培を始めるのが遅くなるほど収穫が始まるのも遅くなってしまうので、早い方がたくさん家庭菜園を楽しめます。
わざと植え付ける時期をずらして収穫時期を少しずつずらす方法もあります。
例えばトウモロコシ・枝豆・オクラなど種で播ける野菜は、1~2週間ぐらいの間隔をあけて種播きするのが良いです。
なのでゴールデンウィークから夏野菜の栽培が始められなくても、夏野菜の栽培を諦めないでください。
5月や6月からでも始められるので、準備ができたら是非夏野菜の栽培を始めましょう。
5月に家庭菜園でやるべきこと②野菜の苗の植え替え
2番目はダメになってしまった苗の植え替えです。
5月中に夏野菜を植え付けた場合、中には枯れてしまったり生育が悪い株も出てきます。
それはそもそも苗や種に問題があった可能性もあります。
または土に問題があったり、水やりや肥料や温度管理などに問題があった可能性も考えられます。
明らかに生育が悪い株をずっと育て続けても改善する可能性は低いので、生育の悪い株は抜き取って新しく別の苗を植え付けるのがいいです。
農家の方は生育が悪い苗が出ることを予想して、植え付けるよりも少し多めの苗を用意しておきます。
ただ家庭菜園の場合は苗が余って無駄になってしまう恐れがあるので、そこまでする必要ないかなと思います。
もし生育が悪い株が出てきたら、ホームセンターに行って別の新しい苗を買うようにしてください。
5月に家庭菜園でやるべきこと③植えた株の管理
次は植えた株の管理です。
植えた夏野菜に支柱を立てる
例えばミニトマト・ナス・ピーマンなどは支柱を立てる必要があります。
植え付けをする時は長さが短い仮支柱を立てておくと便利です。
これから5~6月になるとその仮支柱よりも、もっと背が高くなっていきます。
なのでその前に本支柱を立てましょう。
150~200cmくらいの長さがおすすめです。
1本仕立てにするなら1本だけ支柱を刺して、2本仕立てなら2本、3本仕立てなら3本刺します。
夏野菜の脇芽を取る
支柱を立てるのに合わせて脇芽を取る作業も行いましょう。
ミニトマトを1本にするのであれば、全ての脇芽を取って1本だけにします。
ピーマンやナスなら、側枝と呼ばれている脇芽を残して枝を3本にします。
そしてその3本に合わせるような形で支柱を立てます。
脇芽の取り方や支柱の立て方はこちらの動画で紹介しているので、ぜひご覧ください。
キュウリやゴーヤなどツル性の植物を育てる場合には、ツルの誘引作業も必要です。
まだネットを設置していない方はこのタイミングでネットを設置しましょう。
太い支柱を何本か立てて、そこを全部固定してからネットを設置する方法があります。
またグリーンカーテンのようにしたい場合は、2階の部分に紐か何かを設置して地面のプランターと固定をする方法もあります。
狭いスペースで育てたい場合には、大きめのリング支柱を使ってそのリング支柱にツルをはわせる方法もできます。
ツル性の植物を育てる場合には、強風でネットが飛ばされたり支柱が倒れないように注意してください。
支柱の立て方はこちらの動画でご紹介しています。
最初に咲いた夏野菜の花の管理
野菜によっては最初に咲いた花を摘んだ方がいい場合があります。
例えばキュウリなどです。
そういった野菜は花を摘んでください。
ピーマン・ナス・ミニトマトなどは最初の花から収穫をして構いません。
ただピーマンやナスなどは株に負担をかけないように小さいうちに収穫してください。
大玉トマトを育てる場合は、一番最初の花にきちんと実をつけないとその後花がつきにくくなってしまいます。
なのでトマトトーンという植物ホルモン剤を使って実を確実につけさせるのがオススメです。
花が咲く直前の蕾ぐらいから、花が咲いたぐらいの段階でスプレーを吹きかけてください。
私も今庭で大玉トマトを育てていてホルモン剤を使って受粉作業を行っています。
5月に家庭菜園でやるべきこと④追肥
次は追肥についてです。
月に2回くらい追肥
5月上旬に苗を植え付けた場合、最初に元肥を入れたと思います。
元肥入りの新品の培養土で野菜を育てている方なら元肥を入れる必要はありません。
元肥の効果はだいたい1~2ヶ月ぐらい持続します。
これは肥料の種類によって持続期間が変わります。
2ヶ月以上持続する肥料であっても、毎月同じ量の肥料分が溶け出すというわけではありません。
やはりどうしても最初は溶け出す量が多くて次第に少なくなっていきます。
なので植え付けてから1ヶ月ぐらいたったら追肥を始めましょう。
追肥の量は一株に1掴みか1つまみくらいの量
細かい話をすると、追肥を与える量は
- 肥料の種類
- 育てる野菜の種類
- 野菜の品種
- 土の状態
- 育てたい栽培のやり方
などですごく変わります。
しかし、その計算は非常にめんどくさいです。
なのでざっくり説明すると、ひとつかみかひとつまみぐらいの肥料を一株ずつに与えてあげてください。
使う肥料は緩効性の化成肥料か有機肥料がおすすめです。
追肥の仕方
土の上にただパラッと撒くのではなく株元から少し離れたところに溝を掘り、そこに肥料を入れて土と混ぜて土の中に肥料を入れるようにしてください。
その方が効き目が出やすく、肥料のニオイが気にならなくなります。
特に有機質の肥料の場合、肥料の臭いニオイが気になる場合がありますよね。
そういった場合は土の表面ではなくて、土を少し掘って肥料を土の中に埋め込むようにしてみてください。
そうすると肥料のニオイが少し軽減されます。
夏野菜の葉っぱの色で肥料の量を調整する
肥料は与えすぎもよくありません。
できれば葉っぱの色を見て肥料を与えるべきなのかどうか判断してください。
葉っぱの色が緑色の場合、肥料が十分足りているという証拠です。
黄緑色っぽくなってきたら肥料が足りなくなったサインです。
ナスの場合、雌しべの長さが雄しべの長さよりも長いと肥料分が十分足りているといわれています。
逆に雌しべが雄しべよりも短い場合、もしくは同じ長さぐらいの場合には肥料分が足りていないという指標も使えます。
ミニトマトやトマトは茎の太さを使って判断できます。
芽の一番上から15cm下の部分の茎の太さを測って、大体1cmくらいの太さだと肥料が足りています。
1cmよりも細ければ肥料が足りていませんし、1cmよりも太ければ多すぎます。
5月に家庭菜園でやるべきこと⑤水やり
次は水やりについてです。
畑で育てている場合、水やりは基本的には必要ありません。
ただ何日間も雨が降らずに野菜が少し萎れ始めてきたら水をたっぷりとあげてください。
例えばジョウロ一杯分を一株にあげられるといいです。
水の量にすると大体3~5ℓぐらいはあげた方が良いです。
プランターで育てている場合は土の表面が乾いたり、野菜が萎れ始めたら水をあげるようにしてください。
水が多すぎるのも野菜にとっては良くありません。
根腐れという症状が起きたり、野菜が軟弱に育つといわれています。
かといって水をあげなさすぎるのも生育によくないので、株が萎れたら水をあげてください。
5月に家庭菜園でやるべきこと⑥病気と害虫の対策
次は病気と害虫の対策です。
5月にするべき夏野菜の害虫対策
5月になると気温が暖かくなるので害虫が非常に発生しやすくなります。
- アブラムシ
- コナジラミ
- ハダニ
- ホコリダニ
- サビダニ
- アザミウマ
- ナメクジ
- ヨトウムシ
- アオムシ
などなどいろんな虫が発生します。
イモムシはなかなか大きなサイズになるので見ればすぐわかりますが、ハダニは肉眼ではかなり見づらいです。
ヨトウムシは昼間は土の中に隠れています。
夜の間だけ地表に出てきて葉っぱを食べるのでなかなか見つけづらいです。
こういった害虫の対策は、背が低い野菜育てている場合には防虫ネットで囲うのがオススメです。
また、粘着シートという黄色や青色のベタベタするシートが売っています。
ホームセンターや100円ショップなど色々なところで手に入ります。
これを紐でぶらさげたり、長い棒にくっつけておきます。
それを野菜の近くに置いておくと、アブラムシやコバエ、空を飛ぶタイプの虫が引っ付くというものです。
これに虫がくっつくことで少しは数を減らすことができます。
ただ、これで捕まえられる虫の量よりも虫が繁殖して増える量の方が多いので、これだけで虫を抑えることはできません。
ただ粘着シートに虫がつけば虫がいるというのがわかり、虫が動かなくなるので虫の種類を判断しやすくなります。
虫の種類がわかったらその虫に有効な農薬を使ってください。
ホームセンターに行けば色々な種類の農薬が売っています。
農薬の選び方はこちらの動画で紹介しています。
自分で農薬を作りたい方はその作り方はこちらの動画で紹介しているのでそちらを参考にしてみてください。
家庭菜園で数株だけ育てている場合は、農薬を使わずに虫を見つけたら手で捕まえて殺したり、水道水をホースなどでかけて虫を水で洗い流すのもオススメです。
5月にするべき夏野菜の病気対策
気温が高くなると病気も出やすくなります。
病気にはいろんな種類があり、いろんな症状があります。
しかも厄介なことにいくつかの病気は症状も似ています。
なので病気の判断はかなり難しいです。
それでも野菜の名前と症状をインターネットで検索すると、いくつかの病気がヒットするので、写真を見ながらどの病気なのかを判断してみてください。
農薬を撒くことで治療ができる病気もありますし、農薬を使っても治療できないものもあります。
特に根腐病などの根に問題が発生する病気は回復させるのが難しいです。
5月に家庭菜園でやるべきこと⑦雑草の対策
次に雑草についてです。
5月ぐらいになると気温が高くなってきて雨も降るので雑草の成長スピードがすごく速くなります。
1~2週間おいておくと一気に雑草は大きくなります。
そして花を咲かせて種がこぼれてどんどん増えていきます。
雑草を残しておくと、そこから害虫が広がったり病気が増える可能性があります。
なので基本的には雑草は取り除いたり、生えないように予防するのがオススメです。
自然栽培をされている方で雑草を一切抜きたくないという方はそれでも構いません。
自然栽培でない場合は、基本的に雑草は駆除します。
ホームセンターに売っている草かき鎌を使うと便利です。
または防草シートをあらかじめ敷いて雑草が生えにくい環境をつくるのもいいでしょう。
防草シートは一度貼ってしまえば何年か使えるので非常にオススメです。
ただし見た目が殺風景になってしまう点は少し残念です。
おしゃれな庭を作りたい方には向いていないかもしれません。
防草シートの選び方はこちらの動画で紹介しています。
5月に家庭菜園でやるべきこと⑧接ぎ木苗の管理
接ぎ木苗を購入した場合は、接ぎ木の境目から新しい芽が出てきてしまう場合があります。
その芽を育ててしまうと、本来育てたかった品種ではなくて台木の植物や品種を育てることになります。
スイカを育てているつもりがかぼちゃがなったみたいなことが起きます。
接ぎ木の境目から出てきた芽は早めに摘み取るようにしてください。
5月に家庭菜園でやるべきこと⑨人工授粉
野菜によっては人工授粉をした方が良いものもあります。
例えば
- ズッキーニ
- ゴーヤ
- スイカ
- メロン
などの野菜です。
ミツバチが飛んできて受粉をしてくれることもありますが、ミツバチがあまり飛んでいない地域だと人工授粉をしないと実がなりません。
ミニトマト・ピーマン・ナス・キュウリなどの野菜は、わざわざ人間の手で人工授粉しなくても、風や野生の虫などで受粉ができます。
5月は水耕栽培や再生栽培も始めやすい
5月は水耕栽培も始めやすい時期です。
シソの水耕栽培
例えば発泡スチロールの箱に水中ポンプを付けて水耕栽培することもできます。
これはベランダゴーヤ研究所のカタオカさんに作り方を教えてもらいました。
これでシソを育てるとすごく簡単にシソが栽培できます。
シソの育て方はこちらの動画でご紹介しています。
今はホームセンターでシソの苗が販売されるようになりました。
水耕栽培の装置を作って中に液肥を入れて購入したシソの苗をセッティングするだけで、秋までずっとシソを育てることができます。
さらに夏の終わりからも日長時間のコントロールをすれば穂を出させずにずっと葉っぱ収穫することもできます。
私も昨年の冬の途中までシソを育てていましたが「冬はあまりシソを使った料理は食べないな」と気づいたので育てるのをやめてしまいました。
でも、夏や秋にはシソを使った料理を作りたいですよね。
そうめん、シソの天ぷら、冷奴、茄子とオクラの揚げ浸しなどそういったものを作る時にシソが欲しいという方にはシソの水耕栽培はオススメです。
キッチンの窓際の日当たりが良い場所やベランダに置いておくとすごく便利です。
パイナップルの再生栽培
5月は再生栽培を始めるのにもすごく良い時期です。
私は台湾パイナップルの再生栽培を始めています。
根っこが生えてきました。
こっちは水につけ始めたばっかりなのでまだ根っこは出てきてません。
スーパーで売っているパイナップルのへたを取って水につけておくだけでも根っこが生えてきます。
これを育てていくとすごく大きくなります。
大体2~3年くらい育てると、花が出てきて花が咲いて実が取れるという仕組みです。
パイナップルについては、けんゆうさん(沖縄で無農薬で野菜を育てたり、熱帯果樹を育てている方)とのコラボ動画で詳しい話をしてます。
マニアックすぎて初心者の方が聞いたらわけがわからないかもしれませんが、園芸中級者や家庭菜園ベテラン勢の方だったらすごく面白いと感じるであろう内容なので、ぜひチェックしてみてください。
【家庭菜園】5月にやるべきこと!6月から夏野菜を収穫するために今すぐやるべき農作業のチェックリスト【初心者向け栽培のコツ】まとめ
今回は5月に家庭菜園でやるべきことをご紹介しました。
全てをちゃんと説明すると長くなってしまうので、今回は重要なポイントだけをお伝えしました。
それぞれの項目については、動画を参照してみてください。
5月はゴールデンウィークがあり、夏野菜の栽培を始めるのに最適な時期なので家庭菜園を始める方が多いと思います。
- 野菜の病気や害虫を防ぐ
- 雑草を防ぐ
- 支柱を立てる
- 脇芽を取る
- 追肥する
などなど、5月に色々やらないと6月や7月においしい野菜を収穫することができません。
なので5月のうちから野菜のお世話をしてあげましょう。
今回ご紹介した内容は、こちらの動画でご覧になれます。