今回はスイカの葉っぱやツルが完全に枯れてしまった原因の解明と対策についてご紹介します。
私は家で小玉スイカのピノガールを袋栽培していました。
元気に育っていましたが、1個目の実の収穫をする少し前から急に葉っぱが枯れ始めてしまいました。
それからあれよあれよという間に、完全に枯れてしまったんです。
もう心が折れましたね。
- スイカのツルが枯れてしまったのは何故だろう?
- スイカのツルに虫がいるけどこいつが犯人かな?
- スイカが枯れ始めたと思ったら一気に全部枯れちゃった!
など、同じようなトラブルが起きた方や来年スイカを育てたいと思っている方はぜひ最後までご覧ください。
スイカのツルが完全に枯れた時の状況
今回、スイカが枯れてしまった状況を説明します。
スイカの植え付けから枯れるまでの様子
今回は小玉スイカのピノガールの接ぎ木苗を購入して、新品の培養土にそのまま苗を植えて袋栽培をしていました。
袋栽培に使用した袋は培養土の袋です。
途中で摘芯して、子ヅルを伸ばし最終的に実を4個付けさせました。
生育が悪くなったのは梅雨明けぐらいです。
それぐらいから「あれ?葉っぱが枯れてるな」と気づいたんです。
最初に枯れ始めたのは株元からでした。
「株元の葉っぱが枯れ始めたぞ?」と思ったらどんどん広がり、今ではもう完全に枯れてしまいました。
ツルも葉っぱも枯れています。
ピノガールについて詳しく知りたい方は、ぜひこちらの動画をご覧ください。
スイカの葉っぱやツルが枯れた原因を推理
スイカの葉っぱやツルが枯れた原因を少し広めに考えます。
ホオズキカメムシが原因?
まず1つ目は、ホオズキカメムシです。
ホオズキカメムシはピーマンなどのナス科の野菜につき、茎から養分を吸い取って枯らせるカメムシです。
ホオズキカメムシはいろんな野菜に発生します。
今回は私のスイカにも発生していました。
なので最初はこのホオズキカメムシの影響で枯れたんじゃないかなと思っていました。
病気が原因?
2つ目は病気の可能性です。
ツル割れ病というツルで発生する病気や炭疽病という病気の可能性もあります。
またホモプシス根腐病という病気の可能性もあります。
これはベランダゴーヤ研究所のカタオカさんのメロン栽培の動画でもご紹介しました。
カタオカさんも今年はメロンが完全に枯れてしまうトラブルが発生してしまったようです。
その様子を見せて頂き、いくつか可能性が考えた中でこのホモプシス根腐病の可能性についても説明しました。
着果負担が原因?
3つ目に考えられるのは、着果負担による障害の発生です。
今回私は子ヅルを何本か伸ばして、そこに4個の実をつけさせました。
ピノガールは子ヅルの本数が多ければ4個の実が採れ、子ヅルの数が少ない仕立て方なら3個がいいといわれています。
今回、私は一株から最多の4個収穫しようとしました。
これが負担になった可能性もあります。
枯れてしまったスイカの様子
では、枯れ上がった実際の様子をご紹介します。
このあたりの葉っぱは風や台風の影響でかなり折れてしまっています。
このあたりの葉っぱは黒く枯れ上がってパリパリになってます。
この部分もツルが割れてしまっています。
この部分もツルが割れています。
ここの割れはひどいです。
このピノガールは花と野菜のプレミアム培養土の新品を使って、袋栽培で育てています。
肥料は有機肥料と化成肥料を両方使いました。
これが苗についていた札で、裏面にはピノガールの特徴が書いてあります。
ツルの部分はかなり木質化しています。
それから子ヅルが完全に枯れ上がっているものもあります。
株元には害虫もたくさん発生していました。
葉っぱが枯れる前の症状は黒い班が現れて、その後葉っぱが完全に枯れ上がりました。
最初葉っぱが茂っていた頃は、このビニールハウスの骨組みを上から見るとこんな感じだったんですね。
ただ、枯れ上がってからは葉っぱが全然なくなってしまいました。
スイカが枯れてしまった原因はツル割れ病
今回の問題が発生した原因を考えます。
少なからずホオズキカメムシの影響はあった
まず、スイカが枯れてしまったのにはホオズキカメムシの影響が少なからずあったと思います。
すぐ近くでピーマンやパプリカを育てていて、そこでホオズキカメムシの被害をかなり受けたんですね。
ホオズキカメムシが大量に発生した枝は全部枯れちゃいました。
もちろん株全体が枯れたわけではありませんが、何本かに分岐した枝のうち一部分が完全に枯れてしまいました。
ホオズキカメムシがスイカのツルでも発生していたので、もしかしたらホオズキカメムシによって、枯れてしまったのではないかと思っています。
ただ、今回の症状は最初は株元付近だけで起こり、あとは一気に全体に広がりました。
なので、ホオズキカメムシの影響だけではないと思います。
それからホオズキカメムシは一時期発生した後、しっかりと駆除できたのでその後はホオズキカメムシの問題は起きていません。
ホオズキカメムシの対策はこちらの動画でご紹介しています。
一番可能性が高いのはツル割れ病
今回起きた症状の中で一番可能性が高いのはツル割れ病です。
ツル割れ病は、葉っぱやツルが枯れたりツルが割れてヤニが発生します。
まさにこのような症状が起きていました。
さらに株元から発生がスタートして、それが全体に広がっていくのも症状として一致しています。
では、どうしてツル割れ病が発生してしまったのでしょうか?
ツル割れ病が発生した原因①着果負担
ツル割れ病が発生してしまった1つの要因として、着果負担が関わっているかもしれません。
先ほども説明した通り、ピノガールは最多で4個の実をならせることができる品種です。
4個は欲をかいてしまいました。
やはり2~3個ぐらいにした方が、根やツルなど株全体に対する負担が少なかったと思います。
4個だったので負担が大きくて根を消耗させ弱ってしまい、菌に感染しやすい状況を作ってしまったのかもしれません。
今回のツル割れ病が始まったのも4個の実をならせてから1個目の実を収穫する少し前くらいだったんですね。
植物は実がなるとそこにどんどん養分を送り込むので、葉や根がかなり消耗します。
これが1つの大きな原因だと思います。
ツル割れ病が発生した原因②気温や天候の影響
ツル割れ病が発生してしまったもう1つの要因は、夏の暑さと長雨、台風の影響です。
今年は夏の暑さが厳しかったです。
気温が非常に高いのは、スイカにとってあまりよくありません。
それから今年は梅雨がしっかりと長かったです。
また梅雨が明けた後、8月になってからも長雨が続きました。
長雨になると気温と湿度が高くなり、病気の菌が活発に動きます。
さらに台風もありました。
動画を撮影している時も、台風が来て風が強かったです。
台風で葉っぱが折れたり茎が傷ついてしまう問題も起きました。
このようなことも植物を弱らせる原因、病気の菌が植物の体内に侵入しやすくなった要因だと思います。
スイカのツル割れ病が発生した場合の対策
では、どういう対策が考えられるのかご紹介します。
土壌消毒
まず土の中に含まれている菌の対策は、今回は新品の培養土を使ったのでこれ以上の対応はできません。
ただ今回使った土をそのまま別の栽培に使うと、また同じようにツル割れ病が発生してしまう可能性が高いのでこの土は太陽熱消毒を行います。
なのでもし同じようにツル割れ病が発生した場合は、太陽熱消毒や農薬を使った殺菌などの土壌消毒おすすめします。
太陽熱消毒のやり方はこちらの動画で詳しく説明しているで、ぜひご覧ください。
着果負担を減らす
今回4個の実をならせたことによる着果負担も大きく関わっていると思うので、来年は2個か3個ぐらいにします。
さらに、4個の実はサイズが小さかったんですね。
写真だと分かりにくいかもしれませんが、一番大きなものでも1kgちょっとで後から収穫した実は1kgもないくらいでした。
ピノガールは最大2kgぐらいまで育つはずなので、やはり光合成不足や株に対して実の数が多すぎたと思っています。
雨風を防ぐ
これは難しいですが、雨風を防ぐのは大切だと思いました。
理想はビニールハウスの中で育てて、雨が降ろうが長雨が起きようが台風が来ようが、スイカの葉っぱや根っこにダメージを与えないのがいいと思いました。
殺菌剤の散布
あとは単純に殺菌剤の散布です
ツル割れ病に対して効果がある農薬を全体に散布するのが一番楽でしょう。
今回このピノガールは殺虫剤も殺菌剤も一切使用していません。
なので、農薬を全く使っていない割には上手く育ったと思います。
家庭菜園なので問題ありませんが、本格的に商業的に生産を行う場合はリスクになると思いました。
例えば、GFベンレート水和剤は、スイカのつる枯病、菌核病、炭疽病に効果があります。
【家庭菜園の病気】小玉スイカのツルや葉が枯れた原因は?病気?害虫?台風?着果負担?【1株に4個ならせた結果】のまとめ
今回はスイカの葉っぱが枯れてツルが枯れてしまった原因は一体何なのか?という話をしました。
いろいろな要因が組み合わさった結果、最終的にツル割れ病になって枯れてしまったのだと思います。
なので、まずはツル割れ病にかからないような対策をしましょう。
そして、もしなってしまった場合は農薬等で処理をするのがいいと思います。
ツル割れ病はスイカやメロンでも発症するので、スイカやメロンを育てたいと思っている人はぜひ参考にしてみてください。
今回ご紹介した内容は、こちらの動画でご覧になれます。