家庭菜園の超初心者の方向けに、夏野菜の追肥のやり方をできるだけわかりやすく紹介したいと思います。
- 追肥をやらないといけないの?
- 初心者でも扱いやすい夏野菜の肥料は何?
- 追肥の最適な量が知りたい
という方におすすめの内容です。
超初心者向けにわかりやすさを優先させて説明します。
実際には、育てる野菜の種類・土の種類・肥料の種類は野菜の生育や環境条件に合わせてやり方を変えないといけません。
その説明をすると複雑で難しい話になるので、今回はその話を切り捨てて簡単に説明します。
なので野菜栽培の経験がある方は今まで通りご自身のやり方に従って育てて下さい。
なぜ追肥をやらないといけないのか
土の中の肥料分の推移
まずは元肥の推移について見てみましょう。
こちらのグラフは横軸が野菜の苗を植え付けた後の週を示しています。
左から1週目、2週目、3週目、4週目、5週目です。
縦軸は肥料の量のおよその目安であると考えてください。
こちらの数値はあまり重要ではありません。
あくまでも模式図としてお考え下さい。
青色の線が土に含まれている肥料の量です。
緑色が野菜が吸収する肥料の量です。
まず一番最初に野菜を育てる時は、元肥を使うもしくは培養土に含まれる元肥が使われます。
その量を100とすると、土の中に含まれている肥料の量は減っていきます。
なぜかというと、雨や水やりで水と一緒に流れていったり、野菜や雑草が肥料を吸収するからです。
この野菜が吸収する肥料の量は、植物が大きくなるのに従って
と少しずつ増えていきます。
なので一般的に培養土に含まれている元肥は植え付けから約一ヶ月で殆どが消費されると考えられています。
このように野菜の吸収量が右肩上がりに増えていって、土の中に含まれている肥料の量が右肩下がりに下がっていくという傾向があることをまず理解してください。
もし追肥をしないと?
もし追肥をしない場合にはどうなるのか考えてみましょう。
植え付けからおよそ一ヶ月後に土の中の肥料が0になったとします。
そうすると、野菜が肥料を吸収できなくなるので生育が悪くなります。
生育が悪くなるというのは具体的に言うと、葉の色が薄くなったり、葉の大きさが小さくなったり、収穫量が下がります。
夏野菜は5月に苗を植えることが多いので、6月はこの状態になることが多いです。
なので6月に最初の追肥を行いましょう。
追肥をすると?
追肥をするとどうなるのか見てみましょう。
植え付けからおよそ一ヶ月後に追肥をしたとします。
追肥をすると肥料を吸収できるので、野菜の生育が悪くなりません。
それから追肥した分の肥料はその後次第に野菜に吸収されていきます。
また、雨や水やりなどで少しずつ外に流れ出ていきます。
夏野菜の肥料
夏野菜の肥料のやり方を見てみましょう。
簡単に表すとこのような感じです。
一番最初に元肥を使って一ヶ月ほど栽培した後、およそ一ヶ月間隔で追肥をします。
そうするとその肥料分を野菜が吸収したり、雨や水やりなどで外に流出します。
これを繰り返していくことで野菜が常に十分な肥料を吸収でき、生育が良く、収穫量が増えます。
どんな種類の肥料をどれくらい与えれば良いのか
追肥の種類と頻度
肥料は色んな種類があります。
特におすすめなのが、
- 有機肥料なら発酵鶏糞
- 化学肥料ならIB化成
- 液体肥料ならハイポネックス
ただし、新しい肥料を買うのが面倒なら持っているものでOKです。
新しい肥料を買うのが面倒で追肥をしないよりは、どんな肥料でも追肥した方が良いです。
それから、有機肥料と化学肥料を使った追肥の場合には月に一回ほどの頻度で行ってください。
液体肥料を使う場合には週に一回がおすすめです。
おすすめの肥料
ここにいま私がもっている肥料を集めてみました。
少しずつ紹介してみます。
有機肥料 発酵鶏糞
発酵鶏糞は有機肥料なんですけれども、速効性があるので追肥に向いています。
このような肥料には窒素リン酸カリの含有率が書かれていて、この発酵鶏糞の場合には窒素が3.7%含まれています。
他にも発酵油かすや牛ふん堆肥などを使っていただいても構いません。
化学肥料 IB化成
IB化成は窒素が10%含まれています。
化学肥料の場合には100円ショップやホームセンターなどで売っているこのような粒のものでも構いません。
それから、ベジフルやマグァンプのような主に元肥に使われている肥料をお持ちの方は、新しく追肥を買うのが面倒な場合には使っていただいても構いません。
液体肥料 ハイポネックス
液体肥料の場合にはハイポネックスを使うのが簡単でおすすめです。
ハイポニカ液体肥料を持っている方はこちらでも構いません。
ただし、このような活力剤は肥料ではないので追肥には使わないでください。
それからこちらのエキダスや、100円ショップで売っている栄養液も肥料ではないので追肥には使えません。
ただしこのような活力剤も、追肥と一緒に活力剤として使うのはOKです。
一回の追肥の量
今回は固形肥料について説明します。
液体肥料については、その液体肥料の使い方を守って使ってください。
今回は夏野菜であるトマト、ナス、キュウリなどの1株あたりの量を説明します。
こちらの表の左側は窒素の割合です。
右側は実際に使う肥料の量です。
この窒素の割合についてですが、肥料の袋には窒素の割合が必ず数字で書いてあります。
例えばこのベジフルには、窒素7・リン酸7・カリ10・マグネシウム1.5と書いてあります。
窒素7=窒素が7%含まれているということです。
こちらの発酵鶏糞には窒素3.7%です。
IB化成は窒素10%です。
このように家庭菜園向けの肥料はだいたい窒素が3~10%のものが多いです。
今回は一株に一ヶ月に2gの窒素を与える場合、窒素3%の肥料を使うなら67gを与えます。
それぞれ窒素の割合が増えたら使用量は減っていき、窒素の割合が10%なら20gです。
実際には肥料の種類や溶ける速度などを考えないといけませんが省略します。
追肥のやり方
肥料の量を測りましょう。
まずはこの発酵鶏糞を使います。
私の一握りの量を測ってみます。
私の一握りは46gでした。
こんな感じで、成人男性の一握りが50gくらいです。
この発酵鶏糞なら一握りを一株に与えればOKです。
窒素の量が7~8%の肥料の場合には、一握りを二株に与えればOKです。
私が育てている夏野菜を集めました。
小玉スイカ、ズッキーニ、ツルムラサキ、トウガラシ、シソ、エダマメ、ナス、ミニトマト、キュウリがあります。
家庭菜園ベテラン勢なら、葉の色、雌しべの長さ、茎の太さなどで栄養診断をして追肥の必要性を判断したり、肥料の種類と量を判断できると思います。
家庭菜園の超初心者の人はそのような判断は難しいと思いますので、一ヶ月に一回、決まった量を与えると良いと思います。
では実際に肥料をあげてみましょう。
こちらのズッキーニを使って説明します。
ここにズッキーニの株があります。
今回は袋栽培をしていますが、プランターとか植木鉢も同じように考えてください。
畑で畝を立てて育てている場合も大体同じです。
追肥は株元には与えない方が無難です。
容器の端や畝の端に与えます。
浅い穴や溝を掘ります。
堀った穴に肥料を入れます。
この時、容器や畝の各方面に何箇所か穴を掘るか、溝として全体的に掘ってください。
こちらは容器の端に溝を掘りました。
ここに肥料を入れます。
このように肥料を入れたら、土を被せます。
これでOKです。
水やりをすると肥料が溶け出して、植物が根から肥料を吸収します。
株元に与えてしまうと、一度にたくさんの肥料がたくさんの根にいくので、根が焼けたり、急に吸収しすぎる場合があります。
なので端に与えた方が失敗しにくいです。
畝で育てている場合も少し離れたところへ与えるのがおすすめです。
このように袋を小さく切って袋栽培をしている場合には、この切れ目から手を入れて奥の方の株元から離れた場所に肥料を入れましょう。
もし作業がしづらければ、切り口を広げてもOKです。
こちらは植木鉢で育てているシソです。
例えばシソのように植物が小さい、植木鉢が小さい場合には与える追肥の量を減らしてください。
このくらいなら1/4の量にします。
この場合も、まずは植木鉢の端に溝もしくは穴をあけます。
そこにひとつまみの肥料を入れます。
土を被せます。
これでOKです。
夏野菜の追肥方法まとめ
家庭菜園の超初心者の方向けに、夏野菜の追肥のやり方をできるだけわかりやすく紹介説明しました。
5月に植えた夏野菜は、6月に最初の追肥を行いましょう。
こちらの動画でも紹介しています。