今回は、家庭菜園の害虫対策として防虫ネットをご紹介したいと思います。
- 防虫ネットってどうやって使うの?
- 防虫ネットでどんな虫が防げる?
- オススメの防虫ネットが知りたい
という方におすすめの内容です。
防虫ネットを使うと害虫が野菜に付きにくくなり、農薬の使用回数を減らしたりなくすことができます。
防虫ネットとは
防虫ネットの基本的な情報について説明します。
防虫ネットとは、害虫が野菜につくのを防ぐネットです。
網目の大きさは0.4~2.0mm程度の大きさがあります。
骨組みを使うことで、どんな作物にも使えます。
値段はおよそ1,000~5,000円程度あれば家庭菜園には十分だと思います。
防虫ネットのメリットとデメリット
防虫ネットのメリット
次に防虫ネットのメリットについて説明します。
- 害虫の被害を減らせる
- 物理的に防ぐので効果が高い
- 一度設置すればずっと効果がある
- 何回も繰り返し使える
- 防鳥効果もある
- 自然農薬よりも予防効果が高い
このように防虫ネットはメリットがたくさんあるので、プロの商業的な農家の方も使っています。
もちろん家庭菜園で使うのもおすすめです。
虫対策といえば自然農薬を作ることを考える方が多いと思いますが、私の意見としては自然農薬を使うよりも防虫ネットを使った方が効果が高いと思います。
防虫ネットのデメリット
次に防虫ネットのデメリットについて説明します。
- 風通しが悪くなり、温度が高くなる
- 100%防げる訳ではない
- 作業がやりづらくなる
- 強風で飛ばされる恐れがある
- 害虫が減る訳ではないので、周囲の植物に被害が出る
- 殺虫効果はない
- 隙間があると効果が弱い
- 設置が面倒くさい
このようなデメリットがあります。
特に注意が必要なのは、風通しが悪くなり防虫ネットの中の温度があがることです。
植物によっては温度が高くなりすぎると生育が悪くなるものがあります。
それから台風がきたときなどは強風で防虫ネットが飛ばされないように注意してください。
防虫ネットの効果
次に防虫ネットの効果を説明します。
こちらはアザミウマ防除ハンドブックという本に書かれていたデータを元に作成したグラフです。
こちらはアザミウマの侵入防止効果を示したグラフです。
縦軸に侵入率、横軸の左側に防虫ネット不使用の場合のアザミウマ侵入率、右側に目の大きさが2.0mmのネットを使用した場合の侵入率を示しています。
こちらのグラフを見ていただくと、防虫ネットを使った場合には不使用の場合と比べておよそ80%アザミウマの侵入を防げているとわかります。
このように防虫ネットの効果は非常に高いです。
防虫ネットの目の大きさの影響
次に防虫ネットの目の大きさの影響を見てみましょう。
こちらも先ほどと同じようにアザミウマの侵入防止効果を示しています。
一番左側が不使用、次に防虫ネットの目の大きさが2.0mm、1.0mm、0.8mm、0.6mmと続いています。
目の大きさが2.0mから0.6mを比べてみると、目の大きさが小さくなれば小さくなるほど侵入率は低くなり防虫効果が高くなっていることを示しています。
なので基本的には、網目の大きさが小さいほど効果が高いです。
害虫の大きさ
次に害虫の大きさを見てみましょう。
右側がアブラムシです。
アブラムシはおよそ3.0mmぐらいの大きさです。
左下に描いてあるのはハダニという害虫なんですけれども、この害虫は体の大きさが0.5mmほどしかありません。
なので家庭菜園を初めてする人は、おそらくアブラムシの存在には気づきますがハダニには気づかないと思います。
しかしハダニは体の大きさが0.5mmほどしかないので、小さすぎて防虫ネットでは防げません。
それからハダニよりさらに小さいホコリダニというダニもいます。
ホコリダニは0.2mmなので肉眼では見えません。
そのため防虫ネットですべての害虫が防げる訳ではありません。
防虫ネットの選び方
次に防虫ネットの選び方について説明します。
防虫ネットを選ぶときには防ぎたい虫によって、網目の大きさを選んでください。
例えば、ガやチョウの場合には目の大きさが1.0mmほどあれば十分だと言われています。
アブラムシは0.8mmほど、コナジラミは0.6mmほど、アザミウマも0.6mmほどあると良いです。
基本的には、目が小さければ小さいほどいろんな虫に効果があります。
ただし目が小さくなるほど風通しが悪くなって温度が上がりやすいので気を付けてください。
防虫ネットの使い方
次に防虫ネットの使い方について説明します。
- 虫が出る前に防虫ネットをかける
- 虫を駆除してから防虫ネットをかける
- 作業する時にはネットを外す
- 強風で飛ばされないように固定する
例えば、畑で防虫ネットを使う場合には裾の部分をしっかり土に埋め込んでください。
それから支柱に細いパッカーで固定するのもおすすめです。
ベランダなどでプランターや植木鉢に対して防虫ネットをつける場合には、プランターや植木鉢にしっかり固定してください。
台風などの強風が吹く場合には重しを載せたり、場所を移動させておいたり対策を取ってください。
防虫ネットの種類
次は防虫ネットの種類について説明します。
基本的には白色が多いです。
ただしアザミウマ用として赤色もあります。
銀色の糸が入ったものもあります。
これはアブラムシなどの飛んでくるタイプの虫を避けるためです。
畑に防虫ネットを作る場合にはトンネルを作る、もしくは骨組みで小さなハウスのようなものを建ててください。
プランターや植木鉢に使う場合には専用のものがあるのでそれを使ってください。
もしくは簡易的な骨組みを作っていただいても構いません。
それから育てる野菜の背の高さによって骨組みの高さを調整してください。
背が低い野菜を育てる場合の防虫ネットの張り方
例えば、こちらは畑で背が低い野菜を育てる場合の防虫ネットの張り方です。
太くて曲げられている支柱か、細くて曲げられる支柱を地面に刺してください。
その支柱の上に防虫ネットをかけて、裾を地面に埋めていただければ完成です。
支柱に小さなパッカーで固定するとより強度が上がります。
これはキャベツや枝豆などを育てるときによく使われています。
背が高い野菜を育てる場合の防虫ネットの張り方
こちらは畑で背が高い野菜を育てる場合の防虫ネットの張り方です。
このように簡易的なビニールハウスのようなものを建てていただいて、上の面にはビニール、横の面に防虫ネットを張ってください。
例えばこれはトマトやナスなどの栽培に使われています。
植木鉢で背が高い野菜を育てる場合の防虫ネットの張り方
こちらは植木鉢で背が高い野菜を育てるときに使われているものです。
防虫ネットにスリットが入っていて、作業もしやすくなっています。
こちらはトマトなどの栽培に使えます。
おすすめの防虫ネット
私が購入したおすすめの防虫ネットを紹介したいと思います。
0.6mm目防虫ネット
こちらはただの防虫ネットです。
防虫ネットだけが入っているものです。
0.6mmと、目が細かいタイプの防虫ネットです。
有効害虫、対象作物が書いてあります。
ハモグリバエ・キスジノミハムシ・アザミウマなどに効きます。
キャベツ・トマト・大根・カブ・白菜・小松菜・チンゲンサイ・ナス・トマト・レタス・ホウレン草・ソラ豆・イチゴなど、いろんなものに使えます。
サイズは幅1.8m×長さ5mです。
注意事項として「ご使用場所・気候条件により被覆内部が高温になる場合があります。特に夏場の換気にはご注意ください。」という風に書いてあります。
0.6mmくらいの目が細かいものになると、このようにトンネルとして使うと中の温度が高くなってしまうことがあります。
風通しに関してはこの目合の大きさだけでなく、糸の材質なども影響します。
こちらの場合にはかなり細い糸を使うことで通気性もできるだけ両立しているというのが書いてあります。
なので畑で育てていて、このようなトンネルを作りたい場合このようなものを使ってみてください。
あとはこの幅とかサイズがものによって違うので、どれぐらいの長さを使いたいのか、どれぐらいの幅で使いたいのかによって商品を選んでください。
防虫ネットの張り方はこちらの動画で詳しく説明しています。
菜園プランター650用支柱・防虫ネットセット
こちらは深型菜園プランター650用支柱・防虫ネットセットです。
「コナガやアブラムシなどの害虫を寄せ付けず、作物を守ります。」と書いてあります。
それでこちらは、
当社「深型 菜園プランター650」専用です
とあるので、基本的にはこちらのメーカーが出しているプランターとセットで使うようです。
プランターに穴が開いているので支柱を刺して使うというものです。
別にこちらのプランターでなくても同じように穴を開けたり、土に刺したり、プランターにテープなどで固定したりすれば、別のプランターでも問題なく使えると思います。
こんな感じで支柱がセットで売っているものもあります。
家庭菜園初心者の人でどんな支柱を使えばいいのかわからないという人は、こちらを使った方が簡単だと思います。
ミニ温室を使った方法
それからこちらの枠は、ミニ温室です。
ミニ温室というのは、この中にプランターや植木鉢を入れて周りをビニールで囲って寒さ対策に使う商品です。
本当はこれは三段式なので上にもう一段あって、周りが全部ビニールに覆われています。
こちらの枠を使って、ビニールの代わりに防虫ネットを張って虫対策という使い方もできます。
ミニ温室は寒い時期にだけ使い、夏はあまり使い道がないなという方も多いと思います。
なので暖かい時期には防虫ネットと組み合わせて使ってみてください。
注意点として、隙間があると虫が入ってきてしまうので、防虫ネットを張り巡らせるときはしっかり固定してください。
例えば洗濯バサミやパッカー、安全ピン、紐などでしっかり固定して隙間がないように設置してください。
すっぽり虫よけカバー
こちらは、プランター用すっぽり虫よけカバーです。
大きなカバーを作って、すっぽりとプランター全体を覆うものです。
結構便利そうだなあと思ったので、今からこちらを組み立ててみたいと思います。
こちらの商品は、
アオムシ・コナガ・アブラムシ・ヨトウムシなどの侵入防止
カバーの上から水やりOK!
※カバーは約30%の遮光性がありますカバー目合い約0.6mmで害虫の侵入をブロック!
という風に書いてあります。
そしてプランターのサイズは幅70cm以内、奥行39cm以内、高さ32cm以内が適合サイズです。
ではさっそく、組み立てます!
こんな感じのものが入っていました。
骨組みができました。
これで完成です!
フレームの外側に防虫ネットを付けました。
足の部分にこのようなパッカーを4ヶ所付けています。
ちょっと気になったのは、ここの部分に隙間が少しできてしまいます。
でもほとんどのエリアはカバーできています。
それから内側にベルトみたいなものを付けています。
このベルトの上にプランターを置くことで、風が吹いてもあまり動かないような仕組みにで強風対策になっています。
では実際に中にプランターを入れてみます。
今回のアシスタントは種から育てているイチゴくんです。
イチゴを植えているプランターを中に入れてみました。
こんな感じで栽培していれば、かなり害虫は防げると思います。
気になる点は、ネットが若干遮光になってしまっていて太陽の光を弱くしてしまうので、植物にとっては光が弱い時期には光合成が減ります。
ですが真夏は光が強いので遮光があった方が良いです。
それからこの下のベルトで動かないようにはなってはいますが、強い風が吹いたら動いてしまいそうです。
ベランダから飛んで下に落ちたりすると危ないので、台風がきたときなどは必ず上に重たものを置くか、脚と重たいものを紐で結んでおいたり風で飛ばされないような対策はした方が良いと思います。
家庭菜園の防虫ネットの選び方、使い方まとめ
今回は、家庭菜園の害虫対策として防虫ネットをご紹介しました。
野菜の種類や防ぎたい虫の種類によって、防虫ネットの種類や網目の大きさを選びましょう。
害虫を防ぐ効果は自然農薬よりも高いと思います。
こちらの動画でも紹介しています。