今回は「サツマイモの再生栽培」をご紹介します。
再生栽培とはスーパーで買ってきた野菜の一部を使って苗を作り、もう一度その野菜を収穫するという方法です。
使うのは小さめのサツマイモです、品種はどのようなものでもかまいません。
お好きな品種を用意してください。
通常のサツマイモの作り方は大まかに2通りあります
A:苗を植える
4月から6月にかけてホームセンターなどで、サツマイモの苗が長~い茎と葉っぱだけの状態で販売されます。
ポットに植えられている場合もありますが、その長~い茎を地面に植える方法。
B:サツマイモを植える
根っこが生えていない状態のサツマイモを地面に植える方法。
今回はスーパーの芋から苗作りを行い栽培します。
さつまいもの再生栽培の準備
必要な道具を紹介します。
苗づくり
- 好きな品種のサツマイモ:スーパーなどで購入したもの
- プラスチック製の容器
小さめのサツマイモを丸ごとでも、大きめのさつまいもを切った一部でも大丈夫です。
種苗法で苗の増殖が禁止されているものもある
日本のサツマイモ品種は、種苗法によって保護されています。
そのため、サツマイモの中には苗の増殖が禁止されているものもあります。
家庭菜園は農業とは違うものですが、メルカリなどで苗を販売することは禁止です。
土壌づくり
- 栽培容器:袋、畑、大きめのプランター、植木鉢、発泡スチロールの箱など
- カッターまたはマイナスドライバー
- 土:30 L以上
- 園芸用支柱:3本ほど(狭い場所で育てる場合は必要、蔓が成長してから使用)
今回、袋で栽培を行います。
使用期間が長いので、耐久性がある袋を使ってください。
袋の使用期間は夏野菜で約5ヶ月ですが、サツマイモは約7ヶ月と少し長めになります。
長期間太陽を浴び続けるとプラスチックが劣化し、袋に穴が開いてしまいます。
そうならない様に丈夫な袋を使用しましょう。
さつまいもの苗づくり
苗作りの手順
①プラスチック製の容器を用意する
②水を入れ、小さなサツマイモを丸のまま浸ける
これだけで大丈夫です!
水は週に2回ぐらいの頻度で交換してください。
1週間から2週間くらい経つと芽が出てきて、根っこが生えてきます。
1ヶ月ぐらい経つと葉が大きくなって、十分苗として使えるサイズになります。
サツマイモの一部を切って苗作りを行う場合は、水の外に頭が少し出るように水の量を加減してください。
苗づくりのポイントは時期
サツマイモを植える時期はその地域によっても異なりますが、日本の北から南なら4月~6月位までの間になります。
苗づくりは4月ぐらいに行うのがおすすめです。
今回は芋を水につけて苗づくりを行いますが、一般的には土の中に芋を埋めます。
土の中に埋めておくと芽を出て来るので、その芽を苗として使います。
ただ、単純に土の中に植えておいても芽をなかなか出してくれません。
農家の方は「有機質の堆肥や有機物を入れて菌に発酵させて、その発酵熱で土を温かくして発芽を促進させる」という様に、土の中で根を生やすために少し大変な作業を行っています。
家庭菜園では今回の「ただ単純に水につけておく」方法が簡単に苗が取れる為オススメです。
比べると取れる苗の量は少なく生産効率が悪いですが家庭菜園であれば十分な量が取れます。
苗づくり/1ヶ月後
それではサツマイモ1カ月間水に漬けておいたものをお見せします。
こんな感じになります。
全体像はこんな感じです。
かなり葉っぱが茂っているのがわかると思います。
うまくいけば、この様にたくさんの苗を取ることができます。
一週間から二週間ほど、ハイポネックスという液体肥料を使ったことで葉っぱがより元気に育ちました。
この中で生育が良い芽だけを苗として使いたいと思います。
根っこがかなり出てますよね、芽が6本ぐらいでてます。
葉っぱの枚数もまあ40枚くらい出てます。
茎の長さは約20センチぐらいです。
このような節から根っこが生えてきてサツマイモになる為、葉っぱの付け根から根っこが生えてくることがとても大切です。
それでは、こちらの茎を取ります
根っこも伸びてますね、10センチぐらい伸びてます。
サツマイモの苗を選んだら、左右に捻り優しく取り外します。
植え付けは自分で作った苗、ホームセンターで売っている苗どちらも同じように植え付けます。
芋から出たつるを土に植えよう
さつまいもの袋栽培の手順
- 土を混ぜ袋に入れる
- 袋の底になる部分に何カ所かマイナスドライバーで穴を開ける
- 苗を植える
- 支柱を立てる、日陰に置く(必要な方のみ)
使用する袋の下に排水用の穴を開けます。
私はベランダでサツマイモ育てます。
少し狭い為、蔓が横に広がってベランダを埋めつくさないように蔓の周りに支柱を立て、葉っぱを縦方向に伸ばす予定です。
広いスペースがある人は支柱を使う必要はありません、そのまま地面に蔓をはわせてください。
畑や地面で育てるなら肥料は控えめに
畑に植える際のポイントは元肥をあまり入れないことです。
トマトとかナスを栽培する肥料がたっぷり入った畑ではサツマイモは上手く育ちません。
その畑の土手の近くなど痩せた土地がおすすめです。
サツマイモはあまり肥料分(窒素)が多いと、葉っぱだけが育ってしまい芋ができないからです。
プランターや袋栽培なら肥料を与える
ある程度肥料が入っていたほうがいいです。
畑と違って吸収できる肥料の量が少ないので、全く栄養が入っていない状態だと上手く育ちません。
販売されている野菜用の培養土を使っても構いません。
今回私が使用した土は、別の野菜を育てていた野菜用の培養土に余っていた培土、元肥として油かすと化学肥料、鹿沼土を少し混ぜてあります。
最初は肥料分がたっぷりあるので葉っぱがぐんぐん育っていき、途中から肥料分が切れてサツマイモにはちょうど良くなるかなと思います。
サツマイモはツルボケに要注意
肥料分(窒素)をあげすぎてしまうと「ツルボケ」と言う、「葉が茂っているが芋ができない現象」になる恐れがあります。
追肥を行う際にはやりすぎない様に気をつけてください。
もし、これまでサツマイモを育てた方で
「葉っぱがたくさん育つんだけれども芋は全然出来なかった」
という方は追肥が原因の可能性が高いです。
追肥は葉の色を見て、黄色なら行う、緑色なら行わない、とか判断すると良いですよ。
市販の野菜用の培養土をそのまま使っていただくのが一番簡単だと思います。
市販の培養土を使用してもツルボケになってしまうのが怖いという方は、赤玉土などでかさ増しをして肥料分を薄めましょう。
さつま芋の植え方いろいろ
サツマイモの植え付け方法は沢山あるのでご紹介します。
- 水平に植えるやり方
- 斜めに植えるやり方
- 垂直に植えるやり方
- 茎を凹ませる様にしならせるやり方
とか何かもう本当に色んな植え方があります
今回の場合には、根っこの部分は必ず土に埋めたいので斜めに植える方法で行います。
ちなみに、土の量は多い方が収穫量が増えます。
苗を植える
では先ほどの苗を斜めに植えていきます。
土の上を少し掘ってから軽く置き、上から土をかぶせます。
葉っぱは外に出るようにしてください。
あとは少し水をあげましょう。
根っこから水分が吸えるようになるまで数日間かかる為、しばらくすると葉っぱが萎れてきます。
葉っぱはかなり干からびてしまうので「枯れてしまった、、、」と心配になると思います。
そうなった場合でも根っこが生えてくれば、回復して葉っぱが立ち上がってきます。
今回は根っこが付いている状態の為、その分干からびにくいかも知れません。
市販の苗を使用する場合は根っこが生えていない事が多いので、根っこが生えてくるまではかなり干からびてしまうと思います。
袋とかプランターなどに植えた方は、最初の1週間ぐらいは日陰に置いておくのもおすすめです。
その方が葉っぱがあまり萎れてこないと思います。
根っこが生えて落ち着いてからは太陽の光がしっかり浴びる場所に置いて育ててください。
はいじゃあ、植え付けは完了です。
収穫できるような多分10月とか11月ぐらいになってからです
この後は正直多分なんにも管理しなくても、たまに水あげるぐらいでずっとうまく育っていくと思います。
途中でカリが主体の追肥を行うかもしれませんが、出来る限り追肥は行わない予定です。
ただ栽培期間が長いのでその点は注意して見てあげてください。
蔓が伸びてきたら
蔓が伸びてきたら支柱を立てる作業を行います。
私は3本の支柱を立てて、蔓を這わせて育てていく予定です。
蔓が伸びてきたら上にいく様に、どんどんと固定していきます。
そうすればあまり広い場所をとらずに狭いスペースでもサツマイモの栽培ができます。
ちなみにサツマイモのツルは佃煮などの調理法で食べることもできます。
トマト、唐辛子、なすなども袋栽培が可能です。
無事にサツマイモの芋が収穫できた
この年の秋に無事にサツマイモの芋が収穫できました。
みなさんもぜひサツマイモの芋掘りをお楽しみください。
サツマイモの再生栽培のまとめ
今回は、サツマイモを小さな種芋から苗をたくさん作って土に植える再生栽培を行いました。
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