「殺菌方法で干し柿の見た目や味にどんな違いが現れるのか?」と気になりませんか?
今回は、殺菌方法を変えた4種類の干し柿が完成したので結果報告します。
- 干し柿作りの殺菌方法はたくさんあるけど、仕上がりは違うの?
- 熱湯消毒だけじゃダメなの?
- 干し柿の白い粉がたくさん出るようにしたい!
という方におすすめの記事です。
殺菌方法の違う干し柿を作る工程はこちらの記事で紹介しています。
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殺菌方法を分けた干し柿の一週間後を比較した記事はこちらです。
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完成した干し柿の表面の違いを比較
今回行った殺菌方法は
- 殺菌処理を全くやらないもの
- 熱湯の殺菌処理だけやったもの
- アルコールの殺菌処理だけやったもの
- 熱湯とアルコール両方の殺菌をやったもの
の4種類です。
干して一週間後の段階では、④の熱湯とアルコール両方の殺菌をした干し柿が一番綺麗でしたが、完成した干し柿はどうなっているでしょうか?
①殺菌処理を全くやらない干し柿
こちらは皮を剥いて、そのまま干した柿です。
熱湯にもつけず、焼酎も吹きかけませんでした。
- 全体的に黒っぽい
- 若干オレンジ色が残っている部分もある
- 柿の表面に白い粉がまだらに吹いている
- ある程度は美味しそう
家庭で干し柿を作ると、だいたいこんな見た目になると思います。
軽く親指で押すと凹むくらいの硬さです。
②熱湯の殺菌処理だけやった干し柿
こちらは皮を剥いた柿を15秒間熱湯に入れて干しました。
焼酎は吹きかけていません。
- 全体的に白い
- 無処理のものと比べて白い粉が多い
- 皮の表面に波打つような模様が出ている
触った感じに大きな違いはありません。
①殺菌処理を全くやらない干し柿と②熱湯の殺菌処理だけやった干し柿の表面が違います。
熱湯消毒をした干し柿は表面が波打っていて、無処理の干し柿は波打っているものがないです。
この違いが食感にどんな影響を与えるのかとても興味があります。
③アルコールの殺菌処理だけやった干し柿
こちらは皮を剥いた柿に、アルコール度数25%の焼酎を吹きかけました。
- 無処理のものと似ている
- 全体的に黒っぽい
- オレンジ色が残っている部分もある
- 柿の全体に白い粉がふいている
①殺菌処理を全くやらない干し柿と比較してみると、見た目に大きな違いはないです。
無処理のものと同様、触ると少し柔らかいです。
④熱湯とアルコール両方の殺菌をやった干し柿
こちらは皮を剥いた柿を15秒間熱湯につけて、その後アルコールを吹きかけて干しました。
- 全体的に真っ白
- 少しオレンジ色が残っている
- 表面に波打つような模様が少しある
見た目は②熱湯の殺菌処理だけやった干し柿にかなり似ていますが、少しオレンジ色が残っている印象です。
触った感じは特に変わらないです。
表面が波打っているのは熱湯消毒だけした干し柿と一緒です。
熱湯につけた時に生じた変化が影響していると思います。
表面についた白い粉と波打つ模様
干し柿の表面についた白い粉はカビではない場合が多いです。
この白い粉は柿の糖分が結晶化したものなので、一般的に白い粉が多いほど糖度が高いとされています。
白い粉は②熱湯の殺菌処理だけやった干し柿と④熱湯とアルコール両方の殺菌をやった干し柿がいい感じです。
表面の波打っている模様は、②熱湯の殺菌処理だけやった干し柿と④熱湯とアルコール両方の殺菌をやった干し柿だけに出ています。
やはり、熱湯につけた時に生じた変化が影響している可能性が高いです。
①殺菌処理を全くやらない干し柿と③アルコールの殺菌処理だけやった干し柿は似たような感じです。
見た目でこれだけ違いがあるのも非常に面白いと思いました。
完成した干し柿の食べ比べ
殺菌処理の違いで味や食感にどういう違いが出るのか食べ比べてみます。
①殺菌処理を全くやらない干し柿
味は非常に甘くてねっとりとした食感でおいしいです。
この味を基準にして他の干し柿がどう違うのか食べ比べします。
②熱湯の殺菌処理だけやった干し柿
①殺菌処理を全くやらない干し柿と比べて、なんとなく表面がしっかりしてる気がします。
熱湯処理をした干し柿は外側に少し噛みごたえがあり中は柔らかいです。
表面に皮ができたような、グッと一瞬弾力があるような食感です。
硬いとか食べづらいというものではないです。
見た目で少し表面が硬そうな印象がありましたが、印象通りの食感でした。
③アルコールの殺菌処理だけやった干し柿
①殺菌処理を全くやらない干し柿と比べて、味や食感の違いはあまりなさそうです。
④熱湯とアルコール両方の殺菌をやった干し柿
②熱湯の殺菌処理だけやった干し柿と同じで表面が少ししっかりしてます。
硬いというほどではありませんが、ちょっとしっかりしてる感じがします。
味自体は変わらず美味しいです。
熱湯処理の有無で変化する食感
①殺菌処理を全くやらない干し柿は表面と中の違いがほとんどなく、スーッと歯が入っていく感じです。
④熱湯とアルコール両方の殺菌をやった干し柿は表面がしっかりしていて、皮が一枚できたような食感です。
食感に大きな違いはありませんが、好みは分かれるかもしれないです。
できるだけ柔らかい口当たりでなめらかな干し柿が好みの方は熱湯処理をしない干し柿がおすすめです。
逆に表面に皮があるようなしっかりした食感が好みの方は熱湯処理をした干し柿がおすすめです。
ただ、味には違いがありませんでした。
干し柿の殺菌方法4種類の比較まとめ
今回は家庭でできる干し柿の殺菌方法に注目して色々比較をしました。
殺菌方法によって表面の白い粉の出方も違いますし、食感にも少し違いが出ることが分かりました。
ただ、味には大きな違いがありませんでした。
これからも干し柿だけではなく、色々な食べ物で比較をしたいと思います。
干し柿を作ったり、食べ比べしてみよう
今回の動画や記事を参考にして、干し柿作りにチャレンジして頂けると嬉しいです。
また、干し柿作りができない時期は干し柿を買って食べてみるのもいいかもしれません。
最近では、高級和菓子として知られる市田柿も全国的にスーパーマーケットや百貨店などで買うことができます。
ぜひ、市田柿を食べてみて欲しいです。
干し柿や市田柿が高価な理由
干し柿や市田柿は少し値段が高いと思われるかもしれません。
しかしそれは、丹精込めて育てた柿を収穫し、柿の枝やヘタを切ったり、残った皮を剥いたり、干している間に手で揉んだり、形を整えてパック詰めしたりと、他にも色々な作業があって手間暇かかっているからなのです。
市田柿に限らず干し柿は大粒なもの小粒なもの、しっかり干すタイプのもの、逆にある程度水分が残っているものなど色々な食感と味が楽しめます。
ぜひ干し柿の食べ比べをしてみてはいかがでしょうか?
実際に食べ比べしている動画はこちらでご覧になれます。