今回は、いちごが枯れる原因を15個のパターンに分けて解説します。
- 家庭菜園でいちごを栽培している
- いちごを枯らしたことがある
- 枯れてしまったけれどその原因がわからない
という方におすすめの内容です。
いちご農家でも、家庭菜園でもいちごが枯れることはよくあります。
枯れる原因がわかっていれば良いんですが、どういう原因なのかよくわからないけれどなぜか枯れてしまうことが結構あると思います。
もちろん原因は15個だけではなくて他にもいろいろあります。
複数の要因が組み合わさっていることもあるので、今回の解説はあくまでも参考程度にしてください。
1.いちごの株が完全に枯れている
ただ単純に枯れている。
完全に枯れてしまっている。
その場合考えられるのは、単純に水不足。
ちゃんとしっかり水やりをしているという人は問題ないです。
でも中には水やりを忘れてしまう人や、水やりの頻度のコントロールができていない方が結構多いです。
例えば、いちごは葉の面積が非常に小さい時や気温が低い時は水の消費量が少ないので、冬は一ヶ月に一回でOKです。
でも、夏は一日に三回必要な場合もあり、いちごは枯れてしまいます。
もしすごい暑い夏の時期に、土日の二日間どこかに出かけて月曜に帰ってきたらいちごが枯れているということも考えられます。
もうひとつ考えられるのは、水はしっかりあるけれどクラウンが折れていて維管束が切断されていて根から水が全然吸い上げられないこと。
脇芽や葉を取るときや収穫する際にいちごにちょっと当たってしまいますよね。
その時に気を付けないと茎が折れてしまい、見た目は平気そうでも実は中で折れていて枯れてしまうこともあります。
2.いちごの葉が元気そうなのに萎れる
いちごの株が青いまま、元気そうなのに水分だけ抜けたような状態になる。
それは青枯病や青枯炭そ病の病気にかかっている可能性が高いです。
これはどういう病気かというと、菌が感染をして維管束が働かなくなってしまいます。
そうすると根から水分が上がらなくなって枯れてしまうという病気です。
それぞれの病気や害虫の対策はこの記事では省略します。
ものすごく長くなってしまうのでそれぞれ別の記事でご紹介したいと思います。
3.いちごの新芽だけが枯れている
他の葉は元気なのに、新しく出てきた葉だけが枯れているパターン。
この場合に疑わないといけないのは、ホコリダニという害虫です。
ハダニとは違う虫です。
このホコリダニの厄介なところは、小さすぎて肉眼では見えないところです。
何かわかならいけど新葉が枯れていることがありませんか?
実はそこにホコリダニが居ても、あまりにも小さくて人間の目では見えないのでわからないということがあります。
ホコリダニは新葉の部分でしか被害が出ないので、新芽の部分だけが枯れていたらホコリダニを疑ってみてください。
4.いちごの葉の縁だけ枯れている
葉のふちだけが枯れているパターンですね。
その場合には、古い葉なら単純に老化現象でふちだけ枯れるので気にしなくてOKです。
ただ新葉のふちだけ枯れていたら、それはチップバーンという生理現象です。
チップバーンというのは直接的な原因はカルシウム不足です。
土のなかでカルシウムが不足しているという場合もあります。
カルシウムはあるけれども他の窒素分や肥料分が多すぎて吸収できないことでカルシウム不足が起こっていることもあります。
チップバーンは直接的もしくは間接的なカルシウム欠乏の症状です。
5.いちごの葉の縁から内側に枯れる
葉のふちから内側へ向かってどんどんと枯れが進行してきている。
この場合、一番最初に疑わなければいけないのは根腐れ病だと思います。
葉の外側から内側へ向かって枯れが進んできているのは、根から養分や水分の吸収が減ってきていて、広い葉面積を維持できなくなっているからです。
だからどんどんふちから死んで、葉面積が小さくなっているという状態です。
根の病気はいろいろあるので、根腐れ病だけに断定はできません。
しかし、根になにか問題が起きているかなと考えてください。
6.いちごの葉に黒い点がある
葉が枯れたということで詳しく話を聞いてみたら、葉が完全に枯れた訳ではなくて点々と点状に枯れができているという症状を訴える方も結構います。
黒い点が出た場合、一番最初に考えるのは黒斑病という病気です。
ただ品種によって病気の出やすさがそれぞれ違うので、病気を調べる時は品種や栽培方法も合わせて考えないといけません。
7.いちごの葉に紫色の点がある
似たものですが、葉に紫色の点が出ている。
黒ではなく紫色っぽい点が出ることがあります。
この場合は、じゃのめ病という病気を疑ってください。
じゃのめ病というのは、蛇の目の病気と書きます。
なので蛇の目みたいに、中心の色とふちの色が2色に分かれているという特徴があります。
8.いちごの葉に黒い斑点が現れる
黒い斑点が出てくる。
黒い症状が葉に出てくるパターンです。
いろんな病気が考えられますが、非常に一般的な病気としては炭そ病(炭疽病)という病気があります。
なので最初は炭そ病を疑うのがいいかなと思います。
炭そ病というのは非常にやっかいな病気で、日本中で猛威を振るっている病気です。
この病気についてはこちらで詳しく解説しています。
また、疫病という病気の可能性もあります。
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9.いちごの小葉の形がおかしい
葉の形がおかしい。
なんか変な形の葉が出てくることってないですか?
いちごは3枚がきれいに同じ形で出てくること一般的です。
例えば、3枚の小葉のうち1枚だけ小さかったり、2枚だけ異様に小さかったり不揃いな形で出てくることってありますよね。
そのような時に一番最初に疑ってほしいのは、萎黄病という病気です。
萎黄病もかなりいろんなところで出てきているので、この病気をまず最初に疑うのがいいかなと思います。
10.いちごのランナーの一部が枯れる
親株からランナーを出していたら、途中で黒やサーモンピンク色の枯れている部分が発生。
気が付いたらランナー自体が枯れてしまったということが起きます。
そういう場合に一番最初に疑ってほしいのが、これも炭そ病です。
炭疽病は苗を増やす真夏の時期(6~8月ぐらい)に発病しやすくなります。
11.いちごの葉にクモの巣が現れる
葉にクモの巣状のものが張っている。
それで非常に生育が悪くなっている。
これは一体何かというとクモの巣みたいに見えるかもしれませんが、クモの巣ではありません。
これは実はハダニです。
ハダニと呼ばれている害虫は数が少ないうちはただ葉の裏にくっついているだけです。
しかし、数が増えるとクモの巣状の網を作り、葉を覆います。
よーく見てみると、その網の上を小さい虫が動いています。
肉眼でもぎりぎり見えるのでよく見てもらったり、虫メガネやルーペを使って見てみてください。
ハダニはいちごの葉から養分を吸うので生育が悪くなったり、最悪枯れてしまいます。
12.いちごの葉が黄色くなる
葉が黄色くなっている場合、いくつか可能性はありますが、まずは単純に肥料不足ということを考えてみて下さい。
いちごは他の植物と一緒で、窒素が少ないと葉の色が黄緑色に近くなっていきます。
そういう場合には単純に追肥をするだけで症状が回復することもあります。
あともう一つあるのは、植え付け直後の多湿です。
ふつうのいちごを育てる感覚で水やりをしてしまうと、植えた直後は根の量が非常に少ないので水を吸う量は少ないので多湿状態になります。
水やりの量が多すぎて多湿状態になると、新葉が黄色くなってしまったりします。
水やりも気を付けてみてください。
13.いちごの子苗が枯れている
苗を増やしている時に、ポット受けした苗や空中採苗した苗が枯れている。
このパターンも虫や病気の可能性もありますが、苗の場合一番可能性が高いのは根の量が少なすぎるということです。
いちごはランナーから根が生えてきますが、その量があまりにも少ないと水が吸えなくて枯れてしまうということがあります。
なのでいちごの小苗から根の量がある程度十分な量になるまでは、ランナーで親株と繋げてください。
もしくは頻繁に水をかけて湿度を保つということが大切になります。
14.いちごが水耕栽培でうまく育たない
水耕栽培でいちごを育てていて、いちごが枯れてしまった場合です。
水耕栽培愛好家という方も多いので、水耕栽培でいちごを育てている方もいらっしゃると思います。
こういう時に起こりうるのが、枯れてしまうことです。
これの原因はなにかというと、一番可能性が高いのは酸素不足です。
水耕栽培でやっている場合には、水や肥料や光が足りないということは考えにくいです。
そうなると何が原因かというと酸素です。
いちごの根は酸素要求量がほかの作物に比べて多いです。
酸素要求量というのはいちごの根が健全に生育するために必要な酸素量です。
なのでいちごを育てる場合、水耕栽培にはNFTとDFTがありますがほとんどNFTを使います。
もしDFTという水がたっぷり入ったやり方で水耕栽培をする場合には、金魚用のエアーポンプや水流ポンプなどを使って循環させるなど、酸素の量を多く保つなど工夫しなくてはなりません。
いちごを室内で水耕栽培したい人には、こちらの記事がおすすめです。
いちごを植物工場で水耕栽培する方法!室内で土を使わずに液体肥料とLEDでイチゴを育てよう
15.いちごが室内の人工光LED栽培で枯れる
人工光で育てているときに枯れた場合です。
人工光というのは太陽光ではなくて、例えば蛍光灯やLED電球、高圧ナトリウムランプなどです。
そういった時にいちごが枯れるというのは今まで説明してきた14個の原因も考えられますが、人口光の場合は
- 光が弱すぎる
- 発熱が熱すぎる
このどちらかかなと思います。
光源からの距離に比例して光量は低下します。
光が弱いと光合成ができないもしくはできたとしても少ない量しかできないので、いちごは生育しないということになります。
逆に近くすればいいと思って密着させて栽培させた時に、電球の熱で枯れることもあります。
あまり熱が出ないLEDを使っていれば問題ないですが、熱が出る豆電球などを使っていたら光源自体から発熱します。
この熱のせいでいちごの葉が枯れることも考えられます。
いちごが枯れる育たない原因と対策まとめ
いちごが枯れる原因を15個のパターンに分けて、それぞれの要因を考えてみました。
もちろん他にも枯れる原因はあるので、よくあるものとして今回の15個を参考にしていただければと思います。
育てている条件や品種いろいろなものによって、もっと違う病気や虫や原因が出てきます。
なのでいろいろ考えなければいけなくて、いちごを育てるのは難しいなと思います。
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