今回は、トマトやミニトマトの葉に白い線が現れる原因とその対策について紹介します。
- トマトやミニトマトの葉に白い線が出ているのは何?
- どうして白い線が出るの?
- どのような対策をすればいいかわからない
このような疑問や要望がある方は、ぜひ最後までお読みください。
トマトやミニトマトの葉に白い線が出る原因として考えられるもの
トマトやミニトマトを育てていて、葉っぱに白いうねうねとした線が出たのを見たことがある人も多いのではないでしょうか?
ここでは、その原因について幅広い視野から考察していきます。
原因1:ナメクジの痕
まず、原因の一つとして考えられるのがナメクジです。
ナメクジが這うと、キラキラしたような痕が残ります。
それが葉に出てきた白い線の原因の場合もあります。
原因2:病気の可能性
2つ目が病気という可能性です。
病気にもいろいろな症状がありますが、白い斑点が現れるものや、枯れが発生したりする場合もあります。
もしかすると、そのような症状の一つとして、葉に白い線のようなものが出たのかもしれません。
原因3:害虫の大量発生
3つ目が、ハダニやアブラムシなどの害虫が大量に発生した場合です。
このような場合、葉っぱの表面に白い斑点のようなものが出ることがあります。
白い筆で描いたような模様ではなく、点々が出ている場合はハダニやアブラムシなどの害虫が原因の可能性が高いです。
原因4:トマトの品種によるもの
4つ目は、トマトの品種によっては、葉に日焼けが出やすかったり、白っぽい模様が出るものもあります。
そのような場合、病気でも害虫でもないため、意外と気にしなくても大丈夫です。
原因5:ハモグリバエの発生
5つ目は、ハモグリバエが原因の場合です。
下の写真の葉のように、明らかに白い筆で線を描いたような模様がある場合、これはほぼ100%ハモグリバエが原因であると考えて間違いありません。
このハモグリバエは、トマトやミニトマトだけに現れる虫ではありません。
例えば、ピーマンやスナップエンドウ、キュウリ、など他の野菜にもよく発生します。
ベランダや庭で野菜を育てていて、その野菜の緑色の葉っぱに白い筋が現れたら、ほぼ間違いなくハモグリバエだと考えてください。
季節的にいつ頃よく発生するかというと、冬は寒すぎてあまり出ませんが、春から秋までの期間ずっと発生します。
ハモグリバエってどんな虫?
ハモグリバエとは何かというと、名前の通りハエの一種になります。
このハエはとても珍しい特徴を持っています。
成虫は空を飛ぶタイプの小さなハエですが、そのハエが卵を産む場所が、植物の葉っぱの組織の中ということです。
この産み付けられた卵がかえると、幼虫(小さなうじ虫)が出てきます。
それが葉っぱの中で、その葉っぱを食べて生きていきます。
葉っぱを食べる際は、一箇所でずっと食べ続けるのではく、少しずつ移動しながら食べていきます。
その移動した跡が白く残ります。
そのため、この虫が移動した跡が白い線になって残るということです。
幼虫は成長すると、葉っぱの上や土の上でサナギになり、サナギからハエになり、そのハエがまた別の葉っぱに卵を産み付けるというライフサイクルが生まれます。
ハモグリバエが発生する問題点
ハモグリバエが発生すると、どんな問題が起こるのでしょうか。
まず一つ目は、葉っぱの見た目が悪くなることです。
例えば、ミニトマトやキュウリに発生した場合、食べるのは実の部分なのであまり影響はありません。
ただ、このハモグリバエは花にも発生します。
例えば、鉢植えの花を売ろうと思っている時に、その葉っぱに白い模様が出てしまうと、かなり見た目が悪くなってしまい、商品価値がなくなってしまいます。
そのため、花を育てて販売する商売をしている方にとっては、ハモグリバエはとても厄介な害虫になります。
少しぐらい発生しただけであれば、特に問題はありませんが、ハモグリバエが大量に発生してしまうと、植物の生育が悪くなってしまいます。
何故なら、植物は葉っぱで光合成をして自分のエネルギーを作っていますが、ハモグリバエが発生して白い線が多くなると、それだけ葉緑素がなくなって光合成が出来なくなってしまうからです。
植物をハモグリバエの被害から守るためにも、大量発生を防ぐことが重要になります。
ハモグリバエの対策
それでは、ハモグリバエの対策について紹介します。
対策1:植え穴に一緒に入れるタイプの農薬を使う
まず最初の対策は、苗を植え付ける時に、植え穴に一緒に入れるタイプの農薬を使用することです。
それを、例えば畑やプランターにミニトマトなどの苗を植え付ける時に、一緒に土に混ぜ込んで使用すると、ハモグリバエを寄せ付けない効果があります。
対策2:散布するタイプの農薬を使う
2つ目の対策は、植え付けてしばらく経ってから、散布するタイプの農薬を使用することです。
植え付け後にスプレータイプの農薬を散布することで、ハモグリバエなどの害虫を予防できます。
農薬は使える野菜と対象害虫、使い方、使用回数が決まっているので、使い方を守って使ってください。
対策3:防虫ネットを使う
3つ目の対策は、植物全体を覆うような防虫ネットを使用することです。
なるべく農薬を使いたくない方には特にこの方法がおすすめです。
但し、トマトやミニトマトの場合、かなり背が高くなるため、全体を防虫ネットで覆うのはなかなか難しいかもしれません。
対策4:直接駆除する
4つ目の対策は、その葉っぱの中にいるハモグリバエの幼虫を探し出して直接駆除することです。
例えば、野菜の葉っぱに白い線が発生している場合、その線の先端部分にハモグリバエの幼虫がいることが多いです。
その先端の部分を爪などでほじくってみるなどすると、中に黄色っぽい幼虫が見つかります。
この幼虫を直接駆除することで、ハモグリバエの被害を食い止めることができます。
対策5:放置する
5つ目の対策は、特に気にせず放置することです。
ハモグリバエの発生がわずかな場合、特に気にせず放置してしまうというのも一つの方法です。
葉っぱに白い筋が少し発生した程度であれば、生育には特に影響はないので、何もしなくても大丈夫です。
但し、そのまま放置しているとそこから幼虫がかえって成虫がまた卵を産むことによって被害が拡大する可能性はありますので、まだ数が少ないうちに直接駆除してしまうことをおすすめします。
実際にハモグリバエの幼虫を退治する様子
それでは、ハモグリバエの幼虫を実際に退治する様子を見てみましょう。
下の写真は、ハモグリバエの幼虫が寄生している葉っぱの様子です。
葉っぱにある白い線が、ハモグリバエの幼虫が潜り込んで動いた痕です。
ちょうどその白い線の先端にポツンと黄色い点のようになっているのが幼虫です。
この部分を爪や爪楊枝などの細いものでほじくって、直接幼虫を駆除することで被害を食い止めるができます。
爪を使って幼虫を取り出したのが下の写真です。
この黄色い小さなうじ虫みたいなものが、ハモグリバエの幼虫です。
育てている野菜の葉っぱの上に、白い線が描かれているようであれば、その中にはこの小さなハモグリバエの幼虫が潜んでいると考えられます。
見つけた際には、取り出して早めに駆除するようにしましょう。
トマトやミニトマトの葉に白い線が現れる原因とその対策についてのまとめ
今回は、トマトやミニトマトの葉に白い線が現れる原因とその対策について紹介しました。
野菜の葉っぱに現れる痕については、いろいろな可能性があり、症状も似ている場合も多々あるので、原因を特定するのが難しい場合もあります。
ただ、今回紹介したハモグリバエに関しては、非常に特徴的な痕が残るため、原因を特定する側としてはとても判断しやすいです。
葉っぱに筆で描いたような白い模様が出た場合には、ほぼ間違いなくハモグリバエだと考えて間違いありません。
今回の記事で紹介した対策方法を参考にして、早めに駆除するようにしましょう。
動画でも紹介しているので、ぜひご覧ください。