今回は野菜の袋栽培のやり方を紹介します
皆様は野菜の袋栽培をご存じですか?
ホームセンターやインターネット通販で売っている野菜用の園芸培土がありますよね。
袋栽培とは、培養土が入っている袋にそのまま野菜の苗を植えて育てる方法です。
「そんなこと出来るの?」と思うかもしれませんが、実は袋栽培は世界中で行われています。
商業的なプロの栽培施設でも使われている方法です。
私は大学院の時にイチゴの袋栽培の研究をしていました。
日本や海外ではイチゴを袋で栽培する大規模なイチゴ農園があります。
ジャイカの青年海外協力隊時代に、私は袋栽培のやり方を指導していました。
袋栽培は家庭菜園で非常に有効な栽培技術として世界中で使われています。
では早速、家庭でできる野菜の袋栽培の方法をご紹介します。
野菜の袋栽培が正解中で使われている理由
まず、袋栽培がなぜ世界中で使われているのか、その理由を説明します。
理由は3つあります。
野菜の袋栽培が世界中で使われている理由①コストが安い
1つ目コストがすごく安いことです。
プランターなどが必要ないので非常に安くできます。
野菜の袋栽培が世界中で使われている理由②栽培が簡単
2つ目は栽培がとても簡単なことです。
袋栽培と聞くと何か特別な技術が必要なように感じますが、やっていることはプランター栽培や植木鉢での栽培と全く一緒です。
なので、難しい技術は必要ありません。
野菜の袋栽培が世界中で使われている理由③野菜がよく育つ
3つ目の理由は野菜がとてもよく育つからです。
なぜかというと、先ほど説明した通り袋栽培は植木鉢やプランターでの栽培と同じように栽培できます。
かつ、野菜栽培用の培養土を使うので野菜にとってベストな環境で栽培ができます。
以上3つの理由から袋栽培はプロの農家の方や世界中の色々なところで利用されています。
野菜の袋栽培に必要な道具①野菜の苗や種
今回、袋栽培をするために用意した道具を紹介します。
まずは野菜の苗です。
大体どんな野菜でも栽培できます。
葉物野菜でも実がなる野菜でも根菜でも大丈夫です。
今回私が用意したのは唐がらし・キュウリ・トマト・ツルムラサキです。
再生栽培で作った苗も袋栽培できる
私は再生栽培という野菜の育て方を紹介しています。
再生栽培で作った苗を袋栽培に植えても問題ありません。
もちろん種から育てることもできます。
再生栽培についてはこちらの動画で説明しています。ぜひご覧ください。
野菜の袋栽培に必要な道具②培養土
次は土の説明をします。
土は野菜栽培用の園芸培土や培養土のような名前が書いてあるものを使ってください。
元肥といって肥料が最初から含まれているものがオススメです。
袋の大きさは20リットルの大きなものを使ってもいいですし、5リットルくらいの小さなものでも構いません。
袋栽培の土の量は多いほど栽培が簡単
土の量は多ければ多いほど栽培が簡単になります。
沢山の株数を育てることができます。
小さければ小さいほど少し栽培が難しくなります。
なぜかというと根っこの量が少くなり、吸収できる水の量が少なくってしまうからです。
また、土の中に含まれている肥料の量が少なくなるからです。
ただ、育てる野菜の大きさによっては小さな袋がいい場合もあります
また、中ぐらいの袋やもっと大きな袋がいいものもあるので育てる野菜によって調整してください。
狭い場所で育てる場合には5リットルくらいの袋がいい
袋を置く場所には限りがありますよね。
広い庭を持っている方なら20リットルの大きな袋を何個も使っていただいても大丈夫だと思います。
ただ、狭いベランダで育てたい場合は5リットルぐらいの袋がオススメです。
培養土の袋がない時は丈夫な袋で代用できる
市販の培養土をそのまま使うのが最も簡単なやり方ですが、もし袋がない場合には別の方法があります。
例えば、ニトリやユニクロなどに行くと少し厚手の丈夫で大きなビニール袋がもらえますよね。
こういう袋を栽培に使う方法です。
※袋栽培用の袋も売っています。
コンビニやスーパーでもらうレジ袋は耐久性が弱いですが、この袋だったら耐久性が強いので栽培に使えます。
これくらいのサイズでもいいです。
袋栽培で使う培養土を選ぶポイントは袋の材質
市販の土を選ぶ時にポイントが1つあります。
土の種類はそんなにだわらなくて大丈夫です。
ホームセンターやインターネット通販で売っている野菜栽培用の土だったら基本的に問題ありません。
市販の土を選ぶポイントは袋の材質です。
説明するのが難しいですが、この袋は少し分厚い素材でできています。
なので私はこの袋を選びました。
土で選んだというよりはこの袋で選びました。
こちらは100円ショップのダイソーさんで売っている培養土の袋です。
ダイソーさんの袋のサイズでも十分袋栽培には使えますし、土も問題ありません。
ただ問題が1つあります。
袋が少し弱いです。
薄いペラペラの袋を使うと、最初はいいですが育てているうちに太陽光で劣化して破れてしまいます。
なので、袋が分厚い素材(低密度ポリエチレン製)のものを使ってください。
太陽光で劣化しない仕組みが作れれば弱い袋を使ってもいい
もし弱い袋を使いたい場合には、回りをもう1枚のビニールで覆ったり、ダンボールや防草シートで覆ってください。
太陽光で劣化しない仕組みさえできれば、このようなものを使っていただいても構いません。
野菜の袋栽培に必要な道具③カッターとドライバー
次の道具はカッターとドライバーです。
これは袋を開ける時、それから袋に穴を開ける時に使います。
野菜の袋栽培に必要な道具④追肥用の肥料
これ以外に必要なものは、追肥で使うための肥料です。
最初は培養土には肥料が含まれているので肥料は必要ありません。
ただ育てている途中で追肥のために肥料が必要になります。
野菜の袋栽培に必要な道具⑤支柱・ネット
次は支柱とネットです。
野菜によっては支柱を立てたり、ネットが必要なことがあります。
支柱はこういう支柱を買ってください。
ホームセンターや100円ショップやAmazonでも買えます。
支柱の必要な長さは野菜によって変わります。
つる性の野菜を育てる時にはリング支柱やネットを使います。
それぞれ野菜の育て方は、過去に色々な動画で紹介しているので、ぜひご覧ください。
野菜の袋栽培に必要な道具⑥その他
袋栽培で使うその他の道具です。
必要に応じて準備してください。
袋を止めるビニールテープ
苗を植えた後に袋を折りかえした部分が浮いてしまうので、気になる方はビニールテープを用意してください。
転倒防止の石やブロック
袋は地面に直接置いておくと倒れてしまうことがあります。
それを防ぐために、大きな石やブロック、別のプランターなどで支えてください。
泥水を流さないための受け皿用バット
ベランダで育てる場合は、袋から土が混ざった水が出てしまいます。
それが排水溝に流れるのが気になる方は、100円ショップなどで売っているバットを使ってください。
この中に袋を入れて、そこで水をあげれば泥水がここにたまります。
その水を定期的にどこかに流していただければベランダは汚れません。
野菜の苗を培養土の袋に植える①排水用の穴を開ける
今回はこちらの2つの袋を使います。
先ほど説明した袋の厚さはこのようなタイプです。
農業用肥料の大きな袋や肥料などが入っている分厚い袋がオススメです。
オススメの道具はドライバー
排水用の穴を開けます。
穴を開ける時のオススメはドライバーです。
ドライバーを刺せば簡単に穴が開きます。
穴の数が少ないと土が詰まって水が出なくなったりするので、ドライバーで何個も穴を開けてください。(20箇所くらい)
袋の底を刺して、反対側もやってください。
こうすることで、置いた時に底と下の側面から余分な水が流れ出ます。
今私が穴を開けた位置はこことここなので、袋を立たせた時の上の穴がこの辺りです。
では、2つ目の袋もやってみましょう。
2列開けるのがオススメです。
これは形を整えれば倒れなくなります。
ただ、衝撃が加わると倒れてしまうので、他のプランターやコンクリートブロックなどを置いて安定させvた方がいいです。
排水が気になる場合は受け皿をする
排水が気になる方は、受け皿に入れて置いておくと良いです。
ただ、受け皿に排水が溜まったら必ずすぐに捨てるようにしてください。
野菜の苗を培養土の袋に植える②培養土の袋の上を開ける
次に袋の上部を開けましょう。
先に上部を開けてしまうと、底に穴を開ける時に土が溢れてしまいます。
順番を間違えないようにしてください。
袋の開け方は上を全部開けてしまってもても構いません。
ただ、できればこの袋自体をマルチのような形で使いたいです。
なので、袋の中の土を平らにして立たせてください。
この形で栽培したいので、上の部分にカッターで十字かT字に切り込みを入れます。
上で見るとこの真ん中に苗を植えます。
袋栽培は袋を寝かせて植える方法もある
今回は袋を縦方向で使うやり方を説明しています。
ただ、袋栽培は横に寝かすやり方もあります。
横に寝かして植える場合は、袋を平らに寝かせて上面にカッターで穴を開けて苗を植えつけます。
その時は下面に排水穴を開けてください。
ここにそのままは植える方法です。
2つのやり方があります。
どちらのやり方でも構いません。
商業的な施設では横にすることが多い
商業的に野菜を栽培している施設の場合は、横にする場合が多いです。
例えばイチゴやトマトです。
横に寝かすとスペースをとってしまうので、家庭菜園でやる場合には縦で置いた方がスペースを有効活用できてやりやすいと思います。
直接地面に置くと夏場に袋の中の土が熱くなる
縦に置いた場合も影響しますが、例えばコンクリートの上に袋を置いた場合、夏場は非常に熱くなって袋の中の土の温度が上がってしまいます。
そういう場合は、下に石を置いたりして直接コンクリートに触れないように注意てください。
特に横に置いた場合に影響は大きくなってしまいます。
野菜の苗を培養土の袋に植える③苗を植えるための穴を開ける
2つ目の培養土も縦方向で使うので、先ほどと同じように袋の上部にカッターで切れ込みを入れて野菜の苗を植えます。
野菜の種を播く場合はここに播いてください。
今回は苗を使います。
まず袋の中の土に、ポットを同じ大きさの穴を開けます。
野菜の苗の土の分だけ穴を開けましょう。
袋栽培では鉢底石を入れないので水やりの量に注意する
通常、植木鉢やプランターで野菜の苗を育てる場合には容器の下に鉢底石を入れますが、今回は入れないので水のやりすぎに注意してください。
園芸培土用の袋を使わない場合、例えばニトリやユニクロでもらった丈夫な袋を使う場合にも必ず穴を開ける作業を忘れないでください。
野菜の苗を培養土の袋に植える④苗を植える
それでは上に開けた穴に野菜の苗を植えます。
唐辛子の苗を植えます。
苗を取る時は引っ張らずにひっくり返して、少し揉んでポットを引き抜いてください。
あとは苗を開けた穴に入れます。
まわりの土を寄せて苗と袋の土の高さを合わせましょう。
そうしたらビニールを折ります。
植え付け作業が終わりました。
野菜の苗を培養土の袋に植える⑤水をあげる
あとはここにたっぷりと水を注ぎます。
最初は特に土が乾いているので水をたっぷりあげてください。
先ほど開けた穴から水が溢れてきたら水やり完了です。
これからは袋の中の土の表面が乾いたと思ったら水をたっぷりあげてください。
たっぷりというのは、袋の底の穴から水が出てくるまでです。
同じ手順でトマトの苗を植える
では、トマトも植えてみましょう。
こちらも同じように先に少し穴を開けてから苗を植えます。
苗が中に入ったらまわりの土を少し集めて高さを合わせます。
植え付け作業が終わったら、水をたっぷりあげます。
野菜の苗を培養土の袋に植える⑥支柱が必要な野菜は支柱を立てる
今回はトマトと唐辛子を植えたので、支柱を立てます。
支柱の立て方は色々ありますが、今回はシンプルな1本だけ差す方法にします。
袋の底まで深く差し込んでください。
あとはビニタイで固定します。
支柱と枝は8の字結びで固定しましょう。
同じようにして、唐辛子も支柱を立てます。
野菜の苗を培養土の袋に植える⑦札をつける
あとは品種名など忘れないように札をつけましょう。
植え付けた日付も書いてください。
野菜を袋栽培で育てる時のポイント
袋栽培で野菜を栽培する上でのポイントをいくつかご紹介します。
植えた苗は直射日光が当たる場所に置きましょう
野菜を育てる時は直射日光がたっぷりあたる場所で育ててください。
直射日光が当たらない場所や日陰では野菜がよく育ちません。
袋の折り返し部分はテープで止める
袋の上の部分が上がってきてしまうのが気になる場合は、ビニールテープを使って止めてください。
ビニールテープを貼ります。
袋栽培は真夏の直射日光に注意
真夏に袋の側面が直射日光が当たると、土の温度が高くなって野菜の生育が悪くなることがあります。
なので、真夏には周りにダンボールや別のビニール袋を置いたりして直射日光が当たらないようにしてください。
その方が生育がよくなります。
袋栽培の今後の管理
今後は植えた野菜の育て方を守って、プランターや植木鉢で植えた場合と同じように育ててください。
私のYouTubeチャンネルではトマトやナスやきゅうりなどの色々な野菜の育て方を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
トマトは一番最初の花が咲いた頃に苗を植え付ける
トマトの苗を植える時期は、一番最初の花が咲いた頃です。
こんな感じでいいです。
【袋栽培】安く簡単にたくさん収穫する方法とコツ【家庭菜園ベランダ菜園】まとめ
野菜の袋栽培、今回はトマトと唐辛子を植えました。
色んな野菜で代用できるので、ぜひ育ててみてください。
今回は市販の園芸培土を使いましたが、
- オリジナルの土を使いたい!
- 培養土が手に入らないので地面の土を使いたい!
という場合でもでも大丈夫です。
皆様もぜひ野菜の袋栽培にチャレンジしてみてください。
今回の内容はこちらの動画で詳しく説明しています。ぜひご覧ください。