今回は、家庭菜園で3月にやるべきこと4選について紹介します。
- 家庭菜園をはじめたばかりで、3月に何をしたらいいかわからない。
- 3月にやり残したことがないか心配。
このような疑問や要望がある方は、ぜひ最後までお読みください。
①野菜の種まきと苗づくり
まず一つめは、野菜の種まきと苗づくりです。
4つの項目に分けて順番に説明していきます。
1.ジャガイモの植え付け
早い方は2月下旬からジャガイモの植え付けを始めると思いますが、3月上旬から中旬にかけてが1番やりやすい時期になります。
但し、北海道や東北、長野県などの寒冷地の方は、3月下旬から4月上旬ぐらいの少し暖かくなって遅霜の心配がなくなってから植え付けるようにしましょう。
ジャガイモの植え付けの際は、浴光催芽という処理をしてあらかじめジャガイモの芽を出させてから植え付けるのがおすすめです。
2.春に収穫する葉物野菜の種まき
3月には、サンチュやルッコラ、サニーレタスなどの葉物野菜の種をまくことができます。
その他にも、ブロッコリーやコールラビなどアブラナ科の野菜の種まきにも適したシーズンです。
ぜひいろいろな葉物野菜を育ててみてください。
3.夏に収穫する野菜の種まき/苗づくり
ミニトマトやピーマン、なす、ズッキーニ、スイカなどの夏野菜も3月に種まきができます。
通常、夏野菜の苗は4月から5月ぐらいにホームセンターなどで販売され始めます。
その苗を購入して植え付けるのが一番楽でおすすめですが、ちょっと珍しい品種を育ててみたい方や、たくさん育てたいという方は、3月に種から育ててみてください。
但し、夏野菜の種まきには一つ注意点があります。
種まきを行う3月はまだまだ気温が低い時期です。
そのため、外で何も保温対策をせずに種をまいてしまうと、芽が出なかったり、芽が出てもすぐに枯れてしまいます。
夏に収穫する野菜を3月に種まきする場合は、必ず保温対策をしてください。
例えば、トンネルで囲ったり、室内で芽を出させたり、ビニールハウスを使うなどの工夫が必要になります。
下の写真は2020年3月の東京都の1日ごとの最低気温をグラフにしたものです。
このグラフからもわかる通り、3月でも最低気温が10℃以下になる日がほとんどです。
また、3月下旬であっても、最低気温が5℃ぐらいまで下がることもあります。
これは温度計で測定している温度なので、地面間際の温度は実際にはもっと低くなります。
これだけ気温が下がってしまうと、夏に収穫する野菜はダメージを受けたり枯れてしまいます。
例えばトウモロコシなどは、最低気温が10℃以下になると枯れると言われています。
その他の野菜でも10℃以下になると、枯れてしまったり、芽が出ないという可能性が高くなり、5℃以下になると、ほぼ間違いなく枯れてしまいます。
このようなことを考慮する必要もあり、3月に種をまくのは初心者の方にはおすすめできません。
中級者以上の方は、保温対策を前提にぜひ挑戦してみてください。
4.サツマイモの苗作り
サツマイモは、芋から芽を出させて苗を作ることができます。
但し、芽を出させるためには、温度と湿度が必要です。
例えば、暖かい室内で水に浸けておいたり、落ち葉や米ぬか、土を混ぜて温床と呼ばれる発酵熱が発生して暖かくなる場所を作って、そこに芋を入れトンネルを被せて温度をあげて芽を出させるという方法があります。
このような工夫が必要なため、少し面倒ではありますが、芋をたくさん作りたいという方は、3月または4月ぐらいから始めてみてください。
そうすると5月ぐらいに苗が作れて、それを5月に植え付けて秋に収穫できるようになります。
自分で苗を作るのが面倒な場合は、4月下旬から5月上旬頃になると、ホームセンターなどでサツマイモの苗が購入できますので、それを購入して植えても構いません。
➁栽培管理
二つめは、栽培管理です。
ここでは2つの方法を説明します。
1.追肥をする
栽培管理で何が一番大事かというと、追肥をすることです。
例えばサヤエンドウやスナップエンドウ、そら豆、イチゴ、サニーレタス、ブロッコリー、玉ねぎ、ニンニクなど昨年の秋から育てている野菜がある場合、必ず追肥をしてあげましょう。
暖かい地域の場合、2月中旬から下旬ぐらいに追肥を行っても構いません。
寒い地域の場合、3月下旬から4月上旬ぐらいに追肥を行うのが良いでしょう。
追肥をする場合には、即効性があったほうがいいので、化成肥料を使ったり、有機肥料を使いたい場合には、鶏糞を使うのがおすすめです。
また、HYPONeXのような液体肥料もおすすめです。
追肥の量については、使用する追肥や与える野菜の種類によっても変わりますが、大体ひとつまみかひと掴みぐらいの量でいいと思います。
2.支柱を立てる/強化する
例えばサヤエンドウやスナップエンドウなど、弦が長く伸びる野菜の場合、支柱をしっかりと立てておかないとうまく育てられません。
また、春になると風が強くなってくるので、しっかり支柱を深く刺したり、補強しておかないと風で倒れてしまいます。
この3月のタイミングで支柱を強化しておきましょう。
③畑の土作りについて
三つめは、畑の土作りについてです。
5月以降に夏野菜を植える場合、3月の時点で土作りは本格的にやらなくても、4月ぐらいから準備したので十分間に合うと思います。
3月下旬から4月頃に葉物野菜や人参を植えたりする予定がある方は、早めに土作りをしておきましょう。
ここでは、具体的な土作りの4つの方法を説明します。
1.石灰を入れる
土壌酸度を調整するため、土に石灰を入れましょう。
この時の注意点として、特に1の作業で石灰をやり過ぎてしまうケースが多く見受けられます。
日本では昔から「石灰が必要だから」という理由だけで、土壌酸度の測定をせずに毎回石灰を撒くケースが多く、結果的に石灰のやり過ぎになってしまいます。
石灰をやり過ぎてしまうと、土が固くなってしまったり、カルシウム分が蓄積してしまったり、土壌酸度がアルカリに寄ってしまうなどの問題が発生します。
石灰のやり過ぎを防ぐためにも、とりあえず播くのではくて、一度土壌酸度の測定をしてから撒くことをおすすめします。
但し、庭の一部を畑に変えたり、今まであまり野菜を育ててこなかった場所で新しく畑を作る場合には、石灰を撒いたほうがいいでしょう。
2.土壌改良剤を入れる
土壌の物理性を改善するために、土壌改良剤を入れましょう。
例えば、籾殻燻炭や腐葉土、バーク堆肥などがおすすめです。
3.元肥を入れる
元肥として肥料を入れましょう。
牛糞堆肥や鶏糞、発酵油かすや化成肥料などがおすすめです。
4.マルチを張る
雑草を防ぎ、温度を上げるためにマルチを張りましょう。
マルチは黒いビニールマルチを張るのが一番簡単です。
ビニールマルチを使いたくない場合は、藁や雑草など植物性のものでも構わないので、マルチの代わりに使ってみてください。
この対策を行うことで、雑草の成長を抑えられたり、土の土壌水分を保つなどの効果があります。
④病気/虫/雑草対策
四つめは病気/虫/雑草対策です。
こちらも4つの項目に分けて説明します。
1.虫対策
虫対策として、野菜を防虫ネットで囲うのが一番効果が高いです。
注意点として、全ての害虫を防げるわけではありません。
防虫ネットの網目よりも小さな虫がいたり、少しの隙間から虫が中に入ったり、防虫ネットを張る前から中に虫やその卵があったりすると、どうしても中に虫が入ってしまうことは避けられません。
防虫ネットをしているから100%絶対大丈夫ということを理解しておきましょう。
大きな虫がいる場合には、手作業で駆除するのが一番です。
また、最近では家庭菜園用の予防薬などがホームセンターなどで購入できるので、それを試してみるのもいいでしょう。
2.鳥対策
冬や春先などは、野鳥にとって餌が少ない時期です。
そのため、家庭菜園の野菜などが狙われてしまう傾向があります。
例えば、ムクドリなどに野菜の葉っぱを食べられてしまう被害などがよく起こります。
鳥の被害が発生した場合には、防鳥ネットを張ったり、CDのようなキラキラしたものをぶら下げておくなどの対策をしましょう。
3.病気対策
春先になると、うどん粉病などの病気が発生しやすいです。
うどん粉病が発生した場合には、水でその部分を洗い流したり、重曹水をかけたり、予防薬などを使って病気を防ぐこともできます。
特にイチゴを育てていると、うどん粉病や灰色カビ病などが発生したりします。
被害がひどい場合は、病気対策の農薬を使用するなどして対策をしましょう。
4.雑草対策
3月からは雑草に悩まされる季節です。
特に4月から8月頃にかけては、雑草の成長スピードがかなり早くなります。
いくら草むしりをしても、その2、3日後には同じくらい伸びていたりというのが普通です。
この対策を3月のうちにやっておくことをおすすめします。
そこでおすすめの対策が、防草シートを使うことです。
例えば、畑で野菜を育てている場合には、野菜を植えていない通路に防草シートを敷いておきましょう。
そうすることで、草刈りをする回数や除草剤を使う回数を減らすことができます。
防草シートを張るときの注意点としては、意外と風で飛びやすいので、シートを固定するためのピンをセットで必ず購入し、四隅だけではなく、中間地点もしっかり止めてください。
こうすることで、風が強い日や台風のシーズンでもシートが剥がれてしまったり、飛んでしまったりするのを防ぐことができます。
防草シートは張るときが少し面倒ですし、購入費用もかかりますが、雑草対策の効果は抜群なので、ぜひ試してみてください。
家庭菜園で3月にやるべきこと4選のまとめ
今回は家庭菜園で3月にやるべきこと4選について紹介しました。
3月から家庭菜園のシーズンが本格的に始まります。
いいスタートが切れるように、今回紹介した内容に漏れがないようにしっかりと行い、これからの1年家庭菜園を楽しんでいきましょう。
動画でも紹介しているので、ぜひご覧ください。