今回はナスの葉っぱを食べている犯人は一体誰なのかを推理します。
ナスを育てていると「葉っぱにたくさん虫食いの痕がある!」という方がいるのではないでしょうか?
実は私が庭で育てているナスの葉っぱがかなり虫に食べられてしまっていて、穴あきだらけの状態になっています。
今回はこの犯人が一体誰なのかを探してみます。
- ナスの葉っぱが食べられている!
- ナス以外の野菜でも同じような症状が出ている
- テントウムシはいい虫だと思っている
という方におすすめの記事ですので、ぜひ最後までご覧ください。
葉っぱが食べられてしまったナスの様子
最初に葉っぱが食べられてしまったナスをご覧下さい。
私が育てているナスの葉っぱが穴だらけになっています。
穴だらけになった場合、病気や害虫など色々考えられます。
可能性としては、虫に食べられてしまった可能性が高いです。
場合によっては、寒い時期で鳥が食べる餌がない場合、鳥が野菜の葉っぱが食べてしまうこともあります。
ただ、ナスを育てるような暖かい時期だと可能性は低いでしょう。
一番可能性が高いのは虫食いだと思います。
ナスの葉っぱを食べた可能性がある虫
どんな虫が考えられるのか、まずは容疑者を考えてみましょう。
アブラムシ
虫と聞いて最初に思い浮かべるのはアブラムシではないでしょうか。
アブラムシはどの野菜に付きますよね。
ただ、アブラムシは葉っぱから養分を吸いますが、葉っぱをむしゃむしゃと食べることはありません。
なのでアブラムシは容疑者から外していいと思います。
ハダニ
次はハダニです。
ハダニは、肉眼ではなかなか確認できないぐらい小さい虫です。
ハダニも葉っぱから養分を吸うのですが、葉っぱをむしゃむしゃと食べることはしません。
なのでハダニも容疑者から外していいと思います。
ハダニの見つけ方や駆除方法はこちらの動画でご紹介しています。
アザミウマ
次はアザミウマです。
アザミウマという虫が葉っぱに寄生すると色が抜けたような、斑点模様のような感じになります。
アザミウマの症状についてはこちらの動画でご紹介しています。
なので、野菜の葉っぱに斑点模様のような傷みたいなものがたくさん発生したら、アザミウマの可能性があります。
ただ、今回の症状を確認すると完全に葉っぱに穴が開いています。
擦れや斑点、黄色や白っぽい訳ではなくて、ごっそりと完全に穴が開いてしまっています。
こういう症状はアザミウマの症状とは違います。
なので今回の容疑者からアザミウマも外しましょう。
ヨトウムシ
葉っぱに穴が開いた症状が現れた時に最初に思い浮かべてほしいのが、ヨトウムシという虫です。
ヨトウムシは「夜盗虫」と書きます。
その名前の通り昼間は葉っぱを食べず、夜の間だけ葉っぱを食べます。
ヨトウムシは昼間は土の中に隠れていて、私が寝ている夜の間に土の中からモソモソ出て葉っぱを食べます。
なので、昼間にナスの葉っぱをいくら調べてもヨトウムシの姿は発見できません。
ナスや野菜の葉っぱが食べられてしまって、昼間いくら探しても虫の姿がない場合、まずはヨトウムシを疑ってください。
なので今回の場合、ヨトウムシは容疑者に含まれます。
オオタバコガ
次はオオタバコガという蛾の幼虫も容疑者です。
オオタバコガの幼虫は、一般的にイモムシと呼ばれているものです。
オオタバコガは昼間でも葉っぱにいます。
なので葉っぱを調べてみてイモムシが見つかったら、おそらくそいつが葉っぱを食べています。
オオタバコガの場合、昼間に葉っぱの裏面を探せば見つかるので見つけやすいです。
それから黒い糞が葉っぱの上に落ちていたら、その近くを探すことでも見つけられます。
黒い糞を見つけたらその近くを探してみてください。
ハムシ
もう一人容疑者がいます。
それはハムシという種類の虫です。
ハムシにはいろんな種類があり、特に有名なのはウリハムシというウリ科の野菜の葉っぱを食べる虫です。
ナス科の野菜の葉っぱを食べるハムシもいます。
ハムシはすごく小さなコガネムシみたいな見た目で、空を飛ぶことができます。
ハムシがやってくると葉っぱをむしゃむしゃ食べてしまいます。
なのでもしかするとハムシかもしれません。
病害虫の対策方法はこちらの動画でご紹介しています。
葉っぱが穴だらけのナスの葉っぱについていた虫
容疑者を色々と紹介しましたが、今回ナスの葉っぱを探しているとテントウムシのような虫を見つけました。
パッと見はテントウムシですよね。
テントウムシと同じくらいの大きさで、丸い形をしていて背中に星がいくつかありました。
テントウムシは益虫
まず、テントウムシがどういう虫かご説明します。
成虫は空を飛ぶことができますが、幼虫は空を飛ぶことができません。
幼虫はモスラみたいな見た目をしてます。
モスラの体が紫色で背中に黄色というかオレンジ色の斑点があって野菜の葉っぱに住んでいます。
モスラみたいな幼虫はアブラムシを食べてくれます。
なので、植物を育てている人にとってテントウムシはいい虫で「益虫」ともいわれます。
それから、テントウムシは農業で非常に役立つので天敵製剤と呼ばれています。
わざわざテントウムシを販売している業者もあり、購入する農家の方もいるぐらい農業に役立ついい虫です。
一般的なテントウムシは肉食
テントウムシにもいろんな種類がいます。
なぜテントウムシがアブラムシを食べるのかというと、一般的に我々がイメージするテントウムシは肉食だからです。
なので、葉っぱではなくてアブラムシを食べてくれます。
肉食だから人間にとって非常に役立つ存在です。
家庭菜園をしていて、テントウムシを見つけたら殺さずにそのまま見守ってください。
テントウムシが植物を育てるときに役立つ虫というのは結構メジャーな話なので、家庭菜園初心者の方もご存知ではないかと思います。
家庭菜園初心者の方でも、野菜を育てていてテントウムシがいたら、そのまま殺さずに見守っているのではないでしょうか?
実は、そのあなたの心理につけ込んだ虫がいます。
ナスの葉っぱを食べた犯人はテントウムシダマシ
今回紹介した虫は、実は我々が一般的にイメージするテントウムシではありません。
何と呼ばれているかというと、テントウムシダマシといわれています。
名前がすごいですよね。
「テントウムシダマシ」要するに偽物のテントウムシという意味です。
ただこれは一般的な呼び方で、正式にはニジュウヤホシテントウといわれています。
ニジュウヤホシテントウという名前の通り、実はテントウムシ科の昆虫なのでテントウムシではないとはいえないですね。
テントウムシという大きな仲間の中の一種であることには違いありません。
ニジュウヤホシテントウは草食
ニジュウヤホシテントウと一般的なテントウムシの違いは、肉食ではなくて草食だということです。
草食の虫ということは、虫は食べずに葉っぱを食べます。
なので今回ご紹介しているナスの葉っぱの虫食いの犯人はニジュウヤホシテントウです!
ニジュウヤホシテントウは背中に28個の星があるといわれています。
28個の星だからニジュウヤホシテントウです。
この虫の厄介なところは、まず成虫が野菜の葉っぱを食べてしまうことです。
さらに厄介なのは幼虫も野菜の葉っぱを食べてしまいます。
どんな幼虫かといいますと、先ほどの一般的なテントウムシはモスラみたいな感じといいました。
ニジュウヤホシテントウの幼虫は背中がトゲトゲのモスラみたいな感じですね。
毒々しい感じで、背中にトゲがたくさん生えてます。
幼虫はだいたい野菜の葉っぱの裏面に隠れていることが多いです。
卵は黄色っぽくて長細い形をしていて、野菜の葉っぱの裏面に産みつけられます。
卵をそのままにすると、卵から幼虫がかえって幼虫が葉っぱを食べて大きくなって成虫になって、また卵を産んでというふうにどんどん増えてしまいます。
今回私が育てているナスにはニジュウヤホシテントウの成虫も大きな幼虫も小さな幼虫もいましたし、それから卵もありました。
こんな感じの卵が産みつけられていて、その周りには卵からかえったばかりの小さな幼虫がいました。
小さな幼虫が大きく育つとこんな感じの大きな幼虫になります。
これがさらに大きく育っていくとニジュウヤホシテントウの成虫になります。
ニジュウヤホシテントウはアブラムシを食べてくれるテントウムシにそっくり変装していますが、実は野菜の葉っぱを食べる悪いやつということです。
擬態というか変装というか、人間にとってメリットがある虫にそっくりな形をすることで、人間から殺されずにずっと生き残って実は凄い悪いことをしているみたいな虫です。
虫の中には他の虫そっくりの姿にすることで、生存競争を生き抜く虫がいます。
人間も誰かの変装をして犯罪を犯すとか、誰かに成りすまして犯罪を犯す場合があると思いますが、それと似ていると思いました。
なので皆さん騙されないように気を付けて下さい。
ニジュウヤホシテントウはナス以外にも発生する
今回ご紹介したニジュウヤホシテントウはナス以外の野菜にも発生して問題になります。
例えばジャガイモでよく発生します。
ジャガイモの葉っぱにテントウムシがいると思っていてよく見たら、実はニジュウヤホシテントウでジャガイモの葉っぱを食べていたということがよくあります。
なので、春や秋にジャガイモを育てる場合はニジュウヤホシテントウに気を付けて下さい。
頻度としては少ないですが、他にもミニトマトなど別の野菜に発生する場合もあります。
特に注意が必要なのはナスです。
例えば普通のナスや米ナスみたいなタイプのものや白いナスなど、どんなナスでもニジュウヤホシテントウは現れます。
ニジュウヤホシテントウの対策
次にニジュウヤホシテントウの対策です。
意外と対策は簡単です。
ニジュウヤホシテントウは見つけやすいです。
成虫は葉っぱの上にちょこんと乗っかって昼間から葉っぱをむしゃむしゃ食べているので、それを捕殺してください。
葉っぱの裏面を見ると、肉眼ですぐにわかるサイズの背中にニョキニョキ角が生えたモスラみたいなものがいるので、それを捕まえてやっつけてください。
もし黄色くて長細い卵が密集して産み付けられていたら、それも取り除くようにしてください。
ニジュウヤホシテントウは見つけやすいですし、そこまで爆発的に一気に増えるという虫ではありません。
人間の目で見て捕まえてやっつければ大丈夫です。
虫を触りたくない・見たくないという方は、野菜全体を防虫ネットで囲ってあげるのがオススメです。
ただ、ナスやじゃがいもは植物が大きくなる分、囲いも大きくしなければいけないので大変かもしれません。
【家庭菜園の害虫】ナスの葉に穴が空いている原因は?芋虫?夜盗虫?テントウムシ?【野菜に潜むそっくりな虫に気をつけよう】まとめ
今回はナスの葉っぱを食べている犯人は一体誰なのかという話をしました。
私が育てているナスはニジュウヤホシテントウに葉っぱを食べられてしまっていますが、ナス自体はたくさん収穫できています。
普通の紫色のナスも採れていますし、白いナスも採れました。
白いナスはめちゃくちゃおいしかったです。
果肉がとろっとろでオリーブオイルで焼いて、ちょっと塩をかけるだけですごく美味しかったです。
私は野菜の中でナスが一番好きなので、ナスをたくさん育てています。
今は毎日ではありませんが、数日置きにナスを収穫して食べて楽しんでいます。
ナスは比較的育てやすい野菜だと思いますし人気の夏野菜です。
皆さんもおそらくナスをベランダで育てていたり、今まで育てていたとか畑で育てている方がいらっしゃると思います。
その場合もし葉っぱに虫食いが見つかったら、ヨトウムシ・オオタバコガ・ハムシを疑うのと一緒にニジュウヤホシテントウも疑ってみてください。
今回の内容は、こちらの動画でご覧になれます。